かつては犯罪に手を染め、銃が大好きで、神の教えとは程遠いところにいた人物が、アフリカの子供たちを助けたい。スーダンで悲惨な目に遭っている子たちに孤児院を建てたいと思ったところから人生が変わる。
人生、何が転がっているのかわからない。ただのム所帰りで終わりそうだったところが、妻が敬虔なクリスチャンになっていた。いつものように、ヤクのうわ前いただこうとして、車をすっ飛ばす。でも、逆に襲われ、自分を省みる。何かがきっかけになって自分のことをふと見つめることが、彼を変えて行く。
自分らを襲ったホームレス風な男を逆に殺そうとしたのはどこかに消えてしまい、そこだけは最後まで??が残ったが、真面目に働くようになり、更生施設を兼ねた教会を建て、自分が出来ることを精いっぱいこなしていく。家族にとっては十分すぎるほど立派な親父になり、そのままでいい。。。。と思わなかったのが、このサム・チルダースという男だった。
アフリカはスーダンで子供たちが親を殺され、難民となったり、誘拐されたりして、悲惨な目にあってると耳にしたサムは、居ても立ってもいられなくなり、アフリカで子供たちのために何かできないかと行動を起こす。最初は軽い気持ちのボランティアで、自分の仕事である建設業をなんとか役立てようとする。
そしてそこで見た現状。悲惨とか、残酷とか、んなもんじゃなかった。自分の想像をはるかに超えた地獄に子供たちはいた。目の前で地雷で吹き飛ばされた子供。何をすべきなのか、何をしたらいいのか、自分は何ができるのか??分からないままサムは突っ走る。
と言うことで、スーダンです。アフリカや、西アジアでも独裁、内紛、権力闘争等々、いろいろとありますが、一昨年あたりからずいぶんと様相が変わってきた。いわゆるジャスミン革命と言う流れから、国の権力構図が変化してきた。独裁者は糾弾され、軍事国家は急速に民主国家に姿を変え、世の中はいい方向に向かって行くんだろうなあ・・と思わせるが、その中でも断固として変わらず、いまだ世界でも最悪の内紛状態で、難民があふれ、一体どうしたらいいんだ?と言うのがスーダンだ。
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スーダンの内戦はなぜ起こったか
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私の悪い癖が出てます。なぜにスーダンでこのような内戦が起こったのかを少々覚書を。興味のない方はスルーしてください。
さて、スーダンは北にエジプト、東にエチオピア、南にコンゴがある、北アフリカ最大の国。長いことキリスト教もイスラム教も共存してきた。ではなぜに内紛になったのか言うと、現代の世界の様々な紛争のほぼすべての根源と言ってもいい、イギリス植民地政策である。
19世紀末にイギリスとエジプトに共同統治下におかれたスーダンは、その後イギリスの直接統治に変わる。このとき、キリスト教徒が多かった南部は、完全にイスラム勢力の北部と分断され、南部と北部の対立の構図と言うものが生まれた。
第二次大戦後、他の諸国と同じようにイギリスの支配が解けるが、これがまた諸悪の根源となる。それまで完全に支配していて、突然独立、自立をしなけらばならない国々。宗主国が蒔いた民族対立はそのままで、政治的に未熟な勢力が政権争いをする。アフリカ各国で起こった内紛、内戦は、ほとんどがこの構図である。スーダンも例にもれず、この対立がそのまま続いたわけである。
内紛が続いたあと、軍人のヌメイリが大統領に就任するとイスラム法を導入したため、南部のスーダン人民解放軍(SPLA)を中心に反発し、内戦が拡大した。
そこに輪をかけたのが、干ばつに苦しんだエチオピアからの難民の流入であった。国内は混乱し、ヌメイリは失脚。SPLAは力を増し、映画にも出てきたジョン・ガランを中心に勢力を増して行き、ますますイスラム勢力との対立の構図が激しくなっていった。その頃の内戦に刺激を受けて、サムが行動に出たころだと思う。
政治家たちもただ戦っていたわけではなく、和平の道も探っていた。その時に起こったのが、ジョン・ガランの乗ったヘリコプターの墜落であった。悪天候によるものだったが、ガランの死に憤りを感じた非イスラム系の住人がアラブ系の人々を襲ってしまった。さらに、指導者の突然の死は、組織の権力争いも招いてしまい、収拾がつかに状態となった。
これが一連のスーダンの内戦の流れである。その後、南部は南スーダンとして独立し、内戦はおさまりつつあるが、紛争の火種になりそうな油田は、南部に集中している。ここの内戦は、国がわかれたことによって、国際戦争に拡大するおそれを秘めている。
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サムは、どうしようもない気持ちにかられて、銃を持って立ち上がった。映画はその是非を言うのではなく、なんとかせねばならない!!と思った気持ちをぶつけた行動は凄い。ついついへっぴり腰になる自分達に喝を入れてもらったような。。。銃をもて!ではなく、私たちにできることからすればいいのであって、こんなことが世界では起きてるんだ!と言うことを知ることがまず大事だ。
