のんびり娘の謎

10円が2個で、、、12円?今日の前の日は、、、前の日?のんびり娘のお答えは、理解できない謎ばかり。さぁ、どうする?

奥さんとそのお母さんのこと

2009-10-13 18:00:56 | 母の作戦、考え
そういう思いをさらに強くしたのは、亡くなった翌日、
義弟を寝かせた義弟実家に、奥さんとそのお母さんがやってきた時。

義母は、極力抑えようとはしているものの、もともと感情が表に出やすいタイプです。
結婚した時からのいきさつももろもろありますし、119番の件は特に心に強くひっかっかっていて、ふたりを快くは迎えられないです。
かといって、義弟の脇で、とげとげとした空気を作りたくもありませんから、なるたけ離れていようとします。

ですから、私が間に入って空気を和らげるように動くのですが、
同じ「嫁」という立場に少し気を許されたのでしょう。
奥さんのお母さんが、小さい声で、私にいろいろと訴えてきます。
冷たい空気を感じて、言い訳したいお気持ちもあったのでしょう。

「うちだって、どれだけこの二人を助けてきたか。それは義弟君がよく知ってますよ。こちらのお母さんはご存じなかったかもしれませんけど、いっぱい見ましたよ。非難される筋合いはないですよ。」
にはじまって、
「保険証も、どこにあるのかわからないんですよ。義弟君は何にもこの子に教えてくれなかったから。」
と。

保険証の件については、病院に入院中から
「そちらのお宅にありませんか?」
と尋ねられた(このあたりが、少々敬遠したくなった理由なのですが・・)
ということを義母からも聞いていましたから、

「義弟の会社では、保険の払い込みも殆ど天引きのはずなので、会社の方がちゃんと教えてくれますよ。保険会社がわかりさえすれば、保険証はなくてもなんとかなりますから。」
と安心させたうえで、
「でもね、そういうものも含めて、どこにどんなものがあるか知っておくのは奥さんの勤めなんだよ。世の中の旦那さん達が、そんなこと、逐一報告しているわけもないのよ。
保険会社からは、自宅あてに定期的に内容を書いた郵便物も届いているはずよ。家にいる奥さんは、そういうのから「こんな保険に入っていたのね。」って、わかったりするんだよ。」
と、
何もかも、やってくれなかった義弟のせいだと、
奥さんが思いこんでしまっては次に続かないから、
割合やさしい口調で奥さんに向けて話してみると、
それでも、非難されたと思われたのでしょう(それまでの空気もありますから、そう思われても無理はないかもしれませんが・・)、お母さんが少し声を荒げて、
「この子にそんなことできるわけないでしょう!!」

本人が横に座っているのに、私にむかって言ったのです。

そうなんだ。お母さんは「この子にはできない。」
そう思ってこられたんだ。

とてもはっきりそう伝わってきました。


私たち、義弟の方の家族は、奥さんの力をそれほど低く見積もってはいませんでした。
悪いという足の状況にしても、彼女の好きなショッピングモールやテーマパークでは、
疲れる様子もなく2時間くらいは歩きまわるのですから、慣らしていけば十分に家事や幼稚園バスまでの送り迎えならできるだろうと思っていました。
頭の中身だって、のんびり娘よりはもともとの数値は高そうだと踏んでいました。
教えれば(繰り返し体験させればという意味の教えるです)、できる子だ。
そう思ってきました。

でも、実のお母さんはそう思ってこなかったんだ。
「できるわけがない」と、思っていたんだ。
それが、なんとも・・・。


私ものんびりチャンの母です。教えれば、何でもかんでもできるようになるなんていうことは思ってもいません。
他人にそんな風に思われたら迷惑です。
「教えればできるのに、教えないから・・」
或いは、
「やらせればできるのに、親が手出しをするから・・・」
と言われてしまうのんびりチャンの親の辛さや腹立ちは骨身にしみてます。

でも、最初から、
「できるわけがない」と決める気にはなりません。
やらせてみなければわからないことって、これまでもいっぱいありました。
そして、人間やらなきゃいけないことは必ずあるものです。
やらなきゃいけないことは、人の手を借りようと、機械の力を借りようと、
何とかやれるところまで持っていく。
はなから「できない」と決めるのではなく、
できるための工夫が何か考えられないか。そう思って育てています。

だから、本人を横に置いて、こうしてきっぱりと
「できるわけないじゃないですか!」
と言い切るお母さんに違和感を感じました。
この一言を横で聞く奥さんは、いったいどんな風に感じるのだろうと思いました。


