あかねさんシリーズ002 男が女de女が男 121 人間やめますか? コマーシャルは神鳥のような女性が岩場を素手で登っていく。 そして、栄養ドリンクを飲んで「ガッツ! ビンビン」と叫んでいる。 そうよね、この世界では、これが女性らしさなのよ。 神鳥がこの世界に来たら、もっとも女性らしい女性っていわれたりして、もしかしたら、ミス・ユニバースだってなれるかもしれないと茜は思う。 テレビの邦子。 「また来週、テレビ・激突! 茶の間でゴッツン! よろしくね」 テーブルでわざらしく、頭を打っている。 また、笑い声をミキシング。 テレビを消して、オカネスキーはいう。 「鱒添さんは、正論を吐いているけれど、やっぱり、若い男の子たちは、彼女の意見を尊重しないでそうらわめ!」 「どうしてなの」 と、茜はオカネスキーにきく。 「あら、男のわたしの口から言えっていうのでありんすか?」 茜は男と女を逆にして現実の世界のことを考えた。 「わかった。鱒添さんの意見にしたがったら、素敵な彼氏ができない」 「それはあなたの世界ね。入れ替えたら、そのとおりでありゃしゃんせ!」 「やだね」 「でも、男は幸せな結婚を望むものでありんす。でも、それで果して幸せになるのかって思ったら、わたしにはわからないでありんす!」 「そうね。幸せになる人もいると思うけどもね……」 でも、女の人の言いなりになって、お人形みたいな人より、鱒添先生の方がとっても人間らしい気がする。 「でも、最近のテレビで見たでありんす。デート“DV”でありゃしゃんせ。まったく怖いでありんす!」 「あのテレビの女性陣たちも暴力がいいみたいな感じだったわね」 「それが女性らしさと思っているのでありんす。女性である前に、一人の人間でありゃしゃんせ。人間やめますか? バイオレンス続けますか? でありしゃんせ!」 「そうね。バイオレンスを好む感じの人たちばかりで、とても民主主義とは思えない女性たちだったわねえー」
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