ヒマヒマノキ ~歩いて、見て、楽しんで~

庭園・街の花、まつり・名所。いろいろな出会いを,その時々の想いを交えて、皆様にお届けします。

時には自然に身をゆだねることも~石神井川のソメイヨシノ~

2025-03-31 | 散歩

先日、学生時代の友人からパソコンに
メールが届きました。最近は友人との
間で、パソコンのメールでやり取りを
することはほとんどありませんので、
なんだろうかと、思いました。
    
彼が言うことには、「(私もよく知って
いる)同級生に、だいぶ前にパソコン
からメールしたが、返信がまったく
ない。何かあったかのかどうか。」との
こと。

   
そこで、「かつての友人・知人でも、
最近はパソコンメールを使う人が
少なくなり、スマホ・特にラインで
やり取りするという人のほうが多い。
中にはパソコンのメールを見ない
(開かない)という人もいる。
急ぐなら、直接電話するなりした
らどうか。」という意味合いの返信
をしました。

我々同級生の世代は、仕事でパソ
コンをよく使っていましたから、
その延長で、パソコンでのやりとり
を当たり前のようにしてきました。
しかし、時代はあっという間に
変化して、今やSNSのツールを
使うことが当たり前になってると
いうことを受け止めていないん
ですね。

受け入れていくか、これまでの
やり方を通すか、本人次第ですがー。

自然の流れ、四季の移ろいは変わり
ませんね。桜の開花は、東京はほぼ
平年並みです。
ちょうど日曜日は晴れ間がひろがり
ましたので、早速出かけてみました。
練馬高野台駅近くを流れる石神井川の、
川沿いのソメイヨシノです。








いつものように、橋から橋までぐるっと
一回りして元に戻るコースです。
5分から6分くらいの開花状況でしょうか。
ここは私は隠れた名所だと思っている
ところで、ゆったりと桜を楽しむことが
できます。




しばらく行きながら川岸の桜を撮り、
対岸の桜を撮る。そして桜の花を
見上げる。
そうしたことを繰り返しながらの
ぶらぶら歩きです。




















シートを広げて、グループで杯を交わす人。
階段に座ったり、壁にもたれかかって、
あるいは柵越しに桜を眺める人。
ご夫婦でしょうか、恋人同士でしょうか、
カルチャー仲間でしょうか、のんびり
と歩いています。人をかき分けて、
せかせか歩く人などいません。

  
自然は決して急いでいるわけでは
ありません。










川沿いの桜を楽しむ人は、いつの
まにか、誰もがそのゆったりした
流れに身を委ねています。思い思い
に楽しんでいます。
あまりにも私たちは、急ぎ過ぎて
いるのではないか、便利さを

追いかけているのではないか。
そんな思いがしてきました。








ふとあたりを見回せば、桜の脇で
花を開かせている木たちです。
ヒュウガミズキ、ベニバナトキワ
マンサク、ヒサカキなどなど。

少し短くなった春かもしれません
が、季節はゆっくりと進んでいま
した。

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時代を越えた旅になりました~東京インフィオラータ~

2025-03-26 | 散歩

東京では、3月から4月にかけて、
「東京インフィオラータ」という
イベントが行われています。
先日その会場の一つである港区
の「浄土宗:龍原寺」に行って
きました。

インフィオラータというのは、
「東京インフィオラータ」の
公式サイトに次のように
書かれています。

『インフィオラータとは、
イタリア語で『花をまく』と
いう意味の、400年以上続く
イベントです。
市民が教会までの道のりを
花や種子等で宗教画を描くもの
で、イタリアやスペインを中心
に世界各国で現在も盛大に行わ
れています。』

『日本でも2001年から約23年間、
市民アートイベントとしてイン
フィオラータを各地で開催し、
これまでに450箇所以上の場所で
作品を作り上げてきました。』

 
上の写真は「東京インフィオラータ
の公式サイト」からお借りしたもの
ですが、もともとは宗教的な行事な
んですね。それが今はアートとして
の側面も注目され、大きなイベント
になっているんですね。

