今週の車検はCB350Fを預かっています。
預かるのは週1台と決めてから
なんとかペースがつかめてきました。
よっぽど酷いことにならなければ
車検車両をこなし、若干の余裕が出来るはずです。
現在は倉庫の移動の片付けなどに時間を取られていますが
移動が完了し片付けが完了すれば
STOPしている滞留車両に手を付けられます。
特にエンジンやキャブの組み立てなどは時間が充分にあるときに
一気に組み上げたいもの
やはり作業精度を最優先と考えます。
このCB350F、当店では車検は2回目
前回はユーザー代行の為、ただ通しただけ
今回は総合点検を依頼されましたので
当店では初めてフロントブレーキの分解となります。
預かり時にブレーキのタッチが気に入らないとのこと
握ったときに柔らかいというか深く握れてしまう
昨日まで店頭営業日だった為
今日から診始め
まずは試乗をして
乗車中の違和感のチェック
帰ってきてから
早速、分解
「ありゃ、これもパッドAの下側が濡れてるよ~」
少し出してみましょ
「むむむ」
今回の車両は錆で真っ赤っか!!!!!!
「かなり嫌な予感」
ピストンの周りに塊多数
漏れていたことがあるのは確実
錆もフルードが原因の場合があります。
では、ピストンを少し出してみましょう
「案の定~」
そのまま抜くと中には
お約束のヘドロ~~~~
果たして何年分解していないのでしょう?
ピストンに付着したものを拭き取ると
「あらまぁ!」
点錆多数、漏れの原因はこれですね。
マスターシリンダーは?
漏れていますね~
ピストンを外すと
「合掌!」
ホース類も分解しますが
ブレーキパイプのフレアナット部分が妙に固い
何とか外れましたが
再使用はしたくないですね
パイプ内部も錆びている様子
外したスイッチにも結晶が付着
キャリパーA、マスターシリンダー、ホース、スリーウエイジョイント、オイルボルト類を水+中性洗剤で洗浄
乾燥させてチェックすると
キャリパーのシール溝には白い塊が多数
こいつが裏側からシールを押してピストンの動きを悪くします。
(CBXなどのの2ポットキャリパーはてきめん!)
フルードに浸る部分はすべてと云って良い
白いモノが付着しています。
もちろん穴内部にもです。
スリーウエイジョイントも然り
すべてに沈着しています。
例えばメーカーで推奨するブレーキ周りのパーツの交換時期
4年ごと:ブレーキホース
2年ごと:シール、ピストンセット(インナーキット)などのゴム部品
実際には
ホースはクラックが発生したら、通路のコンディションが悪くなったら交換を具申
マスターシリンダーインナーキットは4年ごと
キャリパーシールは2年ごと
そのようなスパンで交換を具申します。
ただし、ブレーキの分解洗浄は毎回車検ごとに行いたいと考えます。
以前の総合点検ではマスターシリンダー、キャリパーは外して分解洗浄行いましたが
ホースまではバラしておらず
途中に堆積していた結晶が後に剥がれマスターシリンダーのポートを詰まらせて悪さしたりすることもあり
現在の全分解に至ったわけです。
定期的に洗浄していればこのような激しい沈着は無いと考えます。
今回はフロントブレーキはインナーキット、ボルト、ホース、パイプ、スイッチ、ピストン、ピストンシールといった全交換を具申いたします。
スイングアームはガタも無く、ピボットカラーもグリス切れをおこしておらず状態が良いです。
CB400Fと違いピボットシャフト側面からグリス給油するタイプ
こちらのほうがグリスの回りが良いのかしらね
(グリスの浸透経路がまったく違います。)
前後ホイールも5年半前にリビルトしているのでベアリング、リアブレーキ周りも問題無し。
さて、メーターを見るとメータークッションが潰れている
一応、確認
「あ゛っ!」
「溶けてるし…合掌!」
エアクリーナーも新品と比較チェック
完全終了!
ポイントのチェック
むむむ、ガスケットがケース側に液体パッキンで固定!
コンタクトブレーカーASSYを外すなと言うことか!?
切らないように慎重に剥がして
ガバナーを外してO/H
やっぱりダンパーが剥がれていました。
これはもちろん修復(企業秘密!)
※ノウハウに当たらないものだけ公開しています。
メールで「自分だけ教えてお願い!」って云うのも無しですよ。(たまにある)
インシュレーターマニホールドの割れも気になりますね
特に#2が大きく剥がれています。
#3はOリング終了しているだろうガソリンの色素のにじみも見られます。
タペット調整をしようとキャップを見回しながらチェックすると
ヘッドカバー周辺がオイルだらけ
濡れてるのうまく表現できないですね~
タコメータギアオイルシールからも出始めているのかな?
ほとんどがタペットキャップ周辺なのでキャップのOリングが怪しい
どれ、
完全にぺったんこですな
カットすると断面は四角くなっています。
シーリングボルトから漏れていることも有ります
アルミワッシャーは熱でなじんでトルクが抜けることが有ります。
定期的にトルクチェックを行いたいものです。
増し締めとは云ってもぐいぐい締めこむものではなく
規定値以下に落ちたトルクを規定値で締めるもの
ご注意くださいね
腰下も結構漏れている
オイルパンを見ると全体的に濡れている
ドレンの前側のガードを触ると
あらら~
ざっとみると
オイルポンプ、セルモーター(根元)、カムチェーンテンショナーセッティングボルト部、オイルパスキャップとOリングが使われている部分全般
発熱量の大きなエンジンですから、ゴムパーツは熱でやられます。
だいたい漏れ始めると同時期にOリング使用部分全部から出始まるものです。
さて、これから見積り書いてオーナーさんに送信しなくちゃ
なんだかんだ云って
深夜残業から抜けられないですね
明日はセミの数が増えそうです(笑)
メールで問い合わせを頂いていて放っておいた案件が有りました。
「いつもお世話になっております。本日のブログ拝見しました。
先日私もオイルフィルターカラーを購入しまして、いざ組んでみようとしたところカラーを入れるとセンターボルトの長さが短いためか、取り付け出来ませんでした。
CB400fのセンターボルトまたはオイルフィルターケースの場合も考えられるので、もしその場合はどの様になるのか教えていただけませんか?忙しいところ申し訳ありませんがアドバイスよろしくお願いします。」
工場内ぐちゃぐちゃでCB350Fのフィルターケースがどこに埋もれているか分からず
また、それを探す為に時間を費やすこともできず
今回、車検車両が入庫するのを待っていました。
画像で説明するのが一番ですからね
上がCB350Fのもの、下がCB400Fのもの
カラー分長さが違います。
おそらくCB400Fのものがついていると思われます。
ご確認ください。