彼も矛盾を抱えながらの行動で、金は無くなる、娘には愛想を尽かされる、友人は失くしてしまう・・。それでも彼を突き動かしたのは、子供たちに降りかかる不幸だ。
アフリカの紛争でよく見られるのが、少年兵をそだてること。まだ無垢な子供を洗脳して兵士にしてしまう。銃で脅して親を自らの手で殺させる。人の道にもとる行いをなぜに平気やれるのか・・・。しかし、サムに助けられた少年兵にさせられた子供が言う言葉がすべてだ。「自分の気持ちを憎しみで満たしてしまったら、それこそが敵の思うつぼだ・・」なんとも素敵な哲学者だった。
スーダンのことはいろいろと聞こえてきたが、しっかりと知ろうとしなかった。きっかけになったのは、「ER」のジョン・カーター(火星には行きません!)が、国境なき医師団の一員でダルフールに行くことになったのが大きい。まさに地獄。なぜにこんなことができるのか?と唖然とするが、答えは出ている。人間だからこそ行える所業なのだ。
本物のサム・チルダース↑
アメリカでの「ER」の影響力は大きい。こうやってきちんと取り上げ、事実を見せる仕事に感服する。
映画のことはあんまり言ってないが、これは映画がどうのよりも、こういった事実があるんだ!と言うことを伝えるのが主眼の作品だと思う。やっぱマーク・フォスター監督は、こういうタッチが似合う。
◎◎◎○●
「マシンガン・プリーチャー」
監督 マーク・フォースター
出演 ジェラルド・バトラー ミシェル・モナハン マイケル・シャノン キャシー・ベイカー
人生、何が転がっているのかわからない。ただのム所帰りで終わりそうだったところが、妻が敬虔なクリスチャンになっていた。いつものように、ヤクのうわ前いただこうとして、車をすっ飛ばす。でも、逆に襲われ、自分を省みる。何かがきっかけになって自分のことをふと見つめることが、彼を変えて行く。
自分らを襲ったホームレス風な男を逆に殺そうとしたのはどこかに消えてしまい、そこだけは最後まで??が残ったが、真面目に働くようになり、更生施設を兼ねた教会を建て、自分が出来ることを精いっぱいこなしていく。家族にとっては十分すぎるほど立派な親父になり、そのままでいい。。。。と思わなかったのが、このサム・チルダースという男だった。
アフリカはスーダンで子供たちが親を殺され、難民となったり、誘拐されたりして、悲惨な目にあってると耳にしたサムは、居ても立ってもいられなくなり、アフリカで子供たちのために何かできないかと行動を起こす。最初は軽い気持ちのボランティアで、自分の仕事である建設業をなんとか役立てようとする。
そしてそこで見た現状。悲惨とか、残酷とか、んなもんじゃなかった。自分の想像をはるかに超えた地獄に子供たちはいた。目の前で地雷で吹き飛ばされた子供。何をすべきなのか、何をしたらいいのか、自分は何ができるのか??分からないままサムは突っ走る。
と言うことで、スーダンです。アフリカや、西アジアでも独裁、内紛、権力闘争等々、いろいろとありますが、一昨年あたりからずいぶんと様相が変わってきた。いわゆるジャスミン革命と言う流れから、国の権力構図が変化してきた。独裁者は糾弾され、軍事国家は急速に民主国家に姿を変え、世の中はいい方向に向かって行くんだろうなあ・・と思わせるが、その中でも断固として変わらず、いまだ世界でも最悪の内紛状態で、難民があふれ、一体どうしたらいいんだ?と言うのがスーダンだ。
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スーダンの内戦はなぜ起こったか
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私の悪い癖が出てます。なぜにスーダンでこのような内戦が起こったのかを少々覚書を。興味のない方はスルーしてください。
さて、スーダンは北にエジプト、東にエチオピア、南にコンゴがある、北アフリカ最大の国。長いことキリスト教もイスラム教も共存してきた。ではなぜに内紛になったのか言うと、現代の世界の様々な紛争のほぼすべての根源と言ってもいい、イギリス植民地政策である。
19世紀末にイギリスとエジプトに共同統治下におかれたスーダンは、その後イギリスの直接統治に変わる。このとき、キリスト教徒が多かった南部は、完全にイスラム勢力の北部と分断され、南部と北部の対立の構図と言うものが生まれた。
第二次大戦後、他の諸国と同じようにイギリスの支配が解けるが、これがまた諸悪の根源となる。それまで完全に支配していて、突然独立、自立をしなけらばならない国々。宗主国が蒔いた民族対立はそのままで、政治的に未熟な勢力が政権争いをする。アフリカ各国で起こった内紛、内戦は、ほとんどがこの構図である。スーダンも例にもれず、この対立がそのまま続いたわけである。
