さて、またもウィズネタな第720回は、
タイトル:ウィザードリィ ~魔術師ワードナの野望~
著者:塩田信之
出版社:双葉社 ファミコン冒険ゲームブック(初版:S63)
であります。
ファミコン版ウィザードリィIを元にしたゲームブックです。
魔術師ワードナから魔除けを取り戻すため、六人パーティを組んで地下迷宮に挑むというストーリーは原作と同じ。
最後にちょっとだけオリジナルな展開がありますが……それは読んだ方だけの秘密。(笑)
(ゲームブックって何よ? という方は第113回を御覧下さい)
本書の目玉は、ウィズの楽しみの一つであるキャラクターメイキングを再現していることでしょう。
さすがに原作ゲームほどの自由度はありませんが、メイキング部分を本編と分割し、一つのゲームとして成立させているあたり、作者の気合いが感じられます。
以下、登場キャラとそれぞれのメイキングについて、簡単に書いてみます。
・主人公(名前なし)……人間の戦士で、一応主役。性格は自由に選べる(善固定だったっけ……?)が、唯一ロードに転職できるキャラなので、善にしとかないと泣きを見る。こいつ一人が戦い、他の連中がフォロー入れるのが本書の戦闘の基本なので、常に最強状態を保つのが得策。プレイヤーキャラのためか、苦労するポジションの割には個性が薄い。
・グレン……ホビットの盗賊で、裏の主役(笑)。忍者に転職できるが、ベストエンドを迎える気がないならほとんど意味はない。最初に持つ武器で性能がちょっと上下するので注意。休息中、行軍中、罠外し中などなど、場所も状況も無視して軽いノリで喋りまくるため、六人中最も目立つ。
・ミルディ……人間の元気娘で、お色気担当。性格は善固定、職業は僧侶か戦士を選べるが、僧侶にするメリットは皆無である。非常に明るい性格で、グレンに次ぐお喋り屋。前衛に入っても重装備はしない、上級職にも転職しない、と妙なこだわりを持つが、実はパーティで一番まともな人物だったりする。
・アリサ……エルフの僧侶で、いかにもヒロインぽい黒髪の美少女。善悪の性格選択のみできる。もっとも、初登場時のイメージが引っ込み思案の見習い僧侶or物静かな邪教徒のどっちかになるだけで、以後はまったく反映されない。殆ど喋らないが、イラストのおかげで人気だけはあるかも。(爆)
・ルコック……身長2mを誇る、謎の長髪男。性格も種族も職業も自由に選べる。巨漢のホビット魔術師なんて凄いキャラを作るのも楽しいが、こいつが前衛にいないと序盤が厳しいので、ドワーフの戦士にしといて侍に転職するのがベスト。かなり強い上に、隠された過去まであり、実は真の主役という噂も。
・ベネディクト……ノームの魔術師で、実は重要な秘密を持つ老人。性格も悪固定で、メイキングは一切できない。喋らない、言うこと聞かない、呪文も殆ど唱えない、と数合わせ以下の存在だが、最後の最後で目立つ。
ちなみに、各キャラクターのグラフィックに興味がある方は、こちらのサイト→『駄人間生誕』を御覧下さい。
ゲームノベルの項にて、本作の紹介をされています。
今回の記事を書くにあたって、かなり参考にさせて頂きました。厚く御礼申し上げます。
話を戻して……誰だ、殆ど固定じゃんとか言ってるのは?
いや、限られたパラグラフの中でかなり頑張ってた方なのですよ、これでも!
ちゃんと六人全員にキャラクターシートが用意されており、HP、装備、ACなどを別々に記録するという、妙にTRPGチックな作りをしてたのも好みでした。
(私がD&Dやってたのも大きいかも知れませんが)
とまぁ、キャラクター作りに関してはかなり満足のいく本作なのですが……本編は、サボってるというか、手抜いてるというか、ちょっと痛い仕事してます。
何と言っても、ダンジョンが狭い。
冒険を開始すると、三方向に道が分岐します。
この内一つはレベル1で行くと死ねるので、残るは二つ。
片方は実質一部屋で終わり、もう片方は数部屋で手詰まりとなります。
この兎小屋を何度も行き来してまずはレベル上げしようね、ってことか作者っ!
やりましたけどね、レベル上げ。(爆)
中盤以降も、とても迷宮と呼べるような広いマップは出てきません。
最終ステージに至っては迷路自体が存在せず、サイコロの出目によって登場する敵が変わるという鬼な仕様で……これはひょっとして苦行か? 苦行なのかっ?
