あかねさんシリーズ002 男が女de女が男 112 良い悪いより、酔い悪い 「お笑い番組だったのですか?」 鱒添は真面目にきく。 「見てください、司会は山田、山田邦子よ」 笑い声は増す。 「な~んだ。それなら、こんな番組にでるんじゃなかったわ。討論番組だと思うから、出たのよ」 テレビを見ているオカネスキーは、「男だから、すぐそんな情けないことをいうのでありんす! きちんと負けないでやんなさいでありんす!」と、いかっている。 「お笑い番組なら、わたし、次週から出ないわよ」と鱒添。 邦子がおどろいている。 「はは、いいですねえ~。来週から平和になる」 但馬は笑っている。 「じゃ、決めた。わたし、この番組、やめた。わたし大学教授なんですよ。お笑いやっているほど、余裕はないわ。研究したいこともたくさんあるのよ」 邦子は右肩の方に首をかたむけ、何度も肩を上げ下げする。 これは邦子が困ったときの仕草なのだ。 テレビカメラの後ろではディレクターがいう。 「鱒添さんで、視聴率が高いんだぞ。何を考えているんだ! 降ろすなら、但馬、但馬にしろ、但馬のかわりなら、いっぱいいるぞ。いばっていればいいんだからなあー!」 それを聞いた邦子はいう。 「ええっと、ディレクターから、鱒添さんには番組に出てほしい。但馬はいらないと言ってます。えっ!但馬は鱒添のおまけにしかすぎない。何と大胆な発言でしょうか」 こんなことまで、放送しているわ、茜はおどろいた。 「そうよね。こんな石頭、いっぱいどこにも、掃いて捨てるほどいるわ」 鱒添は勝ち誇っている。 「何をいっているんだ! これだから、テレビはおかしいと言われるんだ」 但馬はいった。 「それだから、われわれもテレビに出ているわけです」 邦子は頭を自らの右手で叩いて、にこっと笑う。 「そうだよ、そのとおり~だよ、ナハナハ沖縄!」 と、テレビの前の邦子ファン。 ものごとの良い悪いなど考えられずに、酒に呑まれて酔い悪い……。 暴力的な人たち……。フェシスト尺度のたかい人たちが好まれる社会。 全員そんな感じだと茜は思う。 そんな社会が平和をめざしているわけがない。 ひどい社会だわーと茜は思う。こんな社会、どんどんひどくなるわよ。
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