つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

原作よりも

2012-03-11 15:02:57 | マンガ(少年漫画)
さて、久々にマンガなんかを紹介するの第994回は、

タイトル:とある科学の超電磁砲レールガン とある魔術の禁書目録外伝(1~7巻:以下続刊)
著者:原作 鎌池和馬  作画 冬川基
出版社:アスキー・メディアワークス 電撃コミックス(初版:'07~)

であります。

原作は本編、新約併せて20冊以上出ている人気ラノベの外伝で、本編のヒロインのひとりである御坂美琴を主人公にした外伝作品です。
これも実はアニメ先行で見て、おもしろかったので原作を買ってみました。

さて、ストーリーは、

『人口230万人の約8割が学生という学園都市。その中で7人しかいない超能力者レベル5で第3位の御坂美琴は、夏休みも間近に迫った7月の半ば、いつものように暴漢に絡まれ、撃退していた。
そこへ現れたのは同じ常盤台中学の後輩で、学内の治安維持組織である風紀委員ジャッジメントの白井黒子。
これまたいつものようにレベル5ではあるものの、一般市民に違いはないと説教をされながらも歩いていると、黒子と同じ風紀委員の初春飾利ういはるかざりと出会う。
そんな中、銀行強盗の現場に出くわした3人。風紀委員の黒子と初春はその犯人を取り押さえようとするが、うちひとりが逃げ出そうとする。
無駄な抵抗と静観していた美琴は、犯人が逃げる際にいた美琴を押しのけようとして、美琴が持っていたクレープをはじき飛ばし、あろう事か美琴の制服を汚してしまう。
それにキレた美琴は車で逃げようとする犯人を、車ごと必殺の超電磁砲レールガンでぶっ飛ばしてしまう。

そんな非日常に近い日常の中、学園都市では連続虚空爆破グラビトン事件が発生し、黒子たち風紀委員はその事件を追っていた。
アルミを基点に重力子を加速させ爆弾に変える能力で起こされる事件――人を負傷させるほどの爆発を起こさせる能力者はすぐに調べられたものの、アリバイがあり、犯人ではない。
捜査が行き詰まっている中、初春と同じ中学で親友の佐天涙子から都市伝説として聞いた幻想御手レベルアッパーなるものの存在。

連続虚空爆破事件の犯人が自らの能力以上の能力を発揮して犯行に及んでいたこともあり、幻想御手についても調査を開始する黒子たち。
幻想御手とはいったい何なのか――連続虚空爆破事件に関わった当事者として美琴も加え、黒子たちは事件の解決に乗り出す。
その中で、美琴は学園都市を取り巻く闇に関わっていくこととなっていく。』

原作は1巻しか読んでませんが、原作よりもこっちのほうがおもしろいのは何故だろう……(笑)
原作のほうもまぁストーリーは悪くなかったけど、文章面での評価が悪かったので印象が悪いのだけど、こっちはマンガと言うこともあるだろうけど、さくさくと読めるのもいい。

ストーリーは、導入部の銀行強盗撃退から始まって、マンガオリジナルの幻想御手編、その後の美琴のクローンである妹達シスターズを利用した原作と重複する絶対能力者進化レベル6シフト計画への美琴の介入などが語られる。
オリジナルの幻想御手編は、幻想御手を広めた犯人の動機など、きちんと説得力のあるものになっていたりするし、絶対能力者進化計画編は原作とかぶるものの、こちらも美琴視点での行動やそれを迎え撃つ暗部組織との戦闘など、アクションも充実。
このあたりは原作を知らなくても十分楽しめる内容になっていて、好感が持てる。

持てるのだが、これも6巻までで、7巻がちょっと……。
絶対能力者進化計画編は、7巻で終わるので、これはまだいいとして、その後が問題。
オリジナルの細かいエピソードを挟んで、大覇星祭に一気に話が飛躍するのだが、絶対能力者進化計画編と大覇星祭の間のエピソードがごっそり原作依拠なので、原作(またはアニメ第二期)を読んでいないと、なぜ黒子が車椅子に乗っていて大覇星祭に出場していないのか、一方通行がなんで杖ついて歩いてるのか、などわからないことが出てくる。
おまけに超電磁砲レールガンアニメを見ていないとわかんないネタとかもあったりして、せっかく原作知らなくても楽しめる作品だったのに、かなり残念。
もっとも、この作品を知っているまたは持っている人は原作を知らない人間のほうが少ないだろうからいいのかもしれないけど……。

そんなわけで原作が好きな人には買いでしょうけど、そうでないと7巻でマイナス点がついてしまったので総評としては及第。
まぁ、7巻のマイナス点さえなければ良品と言えるので、及第以上良品未満とそれなりにいい点数はつけられるので、興味を持った方はどうぞ、ってくらいにはオススメできます。

あ、ちなみにアニメはオススメです。
アニメのほうも原作アニメよりもおもしろかったし、完全に原作を知らなくても楽しめる内容になっているのでね。


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