にも関わらず、カバーがボロボロになるまで遊んでしまった人間がここにいますが。(爆)
いや……ゲームブックは懐の寒いガチンチョには素晴らしい玩具だったのですよ、マヂで。
ゲーム性にこだわらず、飽くまでウィザードリィ物語の一つを楽しみたい方にオススメします。
当然ながら絶版で、AMAZONでも結構な値段が付いてたりしますが、気合いで探して下さい。
タイトル:ウィザードリィ ~魔術師ワードナの野望~
著者:塩田信之
出版社:双葉社 ファミコン冒険ゲームブック(初版:S63)
であります。
ファミコン版ウィザードリィIを元にしたゲームブックです。
魔術師ワードナから魔除けを取り戻すため、六人パーティを組んで地下迷宮に挑むというストーリーは原作と同じ。
最後にちょっとだけオリジナルな展開がありますが……それは読んだ方だけの秘密。(笑)
(ゲームブックって何よ? という方は第113回を御覧下さい)
本書の目玉は、ウィズの楽しみの一つであるキャラクターメイキングを再現していることでしょう。
さすがに原作ゲームほどの自由度はありませんが、メイキング部分を本編と分割し、一つのゲームとして成立させているあたり、作者の気合いが感じられます。
以下、登場キャラとそれぞれのメイキングについて、簡単に書いてみます。
・主人公(名前なし)……人間の戦士で、一応主役。性格は自由に選べる(善固定だったっけ……?)が、唯一ロードに転職できるキャラなので、善にしとかないと泣きを見る。こいつ一人が戦い、他の連中がフォロー入れるのが本書の戦闘の基本なので、常に最強状態を保つのが得策。プレイヤーキャラのためか、苦労するポジションの割には個性が薄い。
・グレン……ホビットの盗賊で、裏の主役(笑)。忍者に転職できるが、ベストエンドを迎える気がないならほとんど意味はない。最初に持つ武器で性能がちょっと上下するので注意。休息中、行軍中、罠外し中などなど、場所も状況も無視して軽いノリで喋りまくるため、六人中最も目立つ。
・ミルディ……人間の元気娘で、お色気担当。性格は善固定、職業は僧侶か戦士を選べるが、僧侶にするメリットは皆無である。非常に明るい性格で、グレンに次ぐお喋り屋。前衛に入っても重装備はしない、上級職にも転職しない、と妙なこだわりを持つが、実はパーティで一番まともな人物だったりする。
・アリサ……エルフの僧侶で、いかにもヒロインぽい黒髪の美少女。善悪の性格選択のみできる。もっとも、初登場時のイメージが引っ込み思案の見習い僧侶or物静かな邪教徒のどっちかになるだけで、以後はまったく反映されない。殆ど喋らないが、イラストのおかげで人気だけはあるかも。(爆)
・ルコック……身長2mを誇る、謎の長髪男。性格も種族も職業も自由に選べる。巨漢のホビット魔術師なんて凄いキャラを作るのも楽しいが、こいつが前衛にいないと序盤が厳しいので、ドワーフの戦士にしといて侍に転職するのがベスト。かなり強い上に、隠された過去まであり、実は真の主役という噂も。
・ベネディクト……ノームの魔術師で、実は重要な秘密を持つ老人。性格も悪固定で、メイキングは一切できない。喋らない、言うこと聞かない、呪文も殆ど唱えない、と数合わせ以下の存在だが、最後の最後で目立つ。
ちなみに、各キャラクターのグラフィックに興味がある方は、こちらのサイト→『駄人間生誕』を御覧下さい。
ゲームノベルの項にて、本作の紹介をされています。
今回の記事を書くにあたって、かなり参考にさせて頂きました。厚く御礼申し上げます。
話を戻して……誰だ、殆ど固定じゃんとか言ってるのは?
いや、限られたパラグラフの中でかなり頑張ってた方なのですよ、これでも!
ちゃんと六人全員にキャラクターシートが用意されており、HP、装備、ACなどを別々に記録するという、妙にTRPGチックな作りをしてたのも好みでした。
(私がD&Dやってたのも大きいかも知れませんが)
とまぁ、キャラクター作りに関してはかなり満足のいく本作なのですが……本編は、サボってるというか、手抜いてるというか、ちょっと痛い仕事してます。
何と言っても、ダンジョンが狭い。
冒険を開始すると、三方向に道が分岐します。
この内一つはレベル1で行くと死ねるので、残るは二つ。
片方は実質一部屋で終わり、もう片方は数部屋で手詰まりとなります。
この兎小屋を何度も行き来してまずはレベル上げしようね、ってことか作者っ!
