券売機をふさいだ、おばちゃん。

昼をしばらく過ぎて銀座方面に、人と会う約束があったので出掛けた。渋谷駅の地下鉄自動販売機で、パスネットカードを買うために、とある人の後ろに並んだ。おばちゃんだった。券売機の前の棚に荷物を置いて、しきりに上の行き先表示板や料金表を探している。しまった。

10秒、20秒過ぎた。両隣の券売機は、人が次から次へ購入していっては、改札口に消えていく。私も約束の時間ギリギリだ。なおも、おばちゃんは、上を右左へと見回すばかりだ。真下に来たら、案内板も見えにくかろうに。後方で、電車が合図とともホームを動く音がした。まだ、おばちゃん、お金を入れようとしない。私、あせる。

そこで、私は思わず言葉を強く言ってしまった。「買いますか」と。おばちゃんは、あわてて小銭入れから200円を取り出し、お金を入れ、やっとこさ160円のキップを買った。なんのおわびもなく、ふてぶてしい顔をして、私の横を通り過ぎて改札口へ向かった。そこで私の番、パスネットを買おうとして、3000円をずっと握りしめていたのだ。パスネットの購入ボタンを押そうとする。なにっ。販売中止、ばかやろー。

後ろの人を待たしてはいかんと思い、直ぐさま1000円をつぎ込み、190円のキップを買った。販売中止なら、パスネットの表示、外しておけ、東京メトロよ。とにかく、電車に飛び乗った。

後で思う。もう少し、時間に余裕があったら、そのおばさんに「どちらまで、行かれますか」と、やさしく声をかけられたのに。とも思うし、なんで行き先も料金も確かめないのに、いきなり券売機の前に行くんだよ、とも。

私も判断ミスです。故障なのか、お手入れ中なのか、売ってない場所に並んだのだから。東京は、結構速いスピードで人は動きます。でも、大阪は、もっとすごく速いスピードで人は動き、もたもたしてるとはじかれると言いますから。「おっさん、はよせーや」と。そんなこんなで、人がうごめいている東京の今日の出来事です。余裕を持たないと、失敗しますね。

スティングとサウジ戦。

テレビ東京のサッカー、日本代表とサウジアラビアの試合が始まる前に、ちょこちょこチャンネルを変えていると、テレビ朝日で深夜映画、スティングを放映しているではないか。

若き日のポール・ニューマンとロバート・レッドフォードが主演の、詐欺師を題材にした、まさに映画の中の映画といえる、大好きな映画だ。一応、録画で抑える。しかし、思わず見入ってしまう。いかんいかん、サッカーが始まる。

あーあ、いつものように、ボール廻しで、なかなか切り崩せない。これじゃー点が入らないだろうなと、またスティングに戻る。うん、うん、どのシーンもかっこいい。で、またサッカー。点が入らないで、前半が終わった。

スティング。当然、何度も見てはいるけど、やっぱり引きつけられる。おお、後半が始まって、だいぶ時間が経つか。ありゃ、1点入れられてんじゃん。カッコ悪い。ほんとに単調な攻めを繰り返している。シュートも放つが、枠を大きくそれている。いやになって、スティングに戻る。

映画が終わった、かっこいい映画だ。ほとんどスティングばかりを見てしまった。サーカーは日本が負けた。アウェーとはいえ、カッコ悪い試合内容だ。現実は厳しい、映画のように華麗にはいかないものだ。おいおい、このままじゃ日本は。あほらし、もう寝よう。プロらしい、かっこいい試合を見せてくれ。せめて、点を入れてくれ。