マイルスづく~私のこだわり人物伝

2007年06月23日 | 音楽本
私のこだわり人物伝 2007年4-5月 (2007)私のこだわり人物伝 2007年4-5月 (2007)


興味を持ってる物には自然に嗅覚が働くのか本屋で偶然「私のこだわり人物伝」なる本が目に入った。NHK教育でやってる番組の活字版でマイルス・デイビスとオードリー・ヘプバーンが載っているものだ。

放送は5月に終わってしまったらしいが菊地成孔の語るそれはとても分かりやすく、マイルスの音楽と環境が簡潔に語ってあった。裕福な家庭の育ちとか小柄でけっこうそれをコンプレックスに思っていたとか初めて知ることもあった。もちろん音楽家の菊地氏の語るマイルスの楽曲の変遷はとてもわかりやすい。

時代の音楽には敏感で、フランク・シナトラの歌いまわしをトランペットに取り入れてそれがスターになるきっかけとなり、50年代に主流だったジャズも60年代に入ると時代はロックに移りレコード会社のドル箱ではなくなり、といった経過も触れられています。

ビートルズにはさほど興味を示さなかったようですが、ジミヘンやジャニスなど西海岸に興味を示しそれがジャズにエレクトリック・サウンドを入れるきっかけになったようです。ジミヘンと会ったマイルスは楽譜の読めないジミヘンが一度きいただけですぐ理解することに驚嘆し共演の計画もたてたようですが、ジミヘンの死で幻に終わったとか。実現してたらどんなものが出来上がったのか。

菊地氏は中学生の時に「ゲット・アップ・ウィズ・イット」を聴いて鳥肌がたったといいます。誕生祝にレコードを買ってやるといわれ2枚組なら徳だと思い76年当時ロックもあったのになぜかこれを選んだとか。音楽との出会いはこんな風に偶然っていうのが多い気がする。マイルスのことを語りながら、菊地氏にも興味がわくとてもおもしろい本です。放送ではきっと映像や音なんかもあったんでしょう、見逃したのが残念です。

「知るを楽しむ」マイルス・デイビス HNKのHP 4回分のあらましが書いてあります。
コメント (2)
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