物語はどうということの無い、ちょっと変な三角関係。
おとなしい男に、精神が疲れ切った女性と、その正反対なおきゃんな女性が関係している。
その二人をそれぞれ愛し、自分が生きるべき根幹を探そうとしている男のあてどない人生・・・。とでもいうと聞こえはいいのだが、えーーーい、はっきりせい!!と、うしろからケツ(すいません)を蹴飛ばしたくなるような、ふにゃらふにゃらした男の瑕の物語。
だと思う。それがなぜか村上の御大にかかると、なんのことないエロ小説が、崇高な物語に変わってしまうのだから、すごい。わたしの解釈は間違っているだろうか。
いつ読んだかも忘れたくらいに昔に読んだが、読んだ!という印象しか残ってない。ただやけに官能的なんだけど、乾いている。乾いた官能小説というものがあるのかは知らないが、そんな思いを抱いたことだけは、かすかに覚えている。
そのイメージはきれいに写しだされていたのではなかろうか。60年代の後半の騒然とした様子や、やけにサイケな色使い随所に見えた。それと一緒に同居しているセピア色な感じ。
あの独特だった色の世界が、なぜに外国人の監督に映し出されるのかはわからないが、納得のいく色だった。
もともとトラン監督の映画自体が、静謐で、ぐっと抑えた色調で、どこか無国籍な感じがしていたから、それがマッチしたのかもしれない。
ただ、ぬるい、ゆるい、甘い。描写がゆるい。おっぱいの一つも出せないほどに純情な物語でもあるまいし、なんだか未成年の純情恋物語を見た様な雰囲気にさせられた。なんでしょ、遠慮でもしたんでしょうか。
いや、ワタナベの究極のやさしさ、愛の喪失の慟哭、愛に答えられなかった直子の永遠の苦しみ。。。。だとしても、無機質な作り(これは本もそうとも言えるが)が、見る者によそよそしさを感じさせた。もうちょっと粘っこい、何かが欲しかった。狙いは渇望感だったのなら、大成功なのだが・・。
やっぱトラン監督の作品では「青いパパイヤの香り」がいちばん好きだなあ。だんだんなんだか違う方向に行ってるような。つかみどころがない。
どう見ても、菊地凛子の20歳はないなあ。一番昭和が似合ってたのは、玉山君でした。高良君をちょっとしか愛でられなかったのが残念。
◎◎◎●
「ノルウェイの森」
監督 トラン・アン・ユン
出演 松山ケンイチ 菊地凛子 水原希子
おとなしい男に、精神が疲れ切った女性と、その正反対なおきゃんな女性が関係している。
その二人をそれぞれ愛し、自分が生きるべき根幹を探そうとしている男のあてどない人生・・・。とでもいうと聞こえはいいのだが、えーーーい、はっきりせい!!と、うしろからケツ(すいません)を蹴飛ばしたくなるような、ふにゃらふにゃらした男の瑕の物語。
だと思う。それがなぜか村上の御大にかかると、なんのことないエロ小説が、崇高な物語に変わってしまうのだから、すごい。わたしの解釈は間違っているだろうか。
いつ読んだかも忘れたくらいに昔に読んだが、読んだ!という印象しか残ってない。ただやけに官能的なんだけど、乾いている。乾いた官能小説というものがあるのかは知らないが、そんな思いを抱いたことだけは、かすかに覚えている。
そのイメージはきれいに写しだされていたのではなかろうか。60年代の後半の騒然とした様子や、やけにサイケな色使い随所に見えた。それと一緒に同居しているセピア色な感じ。
あの独特だった色の世界が、なぜに外国人の監督に映し出されるのかはわからないが、納得のいく色だった。
もともとトラン監督の映画自体が、静謐で、ぐっと抑えた色調で、どこか無国籍な感じがしていたから、それがマッチしたのかもしれない。
ただ、ぬるい、ゆるい、甘い。描写がゆるい。おっぱいの一つも出せないほどに純情な物語でもあるまいし、なんだか未成年の純情恋物語を見た様な雰囲気にさせられた。なんでしょ、遠慮でもしたんでしょうか。
いや、ワタナベの究極のやさしさ、愛の喪失の慟哭、愛に答えられなかった直子の永遠の苦しみ。。。。だとしても、無機質な作り(これは本もそうとも言えるが)が、見る者によそよそしさを感じさせた。もうちょっと粘っこい、何かが欲しかった。狙いは渇望感だったのなら、大成功なのだが・・。
やっぱトラン監督の作品では「青いパパイヤの香り」がいちばん好きだなあ。だんだんなんだか違う方向に行ってるような。つかみどころがない。
どう見ても、菊地凛子の20歳はないなあ。一番昭和が似合ってたのは、玉山君でした。高良君をちょっとしか愛でられなかったのが残念。
◎◎◎●
「ノルウェイの森」
監督 トラン・アン・ユン
出演 松山ケンイチ 菊地凛子 水原希子
どうにも村上春樹の本って、アタシにはエロ小説に見えるもんで、あの出し方じゃ納得いかないっす。
全編、奥歯になんか挟まったような感じがぬぐえませんでした。
それはその通りです(笑)。
もっと妄想できるのに。
やっぱ、ノーベル賞候補作家に遠慮したのかな?
