伝承によると、久米平内(くめのへいない)さんは剣術に秀でており、多くの人を
あやめて来ました。後年その供養のために、浅草寺内の金剛院に住んで禅にうちこ
んだといいます。臨終の時自分の姿を石に刻ませ、人々に踏み付けてもらって罪の
償いをしたいと仁王門付近に埋めました。その後、石像はお堂に納められたとつた
えられます。
この「踏付け」が「文付け」に転じ、恋の仲立ち役の神様と崇拝されて今日に至
っています。「縁結び奉納箱」が設置されて、恋の願いを入れることができるよう
になっています。毎月6日には投函された願文を、浅草寺で成就のお焚きあげを行
っています。罪の償いのため踏付けてもらおうと思った平内さんは「うーむ 恋の
悩みもたいへんなものだのう」と感心しているかもです。