拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

「evergreen」展

2009-02-10 15:03:32 | 音楽
2001年にリリースされたHYDEのソロデビューシングル「evergreen」。アコースティックサウンドが奏でる静寂の世界が広がる名曲で、彼がこれまでラルクで表現してきたものとは一味も二味も違う音楽だが、何故か「うーわ、HYDEワールド全開だな」と瞬時に感じさせてしまう不思議な曲だった。当時、ラジオからMDに録音したものを繰り返し、何度も聴いた。勿論CDも擦り切れるぐらい聴き倒した。とにかく常にあの曲を聴いていたくて。あの曲が耳に入ってこない状態が嫌で仕方がなくて。もう完全に「evergreen」中毒だった。HYDEの音楽性のコアな部分を封じ込めた劇薬のような曲だと思う。



さて、この「evergreen」にはいくつかのバージョンが存在する。以下まとめると…

①2001年リリースの「evergreen」
②①のカップリングだった「evergreen english ensemble」
③①の英語詞バージョン
④「EVERGREEN [DIST]」
⑤④の日本語詞バージョン

という感じ。オリジナル版である①が一番有名だろうけど、他のバージョンもそれはそれは味わい深い。特に②。①の歌詞が英語詞に置き換えられたものだが、アレンジも①とは異なっている。アコースティックな音作りで、パッと聴いた印象は①と似ているものの、ピアノがメインで音数は少なめで①よりもさらに儚い、消え入りそうな程の静寂の世界が広がっている。最近の『HUNTER×HUNTER』のキルアみたいな。置き換えられた英語詞もまた良いんだよなぁ、切なくて。一番感情が揺さぶられる終盤のフレーズ「近づく終わりに言葉一つ言い出せない」が、英語版だと「The bells have rang,the time has come」になってるのよ…。



③は①のアレンジは変えず、歌詞だけを英語にしたバージョン。HYDEの1stソロアルバム『ROENTGEN』の海外盤に収録されている。HYDE本人は日本語版よりもコレがお気に入りらしい…ってなんか書いててややこしくなってきた。大丈夫か、今日の記事、読んでくれる人に伝わっているのか!?
④は、HYDEがソロでやる音楽をロックに転向させた後にリリースされたもの。2005年のシングル「COUNTDOWN」のカップリングで、原曲のテンポやキーは変えずにバンドサウンドにアレンジしたもの。音が一気に厚くなり、HYDEの声がエモくなってるのだが、原曲の儚い魅力は健在なのが凄い。KAZの男泣きディストーションギターもガーガー鳴り響くよ。歌詞は英語なので③の別アレンジ版ってことになるのかな。



で、最後の⑤はCD化はされていないが、先日発売されたDVD『VAMPS LIVE 2008』に収録されてた④の日本語詞版。去年私がVAMPSのライブで聴いたのも多分こっち。歌詞の意味がダイレクトに伝わってくる分、④よりもさらにエモく聴こえる。

ここまで色んなバージョンがあるわけだし、本人的にも余程の自信作、というかお気に入りなのでしょう。ソロデビュー曲だしね。あぁ…懐かしい。「evergreen」と、続くシングル「Angel's tale」そして「SHALLOW SLEEP」は、CDケースが棺桶型の特殊パッケージだったなぁ。棺桶を開けると、中に懐かしの…2001年の時点で既に時代錯誤だった8センチシングルが入ってんの。どんだけ吸血鬼好きやねん、と。