ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

私にとっての苦悩

2010-07-22 20:13:16 | Weblog
今日は、夕方の降水確率が30%あったので、
大事をとって梅干しを干さずに出掛けた。
結果として、雨は降らなかったけど、
日中、仕事に集中できたので、それはそれでよかったと思う。

私にとって、梅干しは「神」だ。
小学生から高校生までの約10年間、母と一緒に毎年つくった。
その後、約20年間はそんな余裕がなく、今年はじめて1人でトライしたのだけど、
明らかに20年前より、気温があがったと実感した。
梅干しが、ひからびすぎる。

次第にいろいろなことを思い出した。
梅干しを作る過程で、母からいろんなことを教わった。
漬け物のこと、気候のこと、そして、効率よく丁寧に行うコツ、そういったことを教えてもらった。
それに、毎年ちょっとずつ気候は違う。
なかなか梅雨明けしない年もあれば、暑いだけでお日様が出ない年もあった。
毎年少しずつ工夫をしながら、どんどん塩分を下げていった。
ある年は、塩分を下げすぎて、カビが生えてしまった。
カビを見つけたときの母の悲痛な叫びをいまでも覚えている。

そして、働きながらだと、私が最低限、梅干しにやりたいこともできないことがわかった。
だから、やはり仕事をしているうちは、梅干しをあきらめようと思う。
仕事中も、天気が気になってしょうがないし、二兎を追うものは一兎を得ず、だ。
母の声が聞こえてきた。

でもなんで、たった1週間ちょっとだけ、
梅雨が明けた直後の1週間だけ、
日中、梅干しと一緒にいることがゆるされないんだろう!
せめて母がまだ生きていれば、
むかしの智慧ももっと引き継げただろうし、それにいまも協力できただろう。
でも、一人暮らしだと、仕事しながらだと、やはり厳しい。

帰り道、電車の中で、涙が出てきてしまった。
自己完結できることしかやらないようにしていると、できることは減っていく。
でも、自己完結できないことは、基本的にやるべきではない。
数は力なんだなあ、と、たまに感じる。

とりあえず5日間は干しているから、
今度の土曜日、もし晴れたら干すとしよう。
そのあとは、天気を見ながら陰干しだな。
やれることだけ、やってみよう。