さて、なにげに角川文庫が多い気がしないでもない第993回は、
タイトル:まほうの電車
著者:堀田あけみ
出版社:角川書店 角川文庫(初版:'96)
であります。
……読んだことないひとだと思っていたら、読んでいましたね、この人……(笑)
しかも×つけてるし……。
ブランクが長いと1回でも読んだことがあるひとなのかどうかもう忘れてますね。
はてさて、2冊目となる本書はどうなることやら……。
ストーリーは、
『ひめこは、怒りにまかせて渋滞で止まっている車から降りて歩き出してしまう。
運転席に座っているはずの恋人は追いかけてきてもくれない。赤信号で止まらざるを得なくなって車を振り返って誰に言うともなしに呟いた一言に、思わぬ返事が返ってきた。
それがタツヤとの最初の出会いだった。
第一印象は最悪。けれど、ほとんど勢いと機嫌の悪さでタツヤを自棄酒に付き合わせることに。
でもそれっきりの関係のはずだったが、偶然タツヤと再会することに。
そのとき、特に行く気もなかった店長の恋人の誕生パーティへ向かう途中だったひめこは、それをキャンセルしてタツヤに誘われるままに食事をすることになる。
その席で美容師見習いのタツヤにワンレンボディコンの容姿を指摘され、髪を切ったほうがいいと言われる。
そのときは反発したものの、後になってひめこは友人と行ったコンサートの帰りにタツヤが務める店へ赴き、タツヤに髪を切らせ、ショートカットにする。(無論、見習いのため、ひどいことになって後から師匠であるジュンさんに整えてもらった。)
そこからひめこは変わり始め、タツヤとの関係を進展させていくことになる。』
前に読んだ「恋愛びより」でも書いたけど、
ホントに読みにくいね、
この人の文章。
体裁は「恋愛びより」と同様、彼彼女で語られる一人称なんだけど、とにかく視点がころころ変わるのが読みづらくてかなわない。
視点を変えるために、「※」を使って区切る手法は別段問題ないのだが、視点の変化が長くても数ページ、短ければ20行もしないうちに、ひめこ、タツヤ(中盤からミヤコと言う女性も加わる。)と変わっていくため、ストーリーがぶつぶつ途切れてしまうような印象を与えてしまう。
おまけに誰の視点かを判断するのが彼、彼女と言う単語で、しかも彼女(=ひめこ)の視点で書かれていても、タツヤのことを「彼」と表現していたりして(これはタツヤの視点の場合でも言える)、どっちの視点なのか判然としない場合も多々あるなど、読みづらさ倍増。
それにめげずに読んでいってストーリーはと言うと、舞台は名古屋。偶然の出会いから始まり、その出会いから変わっていく24歳のブティック勤務のフリーターひめこと、19歳の美容師見習いのタツヤとの恋愛の過程が描かれたもの。
中盤以降、モデルをやっているミヤコと言うタツヤに惚れる女性が火種を置いていくものの、基本的にはひめこ、タツヤの両方の視点で思いを深めていくと言ったストーリー展開。
ドロドロした部分は少なく、ストーリーとしてはあっさりめで、そのせいか、ひめこがタツヤと付き合っていく中での心理描写とかが薄っぺらい印象。
これはタツヤの視点で書かれている場合でも言えることで、おかげでキャラに深みが感じられない。
視点がころころ変わる読みづらさと相俟って、全体的に薄っぺらい作品になってしまっている。
おまけにこの作品が名古屋の情報誌の連載だったものだから、地元色が強いのも難点。
あとがきで「この話の舞台は、一話ごとに地下鉄東山線の駅を名古屋から一社まで西から東へ、一つずつ進んでいます。」と書いてあって、そんな地元民でなければわからないようなことをアクセントにされても地元民でなければまったくアクセントにもなりゃしない。
最初は名古屋の出版社で別の題名で出版されていた作品で、改題して本書になったわけだが、はっきり言ってそこで止めておけばよかったものを、と言う気がする。
薄っぺらいストーリーとキャラに加えて地域限定のネタがアクセント、って全国区で売り出すには不向きすぎる。
と言うわけで、満場一致(?)で落第。
あーあ、結局2冊目もダメだったか……。もう読まないだろうな、この人……。
――【つれづれナビ!】――
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タイトル:まほうの電車
