毎日ワールド・ミュージック1998-2004

2005年09月20日 | 音楽本
毎日ワールド・ミュージック―1998-2004
毎日ワールド・ミュージック―1998-2004 北中正和著 2005.7

 地域やアーティストごとに58のコラムに分けて情況とCDを紹介しています。
どんなものが紹介されているかというと、CMでおなじみのユッスー・ンドゥールやキューバの音楽。シャンソンやアイルランドの音楽、かと思うとアイヌのトンコリ、バルカンのいろいろな民族のそれぞれの音楽などありおもちゃ箱のようです。

 開くと今ではめずらしい2段組なのでうぉっと思いますが、1コラム5ページで、順に読むこともないし、好きな所だけ読んでもよしけっこう読み進めました。

 音楽の本ではあるのですが、読んでいると、あれ民族問題の本だったかしら?と錯覚します。スカンジナビア半島の北端のサーミ族の音楽はヨイクというのですが、今のスカンジナビア人がやってきて勢力が拡大するにつれ恐らくは暴力的に北においやられた、とさりげなく書いてあったり、またフランスは移民が多いので彼らによってワールド・ミュージックが醸成されるとか、逆にイタリアは移民が少ないので地中海の他の民族の音楽の要素を取り入れる、とか。

 またアフリカのマリ共和国のアビブ・コワテやサリフ・ケイタの紹介で、二人とも70年代にはジミヘンやクイーン、ピンク・フロイドなどが好きだったそうです。ここで一発が~んと自分のアフリカへの偏見を思い知りました。アフリカでそういう音楽が流れていることが想像できませんでした。日本のことを未だにちょんまげを結ってると思っているのと変わりないなーと。

アフリカ・マリのアビブ・コワテの「Folly」♪あり
最初にコピーしたのはジミヘンの「ヘイ・ジョー」だそうですが、スティングがアコースティック・ギターを弾くのをビデオでみてアコースティック・ギターに目覚めそれがマリの伝統音楽への回帰につながったそうです。普通のポピュラー音楽っぽい所もあり、バラフォンの響きありなかなかおもしろいです。

CD屋さんに行っても素通りしていたワールド・ミュージックのコーナーでしたが、これを読んでからはしっかり棚をみてきました。ふたつともMさんの提供でした。隠れた秘湯に入ったようでした。いい湯でございました。
コメント (3)
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