10/4(土)今日の予約修理車はCB400F
依頼事項はエンジン異音、リアブレーキが効かない、エキパイ交換
先日、初めてお越しになってエンジン異音はロッカーアームのサイドスプリングの誤組みであることは確認済み、試乗してブレーキが効かないのも確認済み
エキパイは集合部の破れを指摘したらお客様が某オークションで購入して持ち込み
朝10時時間通りお客様はお越しになった。
まずはマフラーを外してエンジンを送風機で冷やし始める

何故冷やしてからの作業か?
タペット調整は冷間時に行うもの(20℃以下)
特に問題がなければ1時間程度の作業、そのままではとうてい冷えません
送風機で風を当てながら分解作業を始めてはエンジン内に埃が入る可能性があるのでそれもしたくない
冷えるまでの間に別の作業をする
マフラーを分解しよう
外したエキパイは集合部に破れが数箇所ある

マフラーが刺さる部分も溶接痕があり怪しい

#1、#3のエキパイを外す
#1は簡単に外れたが#2は内部で錆びて固着しまったく動かない
仕方なく内外両方から浸透潤滑剤を塗布して放置し別の作業へ
持ち込まれたエキパイは#4パイプに凹みはあるが全体的に悪くはない



マフラーは北米向けのカナダコーション入り
水抜きが詰まっているので開通させる

リアブレーキの作業に入る前にセンタースタンドブラケットの修正

20年前に購入した時点で集合管が付いていて
センタースタンドも付いていなかった
集合管が当たるため無理に曲げたのだろう
足回りの作業を行うにはセンタースタンドがあると安全で非常にやりやすい

車体に取り付けしなくても作業時だけの使用も有りだろう
※アゲインさんのスタンドでも70φの集合管は外さないと無理
ブレーキシューは純正でまだ組んだばかり

ホイールハブを見ると何故油っ気がある?

シューの当たり面も怪しい
ハブの内面を脱脂洗浄
ブレーキシューも面取り&表面を紙やすりで一皮剥く

そのくせブレーキシューの両側はグリスの塗布が無くカラカラ

こんなおっつけ整備をされるのがいやなので
当店ではO/Hセットとしてブレーキシューは面取りして、ブレーキカムとシュー用にブレーキグリス、アクスルシャフト用に耐熱かじり防止グリスを付属させている。

もちろんシューは安心の純正部品
良くありがちなのが専用グリスを使用と書かれていても持っていなければドライで組んでしまうし、何でも良いだろうと万能グリスを使って組んだりする
高温になる部分なので溶けて流れてしまう
まさか今回のハブはそんな流れ出たグリスが溜まっていたのか?
専用グリスを使い組み立て

ブレーキペダルもおかしなことになっている

けっこうひん曲がっていてアジャストボルトもこんな長く突き出している

シャフトの角度が変われば効きに影響が出る修正しましょう
ブレーキペダルを外す
せっかくだからシャフトも外してグリスUPしましょう

ブレーキペダル、新品との比較
上が新品

左が新品

製作した定規に当てると一目瞭然(企業秘密のため非公開)
バーナーで炙りながら油圧で修正

部位ごとに冷やして炙って修正を繰り返す
修正完了(左が新品)


組んでみましょう


※後から撮った画像なのでマフラーが写っています。
次はホイール
せっかく外したのでドリブンスプロケットの軸部分をグリスUP
案の定カラカラ

焼付き防止グリスを塗布、組み立てます。
リア周りが終わりエンジンも充分に冷えたので
分解作業へ
サクサクっとヘッドカバーを外す

ヘッド側

結構黒いですね
オーナーさん呼んで見てもらい事情聴取
「オイル交換何キロごとにやっていますか?」
明確な回答を得られなかったので気が向いたらやってる程度か?
当店の推奨は2000kmごと、そうすればオイルの清浄作用によりどんどんきれいになりますよと説明
見事にパーツリストの絵のとおりに組まれています。


土手が有るほうにスプリングを組みますがEX側は逆なのが判ります。
分解前にデジカメなどでバックアップを撮っておけば安心
たったこれだけのことで激しい音がします。
しかし、ヘッドカバーガスケットを組む際に液状ガスケットを大盤振る舞いに使用したため酷くはみ出している


このはみ出したガスケットはどうなるか剥がれればオイルパンに落ちます。
金属片と違いオイルに漂いますからストレーナーに張り付き
多ければストレーナーが目詰まりします。
本来ならEX側のスプリングの入れ替えだけで早々終わるものが
全バラしてガスケット溝の液状ガスケットの除去が必要

