磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

人間叢書135 海と魚と原子力発電所-漁民の海・科学者の海-

2008年04月30日 | 読書日記など
『人間叢書135 海と魚と原子力発電所-漁民の海・科学者の海-』
   水口憲哉・著/農山漁村文化協会1989年

読売新聞と科技庁の関係が取り上げられていました。また、原発関連産業の石川島播磨のことも書かれてありました。



電気も大切だろうが、命を支える農業や漁業の軽視にはあきれるばかりですね。下「」引用。

「「原発が国策ならブリを獲るのも立派な国益でしょうが」と問うたのは、豊北(ほうほく)の漁民である。」


やはり、原発が作られたら繁栄しないという。下「」引用。

「漁があれば、人が集まり村落がてぎる。浜関根は、そのようにして今大きくなりつつある漁村である。いっぽう、軍事施設や核関連施設は人をよせつけない。その結果、猿ケ森の元漁業組合長のつぶやきのように、「何かできれば、働く場ができ人が集まって栄えると思ったら、そうではなかった」ということになる。」

この映画もみたいのですが、たぶんみれないと思います。下「」引用。

「映画『海盗り』を見ていると、原発や火発をつくらせいで一○年、二○年暮らし続けている各地の農や漁の方々の顔が次々と思い出される。どこにでもいる筋を通す人。当り前のことをやっているうちに世の中は見えてくるし、踏みつけにされ、横暴に対する意地もできてくる。漁について言えば、確実に、他に対してやさしい漁をやり続ける人。これは、漁場破壊を許さず、乱獲せず、という沿岸漁業の本質に通じる。」

石川島播磨が結局は大儲けしているようです。下「」引用。

「大型人工魚礁のトップメーカーは、石川島播磨という軍需産業でもあり、ここは原発でも一番のメーカーですね。そこで、原発建設に伴う漁業補償の使われ方が問題になってくる。つまり、いわゆる漁業振興として始めから使い道が人工魚礁などに指定されて支払われるようになると、結局漁民は単なる還流装置になってしまい、電力会社から出た金が漁民を通ってまた石川島播磨に還るという構造ができてしまう。こういうことがあまりに知らされていない。そういうことを知らせる作業というのはもっともっとやる必要がある。」

そうお願いしたものですね……。

科技庁と「読売新聞」の関係。下「」引用。

「(1) 九月三十日付の『読売新聞』は、一面トップで、二五年前から一五年間にわたって行われた千葉県館山沖の海洋投棄と称せられるものが、実は相模湾や駿河湾も投棄場所になっていたと報じた。これは、筆者ら原子力資料情報室会員の調査でズサンな内容が明らかになり、公表、追究されそうになったので、科技庁があわてて自ら『読売』にだけ情報を流したのである。その後、吉田正雄参議院議員の文書質問どにより科技庁原子力安全局は表1および図2を示すような内容を公表した。-略-」

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第五福竜丸事件も読売のスクープでしたね。

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そして、第五福竜丸だけが被害にあったような印象を与えました……。

しかし、他の漁船も被害を受けていたのです。

もうひとつのビキニ実験  1000隻をこえる被災船を追う

人を人と認めれば原発は動かせないと書かれありました。

やはり、「公害と原発のあるところに民主主義はない」という言葉が正しいようにボクには思えます。

漁業などで被害にあっていることを伝えるのは難しいことだそうです……。








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index 男が女de女が男 その2

2008年04月30日 | TOP【もくじ】
その1 3 4 5 6 中目次


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男が女de女が男
その2



081 戦争というシステムと男女

082 よく見たら、先輩

083 サボテン男!小一郎

084 もっとも女らしい角刈り!

085 つまりヘビ・メタ

086 人は文化の奴隷か?

087 学問!?

四、女とは? 男とは?

088 男くさい?

089 遺伝子解析

090 カルト教団だけとは限らない

091 マインド・ウイルス

092 納豆は納豆だった!

093 性転換する魚!

094 生命の神秘、性とは生き残り戦略

095 無駄な戦い!

096 敵に塩をおくる……

097 コーヒーでも

098 父の細腕!?

099 私らしく生きたいと強く思う!

100 笑っちゃうわあ

101 空気女サッチャー!

102 皇帝もスカート!

103 茜も歌舞く!

五、テレビ・激突!

104 シャレトル!

105 女の豪快ビール!

106 どうせ、バラエティー・ショー!

107 やらせのないトーク番組!?

108 無責任政府、無責任閣僚、無責任官僚、無責任番組!

109 ナチスってのは…

110 「何だ、馬鹿野郎!」

111 お笑いファシズム

112 良い悪いより、酔い悪い

113 こびこび番組

114 戦中よりも俗悪!

115 単細胞もいいとこ!

116 日本のセレブ!?

117 自分勝手な心の病!?

118 国境をこえるのは愛!
(暴力は愛を破壊する!)


119 死神ノート!

