拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

うんとこしょ、どっこいしょ

2006-12-01 20:16:15 | 日記
先日、10月一杯お世話になった教育実習先の小学校へ行き、学芸会を見て来た。朝、職員室に挨拶に行った後、約3週間ぶりに1年生の教室に行き、子供たちと再会。「おぉ~!なんで来たのぉ~??」という明るい声に迎えられる。もちろん君たちの頑張りを見に来たのよ~。学芸会本番ということで普段にも増してテンションの高い子供たち。久々に「先生~」と呼ばれて飛び付かれたり、近況を聞いたりしてしばらく楽しい時間を過ごす。お別れ会の時泣いていた子も今日はケロッとして、あの頃と同じようにポケモンの進み具合を報告してきた。今年の10月は割と暖かい日が多く、着ているスーツやジャージが汗ばむ事もしばしばだったが、今では朝晩ぐっと冷え込み、冬の匂いが漂う。でも季節が変わっても彼らの元気さは変わってなかった。変わったといえば座席ぐらいだろうか。「あー、そういえば子供の頃は月一で席替えしてたわ…」と懐かしくなる。私がこの教室に来なかった間も時間は確実に流れていたんだな。当たり前だけど。
やがて教室に担任の先生が来て、劇の衣装に着替え。一年生の演目は「おおきなかぶ」。おじいさんおばあさん孫むすめに加え、犬、猫、ねずみなども参加してみんなで力を合わせて大きなかぶを引っこ抜く、という誰でもおなじみのお話である。みんな役に合わせたそれらしい衣装を着るの。一年生だけあってもうめちゃめちゃ可愛いが、特に可愛かったのがかぶの葉っぱ役の子達の衣装。緑色の長袖の服を着て、体育用の緑のハーフパンツを穿き、頭には緑色のバンダナを巻いて全身グリーンで固めている。うー…可愛いっす。おじいさん役の子がステテコっぽいのを穿いてるのも可愛かったなぁ。小さい子はなに着ても可愛い。肝心の劇本編は、練習を見ただけあって感動も倍増だ。セリフや歌の歌詞をなかなか覚えられなかったり、声が小さかったり棒読みだったりした子が多かったんだけど、本番ではみんな元気で楽しい劇を作り出そうと頑張っていた。いいもの見せてもらったよ…本当に。
学芸会を見てちょっと驚いたのが、5年生が演じた劇が、私が同じく5年生の時にやったものと同じだったこと。演目は「本当の宝もの」。小学校時代にやった劇の中で個人的に一番楽しい思い出ができた作品である。だから10年ぶりの思わぬ再会が妙に嬉しい。このお話の舞台は「世界宝ものコンクール」の会場。このコンクールに、架空の国々の代表者たちが自慢の宝を持参して出場し、その素晴らしさを審査員が判定する、という内容である。
このコンクールで「素晴らしい」と認められた国は、古今東西の知識が豊富なお年寄りを連れてきた「チョーメイ国」、国を支える労働者たちを連れてきた「アセミドロ国」、そして未来への溢れる可能性を秘めた子供たちを連れてきた「ニコニコランド」。いずれも「人」を連れてきた国々である。
対して所謂「モノ」を持ってきた国は様々な理由で失格に。「月の水」を持ち込んだ「アポロン連邦」は、「月に水なんてねーよ!」と突っ込まれ失格。貴重な宝石類を持ち込んだ「ガメツキランド」の貴婦人は、宝石類が全て盗品であることをうっかり口を滑らせてしまい失格。空飛ぶ絨毯を持ち込んだ「アラマア共和国」は空を飛ぶ様子を実演できずに失格となっている。それぞれの国名がいちいち突っ込みたくなるものばかり。「ガメツキランド」って…。ちなみに私が小5の時演じた役はこのガメツキランドの貴婦人でした。「おーっほっほっほっ」と高らかな貴婦人笑いをする度に観客の笑いが取れる、ラッキーな役でしたよ。
終盤に、宝物として爆弾を持ち込んだ強暴な国が現れる。「イクサマニア連邦」というこれまたいかにもなネーミングの国から来た軍人たちが、会場に「ウルトラ原子爆弾」を持ち込み、会場はパニックに。しかし勇気あるコンクールの審査員に「それをこの場で爆発させてみろ」と言われ、いざスイッチを押そうとするも、「…まだ死にたくない」と躊躇する軍人たち。そして彼らは「この爆弾は本当に宝物なのか」をゆっくり考えてみる、と言い残し、帰ってゆく。いざとなると使えないような爆弾を「宝」としていた彼らは、まるで冷戦時代の大国みたいだ。「アポロン連邦」なんて名前の国も出てきたりしているし、この劇が作られたのは70年代とかその辺の時代なのかなぁ…。   


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