著者:堀田あけみ
出版社:角川書店 角川文庫(初版:'96)
であります。
……読んだことないひとだと思っていたら、読んでいましたね、この人……(笑)
しかも×つけてるし……。
ブランクが長いと1回でも読んだことがあるひとなのかどうかもう忘れてますね。
はてさて、2冊目となる本書はどうなることやら……。
ストーリーは、
『ひめこは、怒りにまかせて渋滞で止まっている車から降りて歩き出してしまう。
運転席に座っているはずの恋人は追いかけてきてもくれない。赤信号で止まらざるを得なくなって車を振り返って誰に言うともなしに呟いた一言に、思わぬ返事が返ってきた。
それがタツヤとの最初の出会いだった。
第一印象は最悪。けれど、ほとんど勢いと機嫌の悪さでタツヤを自棄酒に付き合わせることに。
でもそれっきりの関係のはずだったが、偶然タツヤと再会することに。
そのとき、特に行く気もなかった店長の恋人の誕生パーティへ向かう途中だったひめこは、それをキャンセルしてタツヤに誘われるままに食事をすることになる。
その席で美容師見習いのタツヤにワンレンボディコンの容姿を指摘され、髪を切ったほうがいいと言われる。
そのときは反発したものの、後になってひめこは友人と行ったコンサートの帰りにタツヤが務める店へ赴き、タツヤに髪を切らせ、ショートカットにする。(無論、見習いのため、ひどいことになって後から師匠であるジュンさんに整えてもらった。)
そこからひめこは変わり始め、タツヤとの関係を進展させていくことになる。』
前に読んだ「恋愛びより」でも書いたけど、
ホントに読みにくいね、
この人の文章。
体裁は「恋愛びより」と同様、彼彼女で語られる一人称なんだけど、とにかく視点がころころ変わるのが読みづらくてかなわない。
視点を変えるために、「※」を使って区切る手法は別段問題ないのだが、視点の変化が長くても数ページ、短ければ20行もしないうちに、ひめこ、タツヤ(中盤からミヤコと言う女性も加わる。)と変わっていくため、ストーリーがぶつぶつ途切れてしまうような印象を与えてしまう。
おまけに誰の視点かを判断するのが彼、彼女と言う単語で、しかも彼女(=ひめこ)の視点で書かれていても、タツヤのことを「彼」と表現していたりして(これはタツヤの視点の場合でも言える)、どっちの視点なのか判然としない場合も多々あるなど、読みづらさ倍増。
それにめげずに読んでいってストーリーはと言うと、舞台は名古屋。偶然の出会いから始まり、その出会いから変わっていく24歳のブティック勤務のフリーターひめこと、19歳の美容師見習いのタツヤとの恋愛の過程が描かれたもの。
中盤以降、モデルをやっているミヤコと言うタツヤに惚れる女性が火種を置いていくものの、基本的にはひめこ、タツヤの両方の視点で思いを深めていくと言ったストーリー展開。
ドロドロした部分は少なく、ストーリーとしてはあっさりめで、そのせいか、ひめこがタツヤと付き合っていく中での心理描写とかが薄っぺらい印象。
これはタツヤの視点で書かれている場合でも言えることで、おかげでキャラに深みが感じられない。
視点がころころ変わる読みづらさと相俟って、全体的に薄っぺらい作品になってしまっている。
おまけにこの作品が名古屋の情報誌の連載だったものだから、地元色が強いのも難点。
あとがきで「この話の舞台は、一話ごとに地下鉄東山線の駅を名古屋から一社まで西から東へ、一つずつ進んでいます。」と書いてあって、そんな地元民でなければわからないようなことをアクセントにされても地元民でなければまったくアクセントにもなりゃしない。
最初は名古屋の出版社で別の題名で出版されていた作品で、改題して本書になったわけだが、はっきり言ってそこで止めておけばよかったものを、と言う気がする。
薄っぺらいストーリーとキャラに加えて地域限定のネタがアクセント、って全国区で売り出すには不向きすぎる。
と言うわけで、満場一致(?)で落第。
あーあ、結局2冊目もダメだったか……。もう読まないだろうな、この人……。
――【つれづれナビ!】――
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