120 死神ゲーム

121 人間やめますか?

122 道路いのち!

123 お上がすれば!

124 仕組まれた差別

125 統計と要素

126 デス・コメンター

127 ドイツでは経済としても

128  I Want to Break Free

129 足のきれいな宏ちゃん!

130 ごめんちゃいね!

131 日銀しゃぶしゃぶ!

132 いい加減体制とCIA

133 日本だけじゃなく国連も!

134 ハゲタカ大統領

135 イラク戦争

136 差別はどちらも傷つける……

137 女にこそ!

138 原発推進と石油高騰と新エネルギー1

139 原発推進と石油高騰と新エネルギー2

140 原発推進と石油高騰と新エネルギー3

141 原発推進と石油高騰と新エネルギー4

142 原発推進と石油高騰と新エネルギー5

143 早瀬夫婦

144 喘息

145 手に汗にぎる

146 家族らしい家族

147 子供のころ、小さな手

148 やすらぎは……

149 責任感と意固地

150 全快祝いをしようね!

151 理屈よりも……

152 家族とは……

153 啓蒙主義=差別主義!?

154 男のくせに!

155 四文字熟語!?

156 それも文明の違いだけだろうに……。

157 宝塚と白岩刑事

158 あの日の屈辱

159 盗聴には盗聴

160 オカネスキー、嘘つかない!

















『核時代の国際政治』&『新版……』

2008年04月30日 | 読書日記など


この本は二冊とも、いろいろな「雑誌」や「新聞」からの記事を集めたものであるらしい。
新版では、「岩波講座」からの記事もある……。

『核時代の国際政治』
   坂本義和・著/岩波書店1967年、1969年4刷

勝てば官軍という、この世界システムでは、戦争をやった方が得であると思う輩が出てもしょうがないのではないか? しっかりした国際法をまず作ってもらいたい。

「パリの屈辱」も裏があったという。下「」引用。

「だがフルシチョフをこれ程までに硬化させ、アイク自身をこれ程までに窮地に追い込んだのは、ほかならぬアメリカの政府であった。だがアメリカ政府や国民の大多数には、問題は決してこのように映らず、それは何よりも「パリの屈辱」として把えられているようである。元来首脳会議をブチこわすつもりであった老獪なフルシチョフは、些細なU2型機事件を不当に誇張してフルに利用し、パリで善良なアイクに対し、耐えられぬような侮辱を加えた、というわけである。」

相手の国のマスコミがどう伝えているかなども、国際政治に関わるものは伝えていただきたいものですね。

「平和共存」をすれば、現状維持ではなくなるという。
戦争をしないということでは、現状維持だが、福祉などにそのお金が使われたら、社会は変革されるだろうという……。

逆から考えれば、戦争を企む人たちが、福祉などのお金を奪っているのではないか?
--その人たちが多くを苦しめ、多くを殺しているともいえるのではないか?

フルシチョフの方が精神的優位に立っていたようだ。下「」引用。

「例えばフルシチョフは八月七日の演説の中で、かつて独ソ戦の緒戦の頃、ソ連軍の敗色が余りに濃いために「もはや万事窮す」と思い込んでフルシチョフの眼前でピストル自殺をした一将軍の例を引いて、今日の「西側では一部の連中が冷静さと自制力を失いつつある」こと、彼らがいう戦争という「自殺行為に出れば数百万の民衆の死を伴うであろう」ことを警告し、西側が「理性」を堅持するように呼びかけている。」



『新版 核時代の国際政治」
    坂本義和・著/岩波書店1982年

--勢力均衡というけれど、戦争を振り返れば、弱者といわれるものが勝った場合もあるというような文章があっても、それは油断していた時のみに効果があったろうとボクは思う……。しかし、勢力均衡も机上の論理であるから、現実に手堅くいきたいと、お互いに武器をより多く持ちたがるものだろうと読んでいて感想が思い付いた……。

スターリン主義者や共産主義者は平和主義者とは100%言えないとボクは思う。下「」引用。

「ソ連の「スターリン主義者」や中国共産党の立場からすれば、帝国主義が存在する限り戦争の必然性は残存するのであるから、帝国主義が死滅してはじめて平和も全面軍縮も可能になるのである。」

杉並の主婦の運動についても書かれてありました。下「」引用。

「一九五四年以降の原水爆禁止運動もまた、日本の平和運動の上で画期的な盛上りであったばかりでなく、東京杉並の一角ではじまったこの運動が、世界の核兵器禁止運動のさきがけをなすものであることは周知の通りである。」

杉並の女性史 --明日への水脈--

政治は首脳のやりとりだけではないとも思った。

民主主義なら当然のことだろう……。









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原子炉解体 安全な退役のために

2008年04月30日 | 読書日記など
『原子炉解体 安全な退役のために』
   石川迪夫(編著)/小崎完、立花光夫、
     柳原敏(著)/講談社1993年