エロなんだけど、感情を排したエロみたいな感じ。
うーん、面白いか?といわれると、素直にうんとは言い難いですね。
なるほどです。
確かに、エロいのだけど、エロさがなかったですね。
だけど、映画として、あたしはあまり魅力を
感じなかったです。うん。
それこそ、エロは生そのものだし、タブー視すること自体がエロだと言ってるようなもんではないかと。
だからこそ、どこかあっけらかんとした緑の存在がキーな感じがしました。生そのもののような気がして。
かなり疲れてるときに行ったもんで、自分の中でうまく咀嚼出来てないとこもあるんですよね。いろんな意味で、もっかい行こうかな・と思ってます。
コメント有難うございます。
昨日はPCが変で、こちらにだけコメ残せませんでした。(汗)
私はこの作品は、エロチックな性描写ばかりと思っている人が多いように思うのですが、
本当は性イコール生なのではなく、性イコール精神イコール生だと表現しているように感じました。
精神的領域が渇いて機能を停止したとき、生も性も死ぬのだということかな…と思ってます。
彼らだと、クールすぎるのかなあ。
いや、なかなかハマってましたが、いわれてみれば、むりに昭和にするより、現代版でもありかもですね。
一気に読み過ぎて、多分するする読んだんで、ほとんど何も残らなかったのかもです。読んだことしか覚えてなかったもん。
なので、これを映画化するって聞いた時、「今更?」とも感じたのですが、若者が本を手に取るきっかけになりますかね。
ま、あたしはこの人の小説はあくまでもエロ小説だと思っているのですが、こういう世界もたまにはいいかもです。
ファッションがいかにそうであっても・・。
まだまだあの時代の記憶が見る側に鮮明すぎませんか?
そういう意味では、若い子に観てほしい。
ノルウェイ現役時代でなくて。。。
読んだとき、すっごい苦手だったことを映画で再確認(笑)
でも、今なら、二十歳前後の若者のまっすぐだけど狭くて足元から地面がどんどん崩れていくような、呼吸もできななくなるような恋愛観が懐かしい(苦笑)。
いっそ、現代版で作ってほしかった。
だって、小説を映像化って無理だし、原作ファンが満足できるわけないですもの。
(って、むちゃふり?松ケンびいき?>爆)
公衆電話や学生運動、あの時代にしかない小道具をとっぱらっても、できると思うんですが。
恋愛って、そう変わらない気がします。
この物語のきもはやはりセックスシーンだと思うんですよ。
直子の短い人生の中で、それはものすごい重要なこと。そこに生ぬるさしか感じられないような描き方は、ちょっと違うんじゃないかなあと。
あたしも身近なところで、×が多いです。
希子ちゃんみたいなすごい子あてられるんですから、もっと・・・・なかったかな。
これが日本語喋れたら、絶対に自分の奥さんを使うんだと思いますわ。
彼の映画には、今まで必ず出てましたからね。トラン監督のミューズ。
世界観はよーく出てたと思います。
よくぞ表したし、外人がここまで日本の雰囲気を映しだしたのは素晴らしいと思う。
はっきり言って、そんなに期待を持たずに見たので、意外によかった・というのが素直な感想です。
それにしても各所で凛子ちゃん大ブーイング(苦笑)リアルでは会う人で彼女が良いって言う人みたことありません。
今丁度後編に入ったところ。レイコさんのバックボーンが語られているあたりですが、映画ではざっくり落とされていただけに、読んでようやく理解できてきた感じです。
未読で観ていても明らかに飛ばしている感ありありで、正直よく解らん話だなと思っているので、とりあえず原作で補完中といったとこなんですよ。
話としては嫌いですが、解らないマンマってのも癪なんで。(苦笑)