ささかのブログ

雑多な思考整理のためにブログを活用中。
自分が生きやすくなればいいと思うけれど、教祖になるつもりはない。

仕事の精度

2018-06-11 23:42:58 | Office
「適当に」
という言葉の意味は、その人の仕事の精度によって全く違うものになる。

はじめて自転車に乗ろうと練習している人の「適当」

アイルトン・セナがF1で優勝するときの「適当」

この2つの「適当」は、本人にとって適当である点は同じものの、蛇角制御の繊細さや、車両挙動に対する応答時間など、詳細な数量変化において全く異なる次元となる。

例として出したことがありますが、

辞書編纂家の「適当な言葉」

陶芸家の「適当な温度と色」

絵画美術家の「適当な絵の具」

など、「極めた当人においても違いに対して数値的な定量化が困難な精度の違い」を「適当」と表しているのであって、一般の人が思う「適当」とは全く精度が違うということ。

言葉が「適当」「いいかげん」「程々に」などと変わってもいいのですが。


私の「適当」はあらゆる基礎工学の原点をしっかりと踏襲しつつ、それから先の強度安全率1.1〜1.3が適当かどうかという部分においてでの「適当」であって、安全を無視した設計ではないということ。

この点の意識の乖離を、サラリーマン時代には補正できなかったのだけど。


商売の基本もそうなんです。

安い・早い・うまいは当たり前で。

そこに安全・安心・清潔・作りやすさ・わかりやすさ・美しさ・使いやすさ・メンテナンスしやすさなどを高度に実現させるのが商売であり、ものづくりの基本だと考えているのですが、相反する価値をどのようにバランスさせるかは、最後の微調整で決まるので、そのあたりが「適当」になってくる。

基本からすべて適当ということではないのです。

最後の最後、微調整レベルでもう感性に頼って決めるしかないところで「適当」なんです。


これがわからないと、大変な勘違いが起こります。
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