のんびり娘の謎

10円が2個で、、、12円?今日の前の日は、、、前の日?のんびり娘のお答えは、理解できない謎ばかり。さぁ、どうする?

箱入りの人生よりも・・。

2009-10-15 20:16:15 | 母の作戦、考え
希望さん、コメントありがとうございます。
これは、ごくごく身内の話です。こんなに長く書いてどうするというような話です。
でも、「のんびりチャンの母親」として私の心を揺らした出来事だったので、
一気に書いています。

義弟が倒れたその日から、奥さんと息子は奥さんの実家で暮らし始め、結局そのままアパートは引き払うことになりました。
義弟は生命保険にも入っていましたし、遺族年金ももらえます。
実家で暮らす奥さんには生活の心配も少ないし、奥さんにとっては一見願ってもない結末のようにも思えます。
でも、たぶん、しばらくすると彼女は気がつくのではないかと思うのです。
彼女が失ってしまったものに。

奥さんはお出かけの好きな人です。でも、自分では動けない(やろうと思えばできるくらいの能力は楽にあります)。
実家のお母さんは、まず第一に障害のあるお姉さんの面倒を見ます。そしてその次に5歳の孫を。
奥さんを遊びに連れていく暇はないのです。

おそらく、彼女はずっとそうだったのではないか。
そんなことを想像します。
おとなしくて、じっと座ってテレビを見てくれている子供。それが奥さんだったのではないか。
そこに、(どういうきっかけだったかは未だに謎です)義弟が現れ、彼女をあちこち連れ出してくれた。
他に友達もいない奥さんはそういう場で、きっと最高の笑顔を見せたでしょう。それが義弟の頑張りのモチベーションだったのではないかと、私は想像していますが、たまのお出かけと毎日の暮らしとは違います。体力や気力に余裕のあるときばかりではないのが生活ですから、いつも笑顔でいさせてあげられるわけもなかったでしょう。

それでも、義弟は子供と奥さんを連れていっぱい遊びに行きました。海に山に、テーマパークに、ショッピングモールに。
義弟の付き合いの中で、奥さんが負担に感じなさそうな所には一緒に連れて行くこともありました。
そして、義弟実家(つまりパパの実家)には頻繁に寄って、夕食をみんなで食べて行きました。
奥さんは、携帯を買ってもらい、義弟実家で私たちと過ごす中でメールも覚えて行きました。

家族の中だけで過ごしてきた彼女が、義弟と出会い、ゆっくりではあるけれど、実に狭い範囲ではあるけれど、それでも少しずつ自分の世界を広げてきた。
その流れは、義弟の死によって振り出しに戻ってしまった。
そんな風に思えてなりません。

彼女が義弟と暮らしてきたアパートは、翌月には片づけられ、親子3人であちこちに出かけた義弟の愛車もすぐに売り払われました。
「どうしましょう?捨てましょうか?」と言われて、義弟の私物(部屋いっぱいにプラモデルとか海関係の雑誌とか、買い置きの洋服や靴とか、男一人分としてはものすごい量がありました)は、私たちの方ですべて実家に運び込みました。(私たち夫婦と義妹夫婦、車2台が3往復ずつして、丸二日かかってます)

彼女の居場所は実家以外にもうありません。
そして、携帯も・・
その片付けの時に、「終わったよ」と報告しようと電話をしたら、
もうつながらない状態になっていました。


息子は来年の4月から小学校に入ります。
あのお母さんのことですから、入学手続きも入学後の保護者会も、全部一人で請け負ってしまうでしょう。
奥さんは、また、日がな一日ソファに座ってテレビを見る生活に逆戻り。
それは安全で楽な日々かもしれません。

でも・・
「きっと、もう少ししたら電話かかってくるわよ。」
と、義母は言います。
自分を連れ出してもらいたくて、電話してくるとそう言うのです。
私も実はそう思っています。
きっとお母さんは止めるだろうけど、留守の間に電話してくるだろうなと。

彼女自身が外に出られれば(何度も言います。能力はあります。)。
彼女自身に居場所や仕事があれば。
彼女自身に友達がいれば。
彼女の人生は、そんな風に箱に入ったようなものではなくなるはずなのに・・・。


ということで、
のんびり娘にはやはり彼女の居場所や彼女の友達(軽い友人、知り合いの類でもかまいません)を手にすることが出来るところまで、鞭を緩めないでいよう・・・
そんな風に、回復してきた心は感じたようです(この辺りが鬼母ですわね)。

今現在、のんびり娘には休日に一緒に出かけたりするようなお友達は一人もいません。学校でも、親しく話すお友達がいるようではありません。
小学校時代のクラスメイトが、時々一斉送信でメールアドレスの変更などを送ってきてくれますが、それ以上のお付き合いはあまりないです。

そののんびり娘が、自分なりの居場所(私は職場を想定しています)をもち、お友達を作れるところまで行くには、きっと高校卒業まででは時間が足りないでしょう。
就職に有利になるような資格の獲得と、彼女が友人関係のスキルを積み上げられる環境を求めて、上位学校への入学を目指すことも視野に入れようと、鬼母、また一段腹を括ったのであります。