そして、さらに何年か前の出来事も思い浮かんできました。

義弟夫婦に息子が生まれて、その息子が1歳半か2歳ぐらいになった頃、
このお母さんが、幼児教室に通わせるようになったんです。

その頃の息子の面倒は、昼間は殆どこのお母さんが見ていましたが、そのスタイルがなんとも不思議で・・
殆ど毎朝、お母さんがアパートまで孫だけを引き取りに行き、夕方帰しに行くというのでした。

私たち、義弟実家のメンバーは、子育てを通して奥さんがいろんな経験を積み、
自分で動く力を得るのではないかと期待していましたし、
リハビリの必要性を言われている(のに、全然やらない)足のことも、
小さな息子の這い這いを追いかけるうちに自然と解決に向かうのではないかと考えていました。
ですが、何故か奥さんはアパートに残され、孫だけを連れていくというのです。

それでは、奥さんのリハビリにはならないなぁと、おせっかいな兄嫁は、奥さんの実家に接触を試みます。
たまたま、のんびり娘が昔使っていた「英才教育用」の幼児教材が大量にありましたので、
それをお届けに行くということで、奥さんの実家に伺ったのです。


その時、

幼児教室に来るママさん達と、少しずつ仲良くなれば、まるきりおともだちのいない彼女にとってもプラスになるから良かったですね。
というようなお話をしたら、
「いえ、教室には私と孫とで行くんですよ。この子は行っても仕様がないから。」
と、やはりそんな風に言われたんですね。

その時に、とってもおいしい焼きたてのケーキを出していただいたのですが、
それを食べるためのフォークのありかも奥さんは知らなくて・・・
というより、まるでお客さんのように座っているだけの奥さんに、
「いやいやこれは根が深い」
と思ったのもこのときでした。







奥さんとのんびり娘の環境。

2009-10-13 17:51:36 | 母の作戦、考え
しのびーさんお久しぶりです。マジュルさんも、コメントありがとうございました。
お一人お一人へのお返事は、少し先に延ばさせていただいて、このくらぁいシリーズを何とか書き上げてしまおうと思います。すみません。

奥さんと娘たち、特にのんびり娘を重ね合わせて、子供たちの前でも大きなため息をついてしまったり、ソファーで横になったりする日々が数日間続きました。

これは、私のような図太い神経の持ち主には非常に珍しいことで、
わざとらしい大きなため息をつきながら、
「なんとまぁ、いやらしい母親でしょ。これはもしかして鬱の始まりかしらね。」
などと思っていました。

いつもと違う母親にうろたえてちまちまと気を回す妹ちゃんにもねちねちと嫌味言ったり、
のんびり娘が、自分本位のマイペースを貫こうとすれば、
「それでほかの人が苦しんでも、あなたは構わないのか!」
とつい大声で責めてみたり、
「あぁ、これは結構堪えてますねぇ・・・。」
と、他人事のように思ってみたりの数日間でした。

どうやって、そこから抜けたのかといえば、これはもう、ただ忙しかったからとしか言いようもないのですけど、ただ、奥さんとのんびり娘を取り巻く環境の違いについて私に考えさせる出来事はいくつかありました。


まず、病院でのこと。

奥さんは車の運転ができません。病院やアパートへの行き帰りはすべてご両親、特に奥さんの母親の都合で決まってきます。
もしも、私が彼女の母なら・・・
病院から連れ帰りはしないでしょう。
お母さんは、
「うちの子がいても、御迷惑でしょうから・・」
と、連れ帰る。

確かにね、彼女に気を使ってやさしくしてくれる余裕のある人間なんていない状況です。
彼女は、足も弱い。長いこと立っているとふらつくこともある。座って居続けるのもしんどいかもしれない。

でも、それでも彼女は夫のそばにいるべきだと思った。
母親なら、置いておくべきだと思った。
だって、足が弱くても、少々ふらふらしても、それで死にはしないもの。

彼女の夫は、命の際を彷徨っている。

いま大切なのは何か。
後悔しないために何をしたらいいのか。

親ならこれからを生きていく娘にそれを感じてもらいたいと思わないのだろうか。
奥さん自身が、そういうことに気が回らなければ尚更、
頑張らなきゃいけないことが、踏ん張らなきゃいけない時が人生にはあると、
教えておかなきゃと思わないのだろうか。そう思っていました。