あかねさんシリーズ002 男が女de女が男 115 単細胞もいいとこ! 「いつの時代も予期しないことはおこるでしょう」 但馬はしみじみという。 だが、鱒添は負けていない。 「あの時にしても、この六千億円ってどこから出てきたのよ。まったくわからないわ。あんた、わかっているの?」 邦子はいう。 「で、但馬さん、それはわかっていますよね」 「わかりません。詳しい資料は公表されていません」 「それで、何で600億円よ! まったく、信じられないわ」 「本当、信じられないわ」 邦子は鱒添の口真似をする。 「経済の専門家である人たちが出した答えですよ。信頼は鱒添さんよりもずいぶんあります。本当、男は目先のことだけで、まったく気楽なもんだ」 と、但馬は言った。 「そうです。経済の専門家がいっているのですからね」 「馬鹿もほどほどにしてよ。税金を使うのよ。外国では、こんなときにきちんと情報を公開するものよ。日本にも知る権利っていうのがあるのよ、わかった?」 「まったく、男は困ったもんです。何でも、知りたがる」 討論のメンバーの竹上恵子が男らしくいった。 あの感じのいい竹上恵子が、この世界では冷酷な人間になっている。 「馬鹿なこというんじゃないわ? じゃ、あなたは知りたくないの」 「別に! 信用しています」 と、但馬はいう。 そういっていればいいなんて、本当に楽なことである。単細胞もいいとこ! そして、威張っていればいいのだから、まったく但馬は楽でいい! しかし、ブラウン管のむこうでは男性たちに嫌われている。 あるいは憎悪されている……。 「これは、このくらいにして、では次のテーマは男女平等についてです。これは、鱒添先生と但馬先生がそうとうやり合うでしょうな! テレビ・激突! スペシャル! ナハナハ、沖縄!」
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