やりましたけどね、レベル上げ。(爆)
中盤以降も、とても迷宮と呼べるような広いマップは出てきません。
最終ステージに至っては迷路自体が存在せず、サイコロの出目によって登場する敵が変わるという鬼な仕様で……これはひょっとして苦行か? 苦行なのかっ?
にも関わらず、カバーがボロボロになるまで遊んでしまった人間がここにいますが。(爆)
いや……ゲームブックは懐の寒いガチンチョには素晴らしい玩具だったのですよ、マヂで。
ゲーム性にこだわらず、飽くまでウィザードリィ物語の一つを楽しみたい方にオススメします。
当然ながら絶版で、AMAZONでも結構な値段が付いてたりしますが、気合いで探して下さい。
主人公の名前がどうしても思い出せないと思ったら最初から名無しだったんですね。
そう言えばプレイヤーが好きな名前を決めてください、という注意書きが有ったような、無かったような…。
メイジブラスターをかまして、「悪い悪い、でも、宝箱は開いたぜ」と無傷でのたまう彼は素敵です。(笑)
えーと……確か主人公だけ、キャラクターシートの名前の所が空欄になってました。
注意書きも確かあったと思います。
強かったなぁアンデッドコボルト・・。
主人公は善、悪、中立全部選べましたね。
ただ、結構初期に手に入った
悪のヨロイと中立のヨロイくらいしか
善にしないメリットは無かったと思います。w
それでもアリサちゃんに惚れて
何度も何度もプレイを繰り返したり
ヘタレなイラストの練習してみたり、
頭の中でエンディング後のストーリーを作って
エルフの森に帰って主人公xアリサのラブ話とか
楽しんでいた学生時代を思い出しました。
・・何やってたんだ学生時代。
ファイアージャイアント戦でアリサがかけてた
「ストレングスの魔法」ってなんだったのか
今でも謎ですね。
イラストを描いておられた田中夕子さんは
宝島社でウルティマのマンガを描いたあと、
すっかりBL系の道に進んだらしいですね。w
今頃はどうしておられるのやら。
アンデッドコボルドはパーティ編成によって強さに大分違いがありましたね。
趣味でミルディを僧侶にしたりすると結構苦労させられます。
あ、やっぱり主人公は性格フリーでしたか。
おっしゃる通り、装備以外でのメリットはなかったと記憶してます。
悪にして忍者に転職とかできたら笑えたのですが。(笑)
すいません、似たよーなことを他のゲームブックでもやってました……。
これ以外だと、ゼル伝、ヤマト魔神伝とかでアナザーストーリー考えるのが面白かった。
しかし、グラフィックは優遇されてるのに、出番は少なかったですね……アリサ。(私も好きでしたが)
主人公との絡みも怪我が多い序盤止まり、司教に転職しても目立った活躍はなし。
ストレングスの魔法って本当に何だったんでしょう?
実は作者がウィズの魔法に詳しくなかったという噂も。(爆)
試しに、「田中夕子 漫画家」でググってみたのですが、
改名したという噂がちらほらヒットしただけで、その後の消息は不明ですね。
本書のイラストは結構好みだっただけにちと残念です。
田中夕子さんは双葉社のゲームブックの他、学研の学習誌(多分「6年の科学」)掲載の、今でいうラノベのイラストも描かれていたと思います。
↑さんがおっしゃる方と同一人物なら、当時とあまりに絵柄や趣向が変わってしまって、すごく残念です。あと女優の田中美里さんのお姉さん?っていう噂もあるけど本当かしら?
とにかくすごく懐かしい思いでいっぱいです。ありがとうございます。
本作のイラストは本当に好みでした。
描線も構図も非常に安定していて、後方に小さく描かれてるキャラ(アリサはこれが多かった……)ですら崩れがなかったことをよく覚えています。
あと、やっぱりグレンですね。お気に入りだったのか、服装からして目立ってました。
田中夕子さんは結構あちこちで仕事されてるみたいですね。恐怖漫画の老舗・ハロウィンでも何冊かコミックス出されてます。
あと、田中美里さんとの関係ですが――
『田中美里さんを応援するページ』
↓
http://www.misato.to/profile.html
どうも本当っぽいですね。
こちらこそ、懐かしい思いに浸らせて頂きました。ありがとうございます!
(しかしこの記事、さりげに息が長いなぁ……)