パーツクリーナーでふやけるタイプなので桶にいれて浸しながら丹念に除去
この作業だけで30分は費やしました。
結果がこれ

当店ではもっぱらホンダボンドを使っています。
組み立て完了

これが正解

開いてるついでにヘッドのトルクチェック

組み立てて、エンジンは完了
作業時に邪魔になるスロットルケーブル、クラッチケーブルは外すので
せっかくなのでワイヤーオイルで潤滑しておいた
外すときに気になっていた引き側の遊びの無さ

スイッチ側で締め込み不足

ねじ山見えています。
2回転締めて

ちょうど良し

ニュートラル以外ではクラッチを握ってもセルが回らない

プッシュロッドが磨耗?無くなっています。
右が新品
交換時ヘッドライトを外すとアジャストスプリング、ナットが居ない!?
光軸調整出来ないじゃん

ナットはリムに引っ掛かっていて、スプリングを新調

チェンジブーツが片方は不在、もう片方は破けている

ペダルも曲がっている
ブーツ交換、修正後

もうこの時点で18時を回り外は真っ暗
固着したエキパイを確認....まったく動かず
お客様にサンダーでエキパイを破壊することを承諾いただき作業に入る
切れ目を入れて何とか外せました~

サクサク組み立て....えぇぇ~

バンドが同じ方向が2つ
仕方ないこのままでいきましょう
もうすぐ19時というところでやっと完成

これから試乗に出て、帰ってきてお客様に確認試乗してもらい
完全にエンジンが温まったところでカムチェーン調整
この日もお昼ご飯は食べれず断食ダイエット
14時を回るとお客様も来ますし電話も掛かってきますから
作業速度が大幅に遅くなります。
初めて作業する車両はトラップが一杯
新規の点検整備でのお預かりが無理なので
週末の予約修理時間帯に小出しで整備を行えるが
初めての車両は欲をかいてたくさんの作業は控えたほうが良さそうです。
今日は比較的来客は少なかったので良かったが気をつけよう
(明日辺り来客で溢れそうな予感がする)
予約修理は次の修理は翌月以降とさせていただいている
なるべく多くの人に利用してもらえればと考えるからです。
優先順位で次はキャブレター
一応、リペアキットを組んでいるようだが

肝心の唯一磨耗する部品のジェットニードルセットを換えていないのだろう
街乗りで15km/ℓとのことだし、発進時のもたつきも感じられる
排気ガスもかなり臭う
決心が付いたら早めにご予約くださいね
車検車両の引き取りもあった

次はオイル交換か次回車検か
ありがとうございました。
依頼事項はエンジン異音、リアブレーキが効かない、エキパイ交換
先日、初めてお越しになってエンジン異音はロッカーアームのサイドスプリングの誤組みであることは確認済み、試乗してブレーキが効かないのも確認済み
エキパイは集合部の破れを指摘したらお客様が某オークションで購入して持ち込み
朝10時時間通りお客様はお越しになった。
まずはマフラーを外してエンジンを送風機で冷やし始める

何故冷やしてからの作業か?
タペット調整は冷間時に行うもの(20℃以下)
特に問題がなければ1時間程度の作業、そのままではとうてい冷えません
送風機で風を当てながら分解作業を始めてはエンジン内に埃が入る可能性があるのでそれもしたくない
冷えるまでの間に別の作業をする
マフラーを分解しよう
外したエキパイは集合部に破れが数箇所ある

マフラーが刺さる部分も溶接痕があり怪しい

#1、#3のエキパイを外す
#1は簡単に外れたが#2は内部で錆びて固着しまったく動かない
仕方なく内外両方から浸透潤滑剤を塗布して放置し別の作業へ
持ち込まれたエキパイは#4パイプに凹みはあるが全体的に悪くはない



マフラーは北米向けのカナダコーション入り
水抜きが詰まっているので開通させる

リアブレーキの作業に入る前にセンタースタンドブラケットの修正

20年前に購入した時点で集合管が付いていて
センタースタンドも付いていなかった
集合管が当たるため無理に曲げたのだろう
足回りの作業を行うにはセンタースタンドがあると安全で非常にやりやすい

車体に取り付けしなくても作業時だけの使用も有りだろう
※アゲインさんのスタンドでも70φの集合管は外さないと無理
ブレーキシューは純正でまだ組んだばかり

ホイールハブを見ると何故油っ気がある?

