さいかち亭雑記

短歌を中心に文芸、その他

美志二〇号

2018年08月10日 | お知らせ
 短歌研究誌「美志」の二〇号ができた。ほしい人は私のところに何冊かまだあるので言ってください。今号はいつものメンバーのほか、若手歌人二名に詠草をお願いした。知る人ぞ知る若手の西巻真さんと、新設の「未来」紀野恵欄でスタートをきった左久間瑠音さんである。ほかに渡辺良さんの「金井秋彦さいごの歌」や、江田浩司さんの先に物故された合田千鶴を追悼する文章、それから追悼詩がのっている。私も西城秀樹を追悼する詩を載せたので、一冊が何となく死者についての話題で占められてしまった。

そのほかに武藤雅治さんに「良寛像覚書ー「世の中」としての草庵」という文章を寄稿していただいた。江田さんはほかに「山中智恵子の破調の歌と非規範意識に注目して。そのⅢ」で、富士谷御杖の「言霊倒語説」と山中短歌の関係に触れている。嵯峨直樹さんは作品九首をのせた。

合田さんの二冊めの歌集を依頼されてまとめられたのは江田さんであるが、発行に至っていない。娘さんとの連絡がつかないという話も聞いた。費用に問題があるなら、いま流行のクラウド・ファンディングをよびかけたらどうだろう。合田さんはオランダ在住だったし、漆の関係でオランダ人やイギリス人の知人が多い。

私は「近世と近代をつなぐもの」という文章を載せた。これは、十年ほど前に書いた論文を書き直したものである。香川景樹と中村憲吉と尾上柴舟の歌について論じている。

ついでに。拙著『香川景樹と近代歌人』の紙媒体として作った本は、藤沢のジュンク堂にだけ置いてあつたが、ひきあげたので、ほしい人は直接私までお申し込みください。あとは、「桂園遺稿」の日記の一部の訳をはじめたのだが、みごとに挫折したので報告しておきます。


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