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オイラ的名曲案内 第10回 「レニングラード」

2006-07-14 18:59:00 | オイラ的名曲案内
ショスタコーヴィチの交響曲第7番は、「レニングラード市に捧ぐ」という副題がついている。
通常「レニングラード」と呼ばれ、某栄養ドリンクのCMで、ハリウッドの大物俳優に「チチン、ブイブイ」と言わせたシーンの背景に掛っていた音楽が、これである。
作曲当時は、第2次世界大戦の真っ只中で、初演は、国威発揚のために、盛大に行われ、また、その様子は、世界に向けてラジオ中継された。

その中継を聴いていた、ハンガリーの作曲家バルトークは、この曲の例の一節(チチン、ブイブイに合わせられた部分)を自作(管弦楽のための協奏曲)に引用して、ショスタコーヴィチを「茶化す」ようなことをしている。

初演は大成功裏に終わり、ソ連共産党は、曲の出来具合には満足していたようだ。

しかしながら、この曲は、共産主義や、ソ連の体制を賛美する意図で作られたわけでは、もちろんない。

第1楽章では、敵軍の侵攻や、迎え撃つ戦闘シーンの描写を連想させる。
しかし、真の意図は不明で、
ショスタコーヴィチ自身は、極めて普遍的なテーマに基づいて作曲していとものと思われる。
特に、第3楽章などは、悲痛な祈りに似た感情が、曲想から伺えるのではないだろうか?

フィナーレは、勝利の凱歌で力強く締めくくられるが、それは、ソ連の勝利ではなく、あまねく、人類の英知に対する期待を込めたものであると考えて差し支えないだろう。

ヤンソンス指揮/レニングラードPO盤の演奏を愛聴しております。
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