迷宮映画館

開店休業状態になっており、誠にすいません。

10月のまとめ(2015年) その2

2015年11月04日 | 日記
なんだかんだ言いつつ、結構見ている私。
仕事して、映画見て、優先順位的には、掃除はさっぱりせず。まず、嫁を放棄、次の妻もほぼ放棄。かろうじて母だけやってる気分です。これもあと数か月・・・と自分では思っているのですが。

10月に見た映画、パート2です。

⑨ジョン・ウィック
  時間で考えると、すんごく短いのですよね。妻が亡くなって、犬が来て、すぐにやられちゃう。憩いの時間が少なかった方がいいのかな。まあ、強い!強いわあ~。こんなキアヌが見たかった~的な満足感を久々に味わいました。「ニキータ」的な処理班は昭和だったなあ。どことなく、懐かしさを感じさせていただきました。ニクヴィストさんは平成の人だけど。



⑩この国の空
  戦後70年の一貫と考えていいのかな。戦争真っ只中、女性暮らしの隣に住む、男の一人暮らし。こっちは、妻と子供が疎開しているのでしようがない。要するに、男が隣の娘ちゃんと不倫しちゃった~ってお話。男女の色恋沙汰は、洋の東西を問わず、戦時だろうと、平和な世の中だろうと、いつだってあるわけで、特に男性ホルモンが少ないあの時代だと、男はよく見えるのかもなあ~、なんて思ってしまった。戦闘シーンも、悲惨な場面もとんとない、でも、やっぱり戦争は悲劇を生むんだ!という描き方。戦争中だって、普通に毎日の生活を送って、市井の人たちは日々を過ごしていたんだよ。。ってことが伝わる。

監督の荒井晴彦さんと、ゲストの根岸監督が登壇して、映画についていろいろとトークがあったのが今回の様子です。映画としての視点は興味深かったんだけど、描き方がものすごく作りものな感じがして、しようがなかったのでした。きれいになぞっただけで、ぐいっとひきつけるものを感じられなかったのでした。こっちの感性の問題でしょうが、あたしとはあまり相性が合わず。



⑪ヴィンセントが教えてくれたこと
  これは素晴らしかった!!ビル・マーレイがまた絶品!!汚らしいだらしないじいさんってのが、こんなに似合う人がいるんだろうか!!と思うくらいのはまりぶり。デニーロでもよさそうだけど、にじみ出るだらしなさは、やっぱこっちだわ。でもでもでも、彼にはそれまでの大事な大事な人生と、伴侶がちゃんといたんですよね。その優しさと愛情深さをわかってくれたのが、隣に越してきた母子家庭の男の子だったのでした。いや、よかった。本当によかった。今年の上位5本にすんなり入りますわ。



⑫雪の轍
  トルコ映画界の巨匠、ヌリ・ビルゲ・ジェイラン監督。。。。と言ってもさっぱり知らず。と思ったら、この監督の作品は日本で上映はなかったそうな。知らないわけだ。それはともかく、とにかく圧倒された!3時間16分の長尺にちょっと構えたが、カッパドキアの引き込まれそうな風景と、言葉の持つ力にぐいぐいと引き込まれる。あっという間・・とは言わないが、複合的に入り組んだ物語に全編、見入ってしまった。

様々な対立、格差、年老いた夫に若い妻、裕福なホテル経営者に貧しい市民、兄と妹、そこから生まれる絶対に分かり合えない隔たりと憎しみ。その中で生きていく人々の営みは、普遍的だ。静かでありながらも、対立がもたらしたバトルのようなセリフのやり取りは圧巻だった。

もう一回見るか・・と言われると、ビビるが、見た甲斐のある作品だった。こういうのに出会えるから、映画はやめられない。カンヌのパルム・ドール作品。




⑬さよなら、人類
  こちらは、ベネチア映画祭の金獅子賞受賞作品。はたまた知らない監督で、スウェーデンのロイ・アンダーソン監督。不条理、シュール、何とも笑えないコメディ。様々な死の場面に遭遇しちゃう、まったく売れないセールスマンが、いろんな人生を見ちゃう・・というもんだが、まず自分の人生をちゃんとしろよ!と。いろんなエピが詰め込まれてて、面白いっちゃ、面白いんだけど、ちょっと飽きてくる。いかにもな北欧のタッチは、雰囲気たっぷり。期待が大きかったのだけど、それほど好物ではなかった。



⑭戦場ぬ止み(いくさばぬとうどうみ)
  「戦場の村」で、沖縄の現実を真正面から撮った三上監督の、まさに、今のリアルな沖縄を追ったドキュメンタリー。映画祭の時に時間が取れず、監督の話を聞けなかったのが残念だったが、映画で十分伝わった。やばい、やばい、やばい、やばい。いいのか、このままで!!!!もっとみんな怒らなきゃ!!!とにかく、何としてでも基地を作らなきゃならないとしている政府。ホントに作りたいの?これって、アメリカ辺りで気炎を上げてる自然保護団体にでも送ったらいいんじゃないかと思うんだけど。クジラも大事かもしんないですが、まず海をこんなんしてまっせ~って教えてやるのも、一興かと。

今日も辺野古での基地建設は行われてると思います。ニュースでもっともっと取り上げるべきなのですが、世の中は、くい打ちで大わらわ。とっても大きな問題だとは思うんですが、あのとり上げようは、別のニュースを隠したいんじゃないの~って思うのですよ。うがってますか?



⑮メイズ・ランナー2
  前作「メイズ・ランナー」が結構出来がよかったんで、次ももちろんみます。徐々に秘密がわかってきての次の段階。謎の病気が蔓延して、それを乗り切る抵抗力をもっていたのが、彼らだったと。最初の迷路から脱出して、次の迷路・・・と言うよりは、追っかけられている状況から、戦うぞ!って感じでしたかね。若いぴちぴちした兄ちゃん、姉ちゃんたちの踏ん張りが見ごたえあります。嫌味な大人たちもいい感じ。次ももちろんみます、はい。



⑯ボクは坊さん
  四国八十八箇所霊場の一つ、栄福寺の住職になってしまった(!)青年の実話。実話なんで、その通りなんだろうけど、現実感がとんと感じられなかった珍しい作品。たぶんにこれは演出のせいだと思うけど、特殊な世界なのか、いやそうでもなかったと言いたいのか、はっきりしない。慣れない様子だったのが、いつの間にか受け入れられたり、長老の葬儀やら、普通に考えてもありえんやろ~的な演出が鼻についた。テンポは緩慢で、2時間ドラマで十分なような・・・。せっかくの高野山の風景がもったいなかったなあ。



⑰ギャラクシー街道
  10月のつまんない列伝、2本目。ちょっとこれはいけないでしょう。女子中学生が集団で見に来てたけど、かわいそうになった。身の置き所が無さそうだった。マルセル・カルネを軽々しく使わんでくれ。



⑱ナイトクローラー
  こりゃすごい!!ジェイクのくそぶりがもう最高!!!最低の人間をさせたら、右に出る人はいないのでは、と思うほどのくそぶりを堪能した。自己中、利己的、自分の事しか考えない!自分がよければ、すべてあり!!とここまで割り切れたら、生きやすいのかもしんない。こんなくそ人間、いるんかい!と思うのですが、いるんだろうな~、きっと。ニュースを追う、記者。なければ作ってしまう。それも最高のシチェーションを。私たちが目にしている映像も、どのくらいがまともに本物なのか?と思ってしまう。せめて、私たちはニュースをまんまうのみにしないで、自分の目を確かなもんにするしかない。でも、難しいわな。



⑲クーデター
  東南アジアの某国(国はどこだか明確じゃない)に、転職で行ったある家族。アメリカ資本のでっかい企業が、どんどんと国を侵食している、と憤った人たちによって、クーデターが起きたちょうどその時に遭遇してしまった。最初は他人事のような思っていたのだが、ターゲットは自分だった!!!てなことで、あとは逃げる、逃げる、逃げる。家族そろって、どうにかして逃げないと!!!!ということで、ギリギリなとこで、助かるのか、やられるのか、ハラハラドキドキ。まあ、結果は想像つきますが。人間、そう簡単にあきらめちゃいけないです。ピアーズさんが、やけにかっこいい役柄だったけど、彼だったら似合っちゃうのでした。オーエンが、いい父ちゃんだったのが。合ってたのが意外。



⑳マジック・マイクXXL
  あの「マジック・マイク」のその後編。マシューさんが出てこないんで、物語的には若干締まらない。引退したマイクが一晩かぎりのステージに、仲間と立つ!というストーリーは、ほんとにどうでもよくて、ひたすらダンスを堪能するだけの作品。そう割り切れば大丈夫。さすがにダンスはキレッキレ。あんだけ思った通りに体が動けば、気持ちいだろうな~。



㉑ダイバージェントNEO
  前作が何気に面白く、あんときは地味だなあと思った出演陣も、いまや飛ぶ鳥落とす勢いの若手がいっぱいだったことに、ちょっとびっくり。見る目があったのね~。崩壊しちゃった近未来・・ってのが、今年はやけに多い。これもその一つ。いろんな問題点があって、いろんな解決法が出てくる。一人にその責務を負わせ、選ばれた人が救っちゃう的なパターンの一つ。ロマンスも取り混ぜて、愛は地球を救っちゃう。結構納得が入ったSFもん。「ヴィンセント・・」に出てたナオミさんが、こっちでは全く違った役柄で、姿も全く違う形でご登場。ビッチもやれば、戦士もやれば、王妃もこなしちゃう。すごいかも。。。って思った。



㉒岸辺の旅
  やっぱ私はどうしても浅野が苦手なことを再確認した。ちょっと浮世離れした感じが、幽霊は似合ってた。3年前に行方不明になった夫がひょっこり帰ってきたけど、それは実は幽霊さん。あの世とこの世の区別がつきにくい人も、結構いるらしく、普通にこの世で暮らしてる人もいると。別にそれはこの世に怨念めいたものがあって、執着している!というだけでもなさそう。死ぬも生きるもほんとに紙一重。そう思ったら、境目のないこんな世界もありかなあ~と思ってしまう。怖いのが苦手なあたしですが、ときに黒沢の作品だということを忘れるくらいに、愛の物語になってた。でも、ラブシーンは下手だわよ。


ということで、結構数が行ってしまってた。ドキュメンタリー入れて、26本。どうやってこの数を見たんだ、あたし?



  








最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Nakaji)
2015-11-09 17:04:07
sakuraiさんの岸辺の旅のブログ先にみてて、私も再確認するんだろうかって思ったら、やっぱり無理でした(笑)

>ラブシーンは下手だわよ

これ本当に思いました。なんか彼のって下手ですよね。きれいじゃないんですよね~
返信する
>Nakajiさま (sakurai)
2016-01-05 15:12:59
ですよね、ですよね。
なんかだめ。
何がダメって、雰囲気がだめ。ったら、どうしようもないですよね。
返信する

コメントを投稿