つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

ゲーム業界って……

2007-03-12 23:15:09 | マンガ(少年漫画)
さて、本当は少女漫画家になりたかった……らしい第832回は、

タイトル:ジャングル少年ジャン番外編 ドッキンばぐばぐアニマル(全三巻)
著者:柴田亜美
出版社:アスペクト アスペクトコミックス(初版:H10)

であります。

週刊ファミ通に連載されていた、ゲーム業界四方山話漫画。
格闘ゲーム大好きでホラーゲーム大嫌いな作者が、担当のオザワ君と共に、あちこちのゲーム会社を荒らして回ります。(笑)
ジャングル少年ジャンの番外編、ってことになってますが、本編とはまったく無関係です。(をい)

一言で言うと――
変です。
何がって? いや、何もかもが。(笑)

基本的な内容は、「アポなしでゲーム会社を訪れ、暴れる」か「行く暇がなかったので作者の日常を描いて穴埋めする」のどちらか。
日常編も笑えるのですが、本作の目玉はやはり、作者の暴走が凄まじい取材編でしょう。

取材先の仮眠室で寝る!(をい)
受付に座って電話を取る!(こら)
案内役の目を盗んで金庫を調べる!(犯罪)
開発室のキーボードに日本刀をぶっ刺す!(危険)
肉じゃが作って、鍋ごと差し入れに行く!(微妙にいい人だ)
ちなみに全部証拠写真付き。(これが一番笑えるかも)

無論、作者が暴走するだけではお話にならないので、迎え撃つゲーム会社の方々も変な人が揃ってます。
接待ゲームで本気を出す大人げない人、仕事サボってワールドカップ見に行く人、発売日の二日前に手に入れたゲームを見せびらかす人……ゲーム業界ってこんな人ばっかりかい、ってな方々がズラリ。
特に、ほぼレギュラーと化しているセガ、SNK、カプコンの方々はキャラが立ちまくっており、「ギャグめかしてるけど実話だろ?」とツッコミ入れたくなるヤバイ話をさんざんして下さいます。

ルポ漫画だけあって会話が非常に多く、その殆どが掛け合い漫才になっているのも特徴。
どちらかと言うと大ゴマの印象が強い方ですが、本作は小さなコマを多用し、可能な限り台詞を詰め込んでます。一話四ページだけど、情報量はかなりのもの。
殆ど創作なのでは? と思われるかも知れませんが、時々、妙に現実臭い台詞が混じっており、侮れません。
(柴田亜美の電話番号とFAX番号を間違えた時、電子手帳を確認して、「つまりこの事件の犯人は最初からいなかったということですね!」とにこやかに言い放った中×光一とか、かなりガチっぽい)

どこまでデフォルメで、どこまで現実なのか考えずに読むのが吉。
しかし……失敗作とか、ポシャったネタの話は冗談抜きでヤバイよなぁ……。


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