三筋北陸・ワインダー(糸捲き機)の専門機料店

繊維産業のウラ話に迫る、メンテナンスのお気楽日記。

メンテお気楽日記 12月15日 カセ糸のコーンアップ

2015-12-14 | メンテナンスお気楽日記
綛スガ状態から、直接、コーンアップするのは「難しい」と言われています。

それは、解除時のテンションムラが、巻き玉の変形に影響したりして、均一な製品が出来ない。
何より、カセ解除時のスピードも確保出来ない為、カセ解除とコーンアップは、別工程となります。

その為、カセから四つ枠?・ガンガン・Hボビン等に巻き返し、その後ワインダーでコーンアップします。
その時は、円筒形に巻かれている為、均一テンションで高速作業が出来ます。

特に、太番手の場合は、空気密度が影響して変形になり易い。その為、糸おくりを均一にするフィード
ローラーを使ったり、デクリーズ(張力漸減)方法を使います。他にも9°15′用ドラムで3°30′
紙管に巻く、荒業をも使います。(この時は、再加工で9°15′に高速仕上げ巻きを行います。)


最近は、ボビン染色の圧縮釜が普及し、どぶ漬けのカセ染加工所も少なくなりました。
しかし、藍染めに代表される様に、少ロット生産も根強く、工房企画での需要もまだまだあります。

今、お世話している染工所は「レーヨン」のカセ染専門工場です。
ここでは、外注工場の設備はワインダーだけです。カセ輪から直接コーンアップします。
レーヨンの諸糸は、加工工程が多ければ、ケバの発生率が多くなるからです。

技術的には、けっこう?難しいらしく、作業出来る外注工場は80才オーバーの2軒だけになりました。
若手(50~60代)を紹介し、インバーター装置やスプリングテンサーで作業できる様に挑戦しましたが、
不良糸の発生に音を上げてしまう状況でした。(自社設備も立ち上げたが手が回らない・人がいない)


直接巻きのポイントは「糸を見る・見極める目」にある事は、言葉だけでは解っている。
スガ糸の裏・表、綴じ糸の後・先、カセ輪の張り具合、カセ輪の重さ等、まだまだ「コツ」はあるらしい。

「やってみなければ解らない」身体で覚え、指先で感じる。それが「経験」と言われても一長一短に
「伝承」できるモノでもない。新工場の立ち上げ。余ほどのフォローがなければ厳しい状態。


先に紹介した幡屋のばあちゃんは「私は18から幡屋の嫁だから、糸は触れば解る」「イイ仕事ありがとネ。」
こんな、好条件も珍しい。

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