シューの当たり面も怪しい
ハブの内面を脱脂洗浄
ブレーキシューも面取り&表面を紙やすりで一皮剥く

そのくせブレーキシューの両側はグリスの塗布が無くカラカラ

こんなおっつけ整備をされるのがいやなので
当店ではO/Hセットとしてブレーキシューは面取りして、ブレーキカムとシュー用にブレーキグリス、アクスルシャフト用に耐熱かじり防止グリスを付属させている。

もちろんシューは安心の純正部品
良くありがちなのが専用グリスを使用と書かれていても持っていなければドライで組んでしまうし、何でも良いだろうと万能グリスを使って組んだりする
高温になる部分なので溶けて流れてしまう
まさか今回のハブはそんな流れ出たグリスが溜まっていたのか?
専用グリスを使い組み立て

ブレーキペダルもおかしなことになっている

けっこうひん曲がっていてアジャストボルトもこんな長く突き出している

シャフトの角度が変われば効きに影響が出る修正しましょう
ブレーキペダルを外す
せっかくだからシャフトも外してグリスUPしましょう

ブレーキペダル、新品との比較
上が新品

左が新品

製作した定規に当てると一目瞭然(企業秘密のため非公開)
バーナーで炙りながら油圧で修正

部位ごとに冷やして炙って修正を繰り返す
修正完了(左が新品)


組んでみましょう


※後から撮った画像なのでマフラーが写っています。
次はホイール
せっかく外したのでドリブンスプロケットの軸部分をグリスUP
案の定カラカラ

焼付き防止グリスを塗布、組み立てます。
リア周りが終わりエンジンも充分に冷えたので
分解作業へ
サクサクっとヘッドカバーを外す

ヘッド側

結構黒いですね
オーナーさん呼んで見てもらい事情聴取
「オイル交換何キロごとにやっていますか?」
明確な回答を得られなかったので気が向いたらやってる程度か?
当店の推奨は2000kmごと、そうすればオイルの清浄作用によりどんどんきれいになりますよと説明
見事にパーツリストの絵のとおりに組まれています。


土手が有るほうにスプリングを組みますがEX側は逆なのが判ります。
分解前にデジカメなどでバックアップを撮っておけば安心
たったこれだけのことで激しい音がします。
しかし、ヘッドカバーガスケットを組む際に液状ガスケットを大盤振る舞いに使用したため酷くはみ出している


このはみ出したガスケットはどうなるか剥がれればオイルパンに落ちます。
金属片と違いオイルに漂いますからストレーナーに張り付き
多ければストレーナーが目詰まりします。
本来ならEX側のスプリングの入れ替えだけで早々終わるものが
全バラしてガスケット溝の液状ガスケットの除去が必要

パーツクリーナーでふやけるタイプなので桶にいれて浸しながら丹念に除去
この作業だけで30分は費やしました。
結果がこれ

当店ではもっぱらホンダボンドを使っています。
組み立て完了

これが正解

開いてるついでにヘッドのトルクチェック

組み立てて、エンジンは完了
作業時に邪魔になるスロットルケーブル、クラッチケーブルは外すので
せっかくなのでワイヤーオイルで潤滑しておいた
外すときに気になっていた引き側の遊びの無さ

スイッチ側で締め込み不足

ねじ山見えています。
2回転締めて

ちょうど良し

ニュートラル以外ではクラッチを握ってもセルが回らない

プッシュロッドが磨耗?無くなっています。
右が新品
交換時ヘッドライトを外すとアジャストスプリング、ナットが居ない!?
光軸調整出来ないじゃん

ナットはリムに引っ掛かっていて、スプリングを新調

チェンジブーツが片方は不在、もう片方は破けている

ペダルも曲がっている
ブーツ交換、修正後

もうこの時点で18時を回り外は真っ暗
固着したエキパイを確認....まったく動かず
お客様にサンダーでエキパイを破壊することを承諾いただき作業に入る
切れ目を入れて何とか外せました~

サクサク組み立て....えぇぇ~

バンドが同じ方向が2つ
仕方ないこのままでいきましょう
もうすぐ19時というところでやっと完成

これから試乗に出て、帰ってきてお客様に確認試乗してもらい
完全にエンジンが温まったところでカムチェーン調整
この日もお昼ご飯は食べれず断食ダイエット
14時を回るとお客様も来ますし電話も掛かってきますから
作業速度が大幅に遅くなります。
初めて作業する車両はトラップが一杯
新規の点検整備でのお預かりが無理なので
週末の予約修理時間帯に小出しで整備を行えるが
初めての車両は欲をかいてたくさんの作業は控えたほうが良さそうです。
今日は比較的来客は少なかったので良かったが気をつけよう
(明日辺り来客で溢れそうな予感がする)
予約修理は次の修理は翌月以降とさせていただいている
なるべく多くの人に利用してもらえればと考えるからです。
優先順位で次はキャブレター
一応、リペアキットを組んでいるようだが

肝心の唯一磨耗する部品のジェットニードルセットを換えていないのだろう
街乗りで15km/ℓとのことだし、発進時のもたつきも感じられる
排気ガスもかなり臭う
決心が付いたら早めにご予約くださいね
車検車両の引き取りもあった

次はオイル交換か次回車検か
ありがとうございました。