内紛が続いたあと、軍人のヌメイリが大統領に就任するとイスラム法を導入したため、南部のスーダン人民解放軍(SPLA)を中心に反発し、内戦が拡大した。
そこに輪をかけたのが、干ばつに苦しんだエチオピアからの難民の流入であった。国内は混乱し、ヌメイリは失脚。SPLAは力を増し、映画にも出てきたジョン・ガランを中心に勢力を増して行き、ますますイスラム勢力との対立の構図が激しくなっていった。その頃の内戦に刺激を受けて、サムが行動に出たころだと思う。
政治家たちもただ戦っていたわけではなく、和平の道も探っていた。その時に起こったのが、ジョン・ガランの乗ったヘリコプターの墜落であった。悪天候によるものだったが、ガランの死に憤りを感じた非イスラム系の住人がアラブ系の人々を襲ってしまった。さらに、指導者の突然の死は、組織の権力争いも招いてしまい、収拾がつかに状態となった。
これが一連のスーダンの内戦の流れである。その後、南部は南スーダンとして独立し、内戦はおさまりつつあるが、紛争の火種になりそうな油田は、南部に集中している。ここの内戦は、国がわかれたことによって、国際戦争に拡大するおそれを秘めている。
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サムは、どうしようもない気持ちにかられて、銃を持って立ち上がった。映画はその是非を言うのではなく、なんとかせねばならない!!と思った気持ちをぶつけた行動は凄い。ついついへっぴり腰になる自分達に喝を入れてもらったような。。。銃をもて!ではなく、私たちにできることからすればいいのであって、こんなことが世界では起きてるんだ!と言うことを知ることがまず大事だ。
彼も矛盾を抱えながらの行動で、金は無くなる、娘には愛想を尽かされる、友人は失くしてしまう・・。それでも彼を突き動かしたのは、子供たちに降りかかる不幸だ。
アフリカの紛争でよく見られるのが、少年兵をそだてること。まだ無垢な子供を洗脳して兵士にしてしまう。銃で脅して親を自らの手で殺させる。人の道にもとる行いをなぜに平気やれるのか・・・。しかし、サムに助けられた少年兵にさせられた子供が言う言葉がすべてだ。「自分の気持ちを憎しみで満たしてしまったら、それこそが敵の思うつぼだ・・」なんとも素敵な哲学者だった。
スーダンのことはいろいろと聞こえてきたが、しっかりと知ろうとしなかった。きっかけになったのは、「ER」のジョン・カーター(火星には行きません!)が、国境なき医師団の一員でダルフールに行くことになったのが大きい。まさに地獄。なぜにこんなことができるのか?と唖然とするが、答えは出ている。人間だからこそ行える所業なのだ。
本物のサム・チルダース↑
アメリカでの「ER」の影響力は大きい。こうやってきちんと取り上げ、事実を見せる仕事に感服する。
映画のことはあんまり言ってないが、これは映画がどうのよりも、こういった事実があるんだ!と言うことを伝えるのが主眼の作品だと思う。やっぱマーク・フォスター監督は、こういうタッチが似合う。
◎◎◎○●
「マシンガン・プリーチャー」
監督 マーク・フォースター
出演 ジェラルド・バトラー ミシェル・モナハン マイケル・シャノン キャシー・ベイカー
系活の糸口が見えないどつぼにはまっている(暴力に対して暴力)ので、怖くてなかなか鑑賞できないでいます(汗)。
この前、「クィーン・ビクトリア」見てたら、若きジェラルドを発見して、なんか嬉しかったです。
神ですか!「300」。。
あれはザックの最高傑作でしょうね。男が惚れる男ってのがわかります。あたしはデビッド・ウェンハムが贔屓でしたが。
しっかし、自衛隊が行ってても日本人て興味ないんですね…
ぐだぐだ言ってるだけで何もしない人たちに、ぜひ見てもらいたいもんです。
やっぱ行動することですね。
アフリカの現実ということで個人的に思い出させるのが、ツチ族とフツ族の対立、つまりルワンダ虐殺です。人口の10~20%が殺されたという人類史上未曽有の事件だと思います。しかも、銃で殺されるよりも撲殺された人が多かったといいます。あまりの残酷さに恐れおののきます。
さて、エルサレムの問題ももとはといえばイギリスの三枚舌外交ですし、大英帝国の植民地政策は現在に続く禍根をたくさん残しましたね。先述のルワンダはイギリス支配地ではなかったですが、人類の歴史上、ここまで広範に渡って良くも悪くも影響を与えた国もないんじゃないかなと思います。対抗馬は社会主義国ソビエトくらいでしょうか。今のアメリカなんて比じゃないくらいの影響を後世に与えましたよね。
今の世界の諸悪の根源、さまざまな民族対立、内戦の起こりをたどれば、すべてイギリスの植民地政策に行き着く!と言っても過言ではないと思います。
まだまだ私たちは、そういった現状に対して鈍感で、耳を澄まさなければならないのに、聞こうとしない。
そんな私たちに喝を入れてもらったような気がします。