会津坂下町の台の宮(御禝神社)の公園には何百年もたったと思われる欅の大木が何本もあって、秋は欅の紅葉で美しいです。
お盆には近郷の人たちが集まって楽しい盆踊りの輪ができます。
台の宮は御禝神社ですから豊穣の神さんでお稲荷さんと同じなんでしょうね、鳥居は普通の神社と同じなんですけど、社前には狛犬ではなくて狐さんが「あ、うん」の姿でお守りしています。
今は明るい子供たちが楽しく遊べる公園ですけど、江戸時代の昔は大変な場所だったと言われています。欅の林で昼なお暗く周りは広い原野で、そこに狐塚(狐の住む穴。土が高く盛り上げられて塚のようになり、出入り口の穴がいくつも開いている。そこに狐の家族が住んでいた)があってそこに弥十郎と呼ばれる狐の一家が住んでいたのです。
狐塚です。平成18年頃(2006)現在の会青橋の近くで愛犬マルが見つけました。
弥十郎キツネは年を経た古狐で、美しい女に化けては若い男をたぶらかし頭を丸坊主にしては喜んでいました。(江戸時代の男はちょんまげを結っていて頭をそって坊主になるのは大変なことでした)
そこで若者が集まって、弥十郎キツネに坊主にされなかった者には褒美を与えることにしました。
ある夜、2、3人の者が化かされて坊主にされたあと、ある男がなんの獣の狐などに化かされてたまるものかと勇んで夜の台の宮に出かけ、欅の大木の陰で隠れていると、しばらくして草藪のざわめく音がして弥十郎狐が出てきました。そして隠れている男には気づかず口に欅の葉を一枚くわえてトンボ返りをすると美しい女になりました。そして落ちていた古わらじの紐をひろってヒョイと背に持ち上げるとたちまち可愛い赤子になりました。
そして狐の化けた女は男には全く気づかず一軒の家の方に歩んでゆきました。
男が女に化けた狐に気づかれぬようにあとをつけると、女は「ただいま」と戸を開けて家の中に入っていきました。
男がそっと障子の穴から覗いてみると家の人は狐の化けた女に気づかず楽しげに話し合っていました。
そこで男はからりと戸を開けて「その女は狐の化けたものだ。おれが台の宮で化けるのを見てあとをつけてきたのだ」と叫びました。
すると家の主人が大変に怒り、「家の大事な嫁を狐とはなにごとか」と男を捕まえて激しく打擲(ちょうちゃく)しました。
男が悲鳴を上げていると、折良く旅のお和尚さんが通りがかり様子を聞くと言いました。「人の家の大事な嫁を狐とののしるのはよくない。わしの弟子になって出家してわびなさいと」カミソリを出してまげを落として坊主にしてしまいました。その痛かったこと・・・
坊主になった男は寒いので手ぬぐいで頭を包み旅の和尚さんの後についていくといつのまにか若者たちの集まりの場所についていました。
「おまえ、弥十郎狐に化かされなかったのか」と言う問いかけに、若者は胸をはって言いました「俺は化かされなかったけれども、化かされた家の主人に激しく打擲された」言う隙に誰かが後ろに回って手ぬぐいを取ると、あちこちにそり残しのあるまだら坊主の頭が出てきました。
弥十郎狐の話は、故井関敬嗣先生の「会津坂下町の伝説と史話」から頂きました・
お盆には近郷の人たちが集まって楽しい盆踊りの輪ができます。
台の宮は御禝神社ですから豊穣の神さんでお稲荷さんと同じなんでしょうね、鳥居は普通の神社と同じなんですけど、社前には狛犬ではなくて狐さんが「あ、うん」の姿でお守りしています。
今は明るい子供たちが楽しく遊べる公園ですけど、江戸時代の昔は大変な場所だったと言われています。欅の林で昼なお暗く周りは広い原野で、そこに狐塚(狐の住む穴。土が高く盛り上げられて塚のようになり、出入り口の穴がいくつも開いている。そこに狐の家族が住んでいた)があってそこに弥十郎と呼ばれる狐の一家が住んでいたのです。
狐塚です。平成18年頃(2006)現在の会青橋の近くで愛犬マルが見つけました。
弥十郎キツネは年を経た古狐で、美しい女に化けては若い男をたぶらかし頭を丸坊主にしては喜んでいました。(江戸時代の男はちょんまげを結っていて頭をそって坊主になるのは大変なことでした)
そこで若者が集まって、弥十郎キツネに坊主にされなかった者には褒美を与えることにしました。
ある夜、2、3人の者が化かされて坊主にされたあと、ある男がなんの獣の狐などに化かされてたまるものかと勇んで夜の台の宮に出かけ、欅の大木の陰で隠れていると、しばらくして草藪のざわめく音がして弥十郎狐が出てきました。そして隠れている男には気づかず口に欅の葉を一枚くわえてトンボ返りをすると美しい女になりました。そして落ちていた古わらじの紐をひろってヒョイと背に持ち上げるとたちまち可愛い赤子になりました。
そして狐の化けた女は男には全く気づかず一軒の家の方に歩んでゆきました。
男が女に化けた狐に気づかれぬようにあとをつけると、女は「ただいま」と戸を開けて家の中に入っていきました。
男がそっと障子の穴から覗いてみると家の人は狐の化けた女に気づかず楽しげに話し合っていました。
そこで男はからりと戸を開けて「その女は狐の化けたものだ。おれが台の宮で化けるのを見てあとをつけてきたのだ」と叫びました。
すると家の主人が大変に怒り、「家の大事な嫁を狐とはなにごとか」と男を捕まえて激しく打擲(ちょうちゃく)しました。
男が悲鳴を上げていると、折良く旅のお和尚さんが通りがかり様子を聞くと言いました。「人の家の大事な嫁を狐とののしるのはよくない。わしの弟子になって出家してわびなさいと」カミソリを出してまげを落として坊主にしてしまいました。その痛かったこと・・・
坊主になった男は寒いので手ぬぐいで頭を包み旅の和尚さんの後についていくといつのまにか若者たちの集まりの場所についていました。
「おまえ、弥十郎狐に化かされなかったのか」と言う問いかけに、若者は胸をはって言いました「俺は化かされなかったけれども、化かされた家の主人に激しく打擲された」言う隙に誰かが後ろに回って手ぬぐいを取ると、あちこちにそり残しのあるまだら坊主の頭が出てきました。
弥十郎狐の話は、故井関敬嗣先生の「会津坂下町の伝説と史話」から頂きました・
旅の坊様も、化かされた家の人も狐さん?
愉快な話しですね
そして化かされてお風呂に入ったつもりで肥溜に入っていたり、金を巻き上げられたり、お土産のごちそうを巻き上げられたりするのは、みんな男です。
どうしてなんでようね・・