この本は、あくまでも原発推進派の人が書いた本にボクには思えます。どうも、理解できない部分がおおいし、すり替えていると思います……。素人のボクですが、そう思います。さすが、専門家! というところはほとんどありませんでした。



blogではこの著者に厳しい指摘がされています。
くわしくはここをクリックしてください。

帯にはこう書かれてあります。下「」引用。

「日本の第一号原子炉(JPDR)
廃炉からの現場から。
その解体作業の全報告。」

そもそも、全報告が一冊ですむわけがありませんね……。

表紙の裏にかかれてあります。下「」引用。

「「原子力発電も良いけれど、寿命の尽きた原子炉は一体どうなるのだろう」……
世界を眺めてみると、今日まで運転されてきた四○○基あまりの原子力発電所の中で、二○○○年には、世界で六○基の発電炉と二五○基の研究炉がその耐用年数が迎えることになるという。若い先端技術の代名詞であった原子力発電所も、いつの間にかその第一世代の発電所は老朽化し、廃炉の時代を迎えるまでになっているのである。……
つい数年前までは、廃炉を計画的に行なった実例がなかったので「技術の発達した今日、路地がゴーストタウンになることはないでしょう」と答えるのが、技術者として言える精一杯の限度であった。だが今は違う。胸を張って「放射能を除去して、跡地を再利用することができます」と言いきれる。(本書「はじめに」より)」

大本営発令という感じでしかないようにしかボクには受け取れなかった。

胸を張る必要なんかないと思う……。

それより、きちんと科学的に書いておいてほしかった……。


「1.2 廃炉ブームの到来」とは、もう発想もバブルですか?

癌になる確率は推進派の人たちというのと、反対派の人では違う……。下「」引用。

「ちなみに、数ミリシーベルト程度の被ばくによって癌が誘発され死にいたる率は、一万人に数人いるかいないかという程度のものと考えられている。もともとなにもなくても、四人に一人は癌により死にいたることを考えると、われわれの社会に対する放射線の影響は十分低いといわれている。」

解体については、他の部門とそう違わないと思いました……。
--爆薬も使うという。下「」引用。

「筆者も初めてこの報告を聞いた時には疑ってかかったのであるが、火薬工場で実物試験に立ち合っておのれの不明を恥じたものである。」

レトリックが感情的で、科学の専門家とは思えない。


量が少ないと安全なのか? 下「」引用。

「一人あたりに換算すると、年間に生じる低レベル廃棄物の量は約二○○○ミリリットル程度となる。これは家庭から出るゴミの体積のわずか二千分の一である。」

費用もどんぶり勘定……。下「」引用。

「シッピングポート発電所の解体費用は約九一○○万ドル(約一二○億円)で、JPDRの廃炉工事に必要とした費用は解体機器の開発費用等も含めて約二○○億円であるから、ほぼ同じ予算である。」

廃炉にも大金が必要……。下「」引用。

「原子力発電所の建設費用が三○○○億円とすると廃炉費用は三○○~六○○億円となる。」

汚染された物質の問題などは書かれていなかった。市中にこれらの汚染された物質が、リサイクルされることを心配する人もいる……。

素人としては、これほど差があるのに驚く。

しかし、これまでのことから、反対派が正確なのだろうと、やはり思う……。

●1章「廃炉の解体が招く『スソ切り』」









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消霧燈-中山士朗短編集-

2008年04月30日 | 読書日記など
『消霧燈-中山士朗短編集-』
   中山士朗・著/三交社1975年

原爆の文学作品にも、いろいろありますね。いろいろな批判もあります。それぞれの立場もあろうことかと思います。しかし、中山士朗さんでも、出版されるのは大変だったようです。でも、イデオロギー関連の人たちは、何度も同じことを繰り返しているのは出版されていたというのに……。



■目 次■
雲の翳り  5
消霧燈  54
蝉  99
坂の多い町で 140
潮干潟  171


「あとがき」に書かれています。下「」引用。

「この短編集は、私にとって二冊目の創作集になる。
 昭和四十三年に南北社から「死の影」を上梓してから以来、六年の歳月が経過したが、その間に私の欠いたものはすべて原子爆弾に遭遇していった人や生き残った人たちのことばかりであった。あたかも満潮時にさしかかった川の流れが源に遡ろうとするように、私の気持は常にあの日に還っていった。広島は、現在も私の内部で燃えさかっている。私は、その炎に向かって歩行をつづけている帰郷者なのかもしれない。」

ヒロシマを故郷にしても、それぞれだとは思いますが、これが中山さんだったのでしょうね。

「蝉」は『早稲田文学 1971年9月号(3巻9号)』に、「消霧燈」、「坂の多い町で」、「潮干潟」は『文学者』に掲載され、「雲の翳り」は『審美』に掲載されたという。

この著者は純文学といっていいかと思うのですが、志賀直哉を模範にされたような小説です。






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