迷宮映画館

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ソニー

2004年07月12日 | さ行 外国映画
1981年、ニューオーリンズの歓楽街。軍服に身を包んだソニーが帰ってきた。伝説の男『ソニー』。母親に仕込まれた男娼の手管は天下一品。子供の時から、その存在は伝説になっていた。でも、そんな人生に区切りをつけたかったのも事実。自分にも違う人生があるんじゃないかと手探り状態だった。

堅気になろうと軍時代の友人のコネで普通の仕事につこうとしたが、うまくいかない。普通って何なんだ。堅気って何なんだ。俺たちヤクザもんとかわりないじゃないか。自分が必要とされているところに帰ってきたソニーは、自らの道を歩みつつも、葛藤する。

伝説の男娼『ソニー』に扮するのは、ジェームス・フランコ。ものすごいハンサム!と言うわけじゃないんだけど、目が離せない男。はにかんだような、影を感じる寂しげな目つきに、おばさんはもういちころです。母性本能をくすぐるという言葉は彼のためにあるものかもしれません。そうさせる何かがある、彼をこういう役柄にしようと思ったニコラス・ケイジの遊び心が憎いです。

娼婦という商売があるんなら、男娼があったっていいやな。古きよき時代を想わせるといっても、たかだか20年ほど前のこと。エイズの前兆なんかも出てきたりして、そろそろフリーセックスのつけが回ってきたということを印象付けているような気もします。老練の手管!と言う映画ではもちろんない。荒削りだけど、一つ一つの場面をとっても大事に撮った優しい映画に感じました。びしっと決めてくれるのはブレンダ・ブレッシンとハリーおじさんにつきます。男の方がこの映画を見るとどう思うのかはおいておいて、おばさんのハートをわしづかみでございます。

堅気という言葉の英語が「スクエア」だったように聞きとったんだけど、へーー。

『ソニー』

原題「Sonny」 
監督・製作 ニコラス・ケイジ 
出演 ジェームズ・フランコ ミーナ・スヴァーリ ブレンダ・ブレッシン ハリー・ディーン・スタントン 2002年 アメリカ作品


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
いやぁ~ (miyu)
2009-07-30 20:32:01
あたしもフランコにイチコロでしたよ~。
ってか、「ミルク」で彼に惚れてしまいましたからね~。
これも良かったです。
なんか諦めが入った笑顔にはやられちゃいました。
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>miyuさま (sakurai)
2009-07-31 08:36:05
まだ青いフランコ君、素敵でしたね。
あの情けない目で見つめられたい!!と思いましたもん。
ニコラス監督の手腕もなかなか。
もっと撮ればいいのにね。
出てる方が楽か・・。
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