さて、港区の龍原寺ですが、





1621年(元和7年)に創建され、
1665年(寛文5年)に当地に移転
したものだそうです。
境内のほとんどの建物は、江戸
末期に火災で焼失のため、再建
されたもののようです。




上の写真が「花絵」です。本堂の
前に、"一枚”制作されていました。
お釈迦様のお姿をデザインした
もので、ほのぼのとしたものを
感じさせます。
2m四方くらいで、さほど大きく
はありませんが、おそらく花びら
を集めるなどの作業は、かなり
大変だったことでしょう。

龍原寺のお庭を見てみました。









小さなお庭ですが、なかなかに
立派なお庭でした。

このあと、せっかくですので、すぐ
近くにある東京タワーによってみま
した。
  
東京タワーには、6年ほど前に行った
のが最後ですので、久しぶりです。





  

  

 


高さが150mあるというメインデッキ
にいって周囲を眺めると、高層ビルが
林立しています。改めて東京の都市化
の物凄い速さを思わずにはいられま
せん。

それにしても、海外からの観光客の
多いことに驚かされます。乗り合わ
せたエレベーターは、ほとんど外国
人で、ここは一体どこ、という感じ
でした。

     
今回は、江戸~昭和~令和と、
時代を超えた旅をした気分に
なりました。

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お気遣い、ありがとうございます~地域散歩をしながら~

2025-03-21 | 散歩

昨日のことです。いつもの
理髪店へ。理髪店にはいつも
バスで行きます。
乗車時間は4・5分程度です。

やってきたバスに乗りこむと、
車内は空いていて、皆座って
います。立っている人はいま
せんでした。
ただ、座れる席は後の方の席で、
ステップ(階段)を二段ほど
上がる必要があります。

そこで、後ろの席に行くのは
止めて、前で立つことにしました。
運転席のすぐ後ろには縦の柱
(ポール)があります。
杖を左手に持ち替えて、右手で
ポールをしっかり掴みました。
 
すると運転手さんが、私のほうを
振り向き、優しい声で、
「杖をお持ちですが、大丈夫ですか。」
「後ろのほうの席が空いていますが
 よろしいですか。」

それは、"転ばないようしっかり
掴まって”と、注意するのではなく、
心のこもった気遣いの言葉でした。

 
申し訳ない気もしましたが、
「大丈夫です。後ろの席は、階段が
苦手なんです。お気遣いありがとう
ございます。」
私の声を聞くと、運転手さんはバスを
ゆっくり発車させました。その運転は、
できるだけ体が振られないように、
気遣っているようでした。

随分とバスを利用していますが、
今回のような体験は初めてです。

降車のバス停にバスが停まった時、
運転手さんに、
「いろいろお気遣いをいただき
ありがとうございました」と、再度
感謝の言葉を伝えて、下車しました。

 
理髪店は、担当が顔なじみの理容師
さんになり、いつもどおりですねと、
テキパキ散髪。支払いを済ませ、私が
外に出ようとすると、ドアをさっと
開けてくれて、
「お気をつけてお帰り下さい」と一言。

「一言の贈り物」を、二度もいただい
日になりました。

さて今日はもうすっかり春の陽射し
です。昨日の出来事を思い出しながら、
また花を見ながら散歩です。




フキノトウ(蕗の薹)が顔を
出しています。


ツクシ(土筆)もあちらこちらに
見えています。




まるでお花畑です。
お世話している方が、「毎年ハナニラ
の球根を増やして、ここまでになった
んですよ。どうぞ撮ってください」
ありがとうございます。




シモクレン(紫木蓮)も満開です。




ユキヤナギ(雪柳)は真っ白です。


トサミズキ(土佐水木)の黄色い
花が青空に映えています。


ギブシ(木五倍子)の蕾が開き
かけています。


毎年ひっそりと咲く枝垂れ椿です。


ヒマラヤユキノシタ(ヒマラヤ雪の下)。
素敵な名前です。たくさん咲いています。


この桜は、大木の常緑樹の陰にあり、
しかもかなり高い位置に花をつけて
いるので、気づく人が少ないようです。
種類はよくわかりません。


早くも、ツツジが一輪の花をつけて