あかねさんシリーズ002 男が女de女が男 130 ごめんちゃいね! 「宏ちゃん、ありがとう。本当に、あきれたもんです!」 小見屋は、ポールペンをかんかんと机にぶつけておこっている。八女宏はいう。 「そんなにおこらないで下さい」 「はは、また視聴者から苦情がきますね。ごめんちゃいね!」 お笑い芸人と組んだこともあるニュースキャスター。 でも、こんなノリではいつか、大変なことになるだろう……。 小見屋悦子にはあきれたものだ。しかし、権力に対して精神的に癒着している大手マスコミのほとんどのニュースキャスターと異なり、庶民には人気がある……。 こんな仕事ぶりで何億もかせいでいられたら、だれも年金問題なんか気にしなくってもいい。 この女も、弱者のことなど本気で考えていない。 だれど、繰り返すが、権力と癒着していな珍しいマスコミ人なので人気がある。 オカネスキーが話す。 「この小見屋さん、他のキャスターよりはきちんと主張するから、人気があるんす! ときどき、脱線するけど、そこがまた人気の秘訣! 人間らしいってわけでありんす。完璧な人間なんて嫌われるものでごじゃります……。ここのお嬢様のようにでありんす!」 「茜が?」 「ええ、そうよ。完璧に近いお方でごじゃります……」 「そうなの、知らなかったわ」 だから、わたしのこと、その茜と思って、みんながわたしのことを白い目で見たのよね、きっと。 「あなたのように、ざっくばらんだと、みんなに好かれることでありんす! こちらの茜さんは、融通がきかないところが困ったものなのでごじゃります。長所が短所になるってことはよくあることでごじゃりますけど……」 「そうかしら、わたし、そうでもないわ」 茜は下をむいた。それをみたオカネスキーはいう。 「世の中って、むつかいしもの。そんなに簡単にはいかないものでありんす。でも、わたしたちって、きっと相性がいいのよね、価値観が似ているからじゃないかしら……」 そう世の中って、複雑でわからないし、意外に単純であったり、なかなか思うようにはいかないものだと茜は思う。でも、オカネスキーとは気が確かにあう。
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