毎度おなじみ、海坂藩の顛末。
今回はお殿様の側室が、権勢を鼻にかけて、政治の場にしゃしゃり出てきて、わがままし放題でお殿様を牛耳っている。
みな、頭を抱えているのだが、そんなお殿様に物申せるのは御別家の帯谷隼人正。歯に衣着せぬ物言いで、お殿様に進言するのだが、凡庸で、側室連子にべたぼれでとんと聞く耳を持たない。
過酷な年貢取りで、百姓一揆まで起こりそうになり、犠牲者まで出るが、どうしようもない。
そんなときに、これも藩の財政をひっ迫させる原因となっていた能を見終わった後、一人の侍が、連子を刺し殺す。殿の愛妾を!!もちろん、打ち首覚悟での行動だったが、なんと仕打ちは1年の閉門、お役御免、蟄居と、命が助かる。
この男、物見頭取・兼見三左衛門。藩の中でも一二を争う剣客だった。しかし、妻を病気で亡くし、子供もいない。後顧の憂いなく、命をかけての訴えだったが、なぜか命を助けられる。
そこには、兼見の腕をいいように使おうと、画策していた陰謀が隠されていた・・・。
ということで、お話は藩のいざこざに巻き込まれた・・・というより、今回は自ら火中に飛び込んで行ったお侍の心意気、でしょうか。
藤沢作品の場合、見事にいい役と悪い役がはっきりしていて、すぐにわかるのですが、そのわかりやすい構図と、ちょうど2時間くらいで収まる問題提起と葛藤と最後の始末のバランスがいいんでしょうね。
まだまだネタは尽きないようで、これからも藤沢作品の映画化は続くようですが、ちょっと時間をおいてもいいような気もしますわ。ちょっと食傷気味。
山田洋次以外は、監督もばらばらで、ヒロイン、主役の剣客も毎度違うので、新味がありますが、なんだか区別がつかなくなってきたのも事実でございます。
が!今回の秀眉は吉川君でしょう!!かつて腰振りながら「モニカ~♪」なんて歌ってたなんて・・・・。まあ、あれはあれでよかったのですが、こういう時代劇に見事にはまっておりますわ。殺陣も迫力あれば、立ち居振る舞い、台詞の言い回しも素敵でござります。
黒沢を思い起こさせる血のとび具合が気持ちいいくらいなのですが、噂のラストのチャンバラは、小林正樹的でしたかね。その最後の部分にエネルギーを使うためか、もうちょっとチャンバラが見たかった。
藤沢を身に行かれる方の大部分は、チャンバラが見たくて行くんですよね。最後にいっぱいあるからいいでしょ!じゃなくて、時折入れないと。話の流れを見せつつ、剣客の腕を披露して行かないと、最後に至るカタルシスが弱くなってしまいます。
でも、日本の役者さんたちもなかなかやりますね。さまになってる。(素人目ですが・・)なにはともあれ、時代劇がこうやって作られるのはいいことだと思います。
さて、わが故郷の映像ですが、それほど「あ!ここだ」というビューはなかったのですが、最後の稲刈りのシーン。あの田んぼは庄内映画村に作られたセットの田んぼでしたが、「座頭市」で田植えをしていた田んぼでござりました。
ちゃんとあの田植えをしたイネは、こうやって実をつけたということで、よかった、よかった。
◎◎◎○
「必死剣 鳥刺し」
監督 平山秀幸
出演 豊川悦司 池脇千鶴 吉川晃司 戸田菜穂 村上淳 関めぐみ 小日向文世 岸部一徳
今回はお殿様の側室が、権勢を鼻にかけて、政治の場にしゃしゃり出てきて、わがままし放題でお殿様を牛耳っている。
みな、頭を抱えているのだが、そんなお殿様に物申せるのは御別家の帯谷隼人正。歯に衣着せぬ物言いで、お殿様に進言するのだが、凡庸で、側室連子にべたぼれでとんと聞く耳を持たない。
過酷な年貢取りで、百姓一揆まで起こりそうになり、犠牲者まで出るが、どうしようもない。
そんなときに、これも藩の財政をひっ迫させる原因となっていた能を見終わった後、一人の侍が、連子を刺し殺す。殿の愛妾を!!もちろん、打ち首覚悟での行動だったが、なんと仕打ちは1年の閉門、お役御免、蟄居と、命が助かる。
この男、物見頭取・兼見三左衛門。藩の中でも一二を争う剣客だった。しかし、妻を病気で亡くし、子供もいない。後顧の憂いなく、命をかけての訴えだったが、なぜか命を助けられる。
そこには、兼見の腕をいいように使おうと、画策していた陰謀が隠されていた・・・。
ということで、お話は藩のいざこざに巻き込まれた・・・というより、今回は自ら火中に飛び込んで行ったお侍の心意気、でしょうか。
藤沢作品の場合、見事にいい役と悪い役がはっきりしていて、すぐにわかるのですが、そのわかりやすい構図と、ちょうど2時間くらいで収まる問題提起と葛藤と最後の始末のバランスがいいんでしょうね。
まだまだネタは尽きないようで、これからも藤沢作品の映画化は続くようですが、ちょっと時間をおいてもいいような気もしますわ。ちょっと食傷気味。
山田洋次以外は、監督もばらばらで、ヒロイン、主役の剣客も毎度違うので、新味がありますが、なんだか区別がつかなくなってきたのも事実でございます。
が!今回の秀眉は吉川君でしょう!!かつて腰振りながら「モニカ~♪」なんて歌ってたなんて・・・・。まあ、あれはあれでよかったのですが、こういう時代劇に見事にはまっておりますわ。殺陣も迫力あれば、立ち居振る舞い、台詞の言い回しも素敵でござります。
黒沢を思い起こさせる血のとび具合が気持ちいいくらいなのですが、噂のラストのチャンバラは、小林正樹的でしたかね。その最後の部分にエネルギーを使うためか、もうちょっとチャンバラが見たかった。
藤沢を身に行かれる方の大部分は、チャンバラが見たくて行くんですよね。最後にいっぱいあるからいいでしょ!じゃなくて、時折入れないと。話の流れを見せつつ、剣客の腕を披露して行かないと、最後に至るカタルシスが弱くなってしまいます。
でも、日本の役者さんたちもなかなかやりますね。さまになってる。(素人目ですが・・)なにはともあれ、時代劇がこうやって作られるのはいいことだと思います。
さて、わが故郷の映像ですが、それほど「あ!ここだ」というビューはなかったのですが、最後の稲刈りのシーン。あの田んぼは庄内映画村に作られたセットの田んぼでしたが、「座頭市」で田植えをしていた田んぼでござりました。
ちゃんとあの田植えをしたイネは、こうやって実をつけたということで、よかった、よかった。
◎◎◎○
「必死剣 鳥刺し」
監督 平山秀幸
出演 豊川悦司 池脇千鶴 吉川晃司 戸田菜穂 村上淳 関めぐみ 小日向文世 岸部一徳
モニカよかったですねぇ。最初一瞬誰だか解らなくて。もちろん昔からカッコよかったですけど、渋みが増しました。
個人的にヒットは岸部さん。あの点と線で出来た目!時代劇でも現代劇でも嫌なやつやらせたら日本一じゃないでしょうか。
あまり気持ちのいいもんじゃありませんが。
さすがに首はありませんでしたが。
サリーは(古!)いうに及ばずですが、吉川君、いいですよね。
まさかあの吉川君が、こんないい役者になるとは、思いもしませんでしたが、こういうのに出るたび株が上がりますわ。
レディージョーカーとか、バチスタとか、作品はダメダメでしたけど吉川さんはすごく良かったので、これから見るのを楽しみにしております。
前売り券はあるんですけれどね。
ちなみに、田んぼのお米は、1年かけて実際に収穫したんだそうです。けれど農地法にひっかかるから食べてはいけないんだそうで、廃棄処分にされたと、ガイドさんが言っていました。
もったいな~い。
最近の吉川さんはこういう渋い役が似合いますよね。
ダンディというか、クールガイというか。
なかなか日本人にいないタイプかな。
主演の豊川さんもこういうストイックな侍がぴったりしていました。
いままでいくつか藤沢作品の映画化を観ましたが、なにか現代にも通じるシンパシーを感じてしまいます。
いつもありがとう
私にとってトヨエツは、現代劇のイメージが強くて、それに昔の時代劇俳優のように本格的な殺陣が出来ないのも今ひとつでした。その点、吉川くんは凄い迫力と存在感でした。「モニカ~♪」いゃ~懐かしいですね。その歌結構好きでした。お互い年がバレますね。(笑)
三池監督の「天国から来た男たち」(題名は定かではない)の吉川君が最高でしたわ。
映画村のお米、そう言ってましたね。
私も映画村に行ったときに、ガイドさんにお聞きしました。勿体ない話です。
今も昔も相通じる矛盾を突きつつ、でも一番見せたいのは、チャンバラなんですよね、多分。
本で字面で読んでも、チャンバラのシーンはわくわくします。
監督さんたちは、ぜひそこをわかって作ってもらいたいです。
吉川君、いいですよね。メキメキいいです。
でも、やっぱり吉川くんですね。
昔の・・・あれからは、想像もつかないほどの転身ぶりですね。
いい感じでした。
いやー、ハードボイルドでしたね~。人畜無害中年は、血飛沫ピューに参りました。原作では想像だけですが、これだけ生々しくなると、ちょいとご遠慮申し上げたい気もいたします。
城内の事件の後始末を考えると、里尾さんは田舎に引っ込んで正解でしたね。でないと、バカ殿さんは子供まで殺しそうです(^o^)/
でも、わかりますわ、その気持ち。
あの血しぶきは、結構なもんでしたね。ヘタするとスプラッター系に行きそうなほどでしたが。
「椿三十郎」が、血しぶきのフロンティアだと思いますが、あたしもあまり好みじゃないです・・。
里尾さんが引っ込んだところの撮影の場所を見てきました。「座頭市」とかぶってましたが、なんだか釈然としない物語でしたね。