さて、まさにSF萬画と呼ぶに相応しい第379回は、
タイトル:銀の三角
著者:萩尾望都
文庫名:白泉社文庫
であります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/8d/127c9c7fe5ecfd37ea8623210b5d0937.jpg)
【ラグトーリンの真似をするノッペラ星人】
少女漫画界の巨星、萩尾望都の本格SF。
十年ぐらい前、『スター・レッド』が大ハズレだったのでしばらく第二期の萩尾作品は読むまい……と思っていた時に出会ったのがコレ。
*
かつて、銀の三角と呼ばれる星があった。
星の住人達は、六年に一度訪れる朝にだけ子供を作ったという。
その時の子供の一人が自分なのだと、ラグトーリンは言った。
マーリーは友人にもらったテープの歌手・エロキュスに興味を持った。
中央都市系に属さない星系でのコンサート、異常なまでの熱気……。
エロキュスは言った、かつて見た幻影……黒髪の吟遊詩人と黄金の瞳の少年、その時聞こえた音楽が自分を変えたのだと。
調査の結果マーリーは、その時曲を奏でていたのがラグトーリンであること、金の瞳の少年が既に滅びた種である筈の銀の三角人であることを知る。
銀の三角、三万年前の星間戦争、蘇った音楽、マーリーは断片的な情報を掘り起こし、ついにラグトーリンの居場所を突き止めた。
マーリーの、そして、ラグトーリンの真の目的は何か? 二人の出会いとともに、時空を駈け巡る壮大な物語の幕が上がる。
*
読了後、
やはり萩尾は凄い!
と吠えました、マジで。
一言で言えば、謎の美女(この表現が本当にしっくりくる)ラグトーリンと、何度やられても復活する(死んでも再生される)マーリーの時を越えた追っかけっこ。
しかし、彼我の戦力差は歴然……何せラグトーリンは自在に時を飛び回り、邪魔者がいれば星に地殻変動を起こしたりもする半超越者。
マーリー君も予知能力を使ったり、ピンチの時だけ発動する時空移動能力なぞも持ってたりしますが、ラグトーリンに比べれば蟻レベル。
この二人何度か接触しますが、当然の如くマーリー君押されっぱなし。
もっとも、これで最後までずっとラグトーリンの一人勝ちだったりするとストーリーが成り立たないのは自明の理です。
マーリーにはマーリーの目的があるように、ラグトーリンにはラグトーリンの目的があり、それが足枷になっています。
ちなみに、ラグトーリンは非常にビジネスライクなキャラです。
時を越えるのも仕事の内、惑星一個破壊するのも仕事の内、仕事が上手くまとまればエロキュスを××に×××ことも問題ナシ。
まーその癖、気に入ったオトコにはしっかりコナかけるあたり、味のある方ではありますが。(笑)
二人の会話もさることながら、ストーリー構成も見事。
時間が前後しつつ、多くの謎や人物同士の関係が解き明かされていく過程は快感としか言いようがない。
こういう情報が錯綜するタイプの作品はラストが凄く難しいのですが、ほぼ完璧な仕上げをしてくれてます……何度でも言おう!
やっぱり萩尾は凄ェ!
五重丸のオススメ。
映画化……はしてほしくないな、二時間程度じゃ多分無理。
――【つれづれナビ!】――
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タイトル:銀の三角
著者:萩尾望都
文庫名:白泉社文庫
であります。
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【ラグトーリンの真似をするノッペラ星人】
少女漫画界の巨星、萩尾望都の本格SF。
十年ぐらい前、『スター・レッド』が大ハズレだったのでしばらく第二期の萩尾作品は読むまい……と思っていた時に出会ったのがコレ。
*
かつて、銀の三角と呼ばれる星があった。
星の住人達は、六年に一度訪れる朝にだけ子供を作ったという。
その時の子供の一人が自分なのだと、ラグトーリンは言った。
マーリーは友人にもらったテープの歌手・エロキュスに興味を持った。
中央都市系に属さない星系でのコンサート、異常なまでの熱気……。
エロキュスは言った、かつて見た幻影……黒髪の吟遊詩人と黄金の瞳の少年、その時聞こえた音楽が自分を変えたのだと。
調査の結果マーリーは、その時曲を奏でていたのがラグトーリンであること、金の瞳の少年が既に滅びた種である筈の銀の三角人であることを知る。
銀の三角、三万年前の星間戦争、蘇った音楽、マーリーは断片的な情報を掘り起こし、ついにラグトーリンの居場所を突き止めた。
マーリーの、そして、ラグトーリンの真の目的は何か? 二人の出会いとともに、時空を駈け巡る壮大な物語の幕が上がる。
*
読了後、
やはり萩尾は凄い!
と吠えました、マジで。
一言で言えば、謎の美女(この表現が本当にしっくりくる)ラグトーリンと、何度やられても復活する(死んでも再生される)マーリーの時を越えた追っかけっこ。
しかし、彼我の戦力差は歴然……何せラグトーリンは自在に時を飛び回り、邪魔者がいれば星に地殻変動を起こしたりもする半超越者。
マーリー君も予知能力を使ったり、ピンチの時だけ発動する時空移動能力なぞも持ってたりしますが、ラグトーリンに比べれば蟻レベル。
この二人何度か接触しますが、当然の如くマーリー君押されっぱなし。
もっとも、これで最後までずっとラグトーリンの一人勝ちだったりするとストーリーが成り立たないのは自明の理です。
マーリーにはマーリーの目的があるように、ラグトーリンにはラグトーリンの目的があり、それが足枷になっています。
ちなみに、ラグトーリンは非常にビジネスライクなキャラです。
時を越えるのも仕事の内、惑星一個破壊するのも仕事の内、仕事が上手くまとまればエロキュスを××に×××ことも問題ナシ。
まーその癖、気に入ったオトコにはしっかりコナかけるあたり、味のある方ではありますが。(笑)
二人の会話もさることながら、ストーリー構成も見事。
時間が前後しつつ、多くの謎や人物同士の関係が解き明かされていく過程は快感としか言いようがない。
こういう情報が錯綜するタイプの作品はラストが凄く難しいのですが、ほぼ完璧な仕上げをしてくれてます……何度でも言おう!
やっぱり萩尾は凄ェ!
五重丸のオススメ。
映画化……はしてほしくないな、二時間程度じゃ多分無理。
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ギムナジウム系はニガテだけどSF系は好きなんですよね。
スター・レッドはアレですが…
(話を覚えてない位に瞬間で挫折しました)
少なくとも、萩尾のSF作品の中ではトップだと思います。
スター・レッドは……一応最後まで読んだけど、
杜撰な作品でした……。
ラグトーリンって水蛇の精なんでしょ?ちがいます?
では!
萩尾は個人的に第一期の絵の方が好きなんですが、
このキャラだけは別です。
水蛇の精! それは考えませんでした。
本人が水蛇のことを別の生命体のような扱いで言ってたので。
ただ、ファンタジーという観点から見ると充分可能性
はありますね。
ではでは!
SFや、怪奇譚もお好きそうですね、又ゆっくりお伺いしますが、先ずはお礼のみにて、失礼致します。今後とも、宜しく御願い申し上げます。
私も再びお邪魔させて頂きますので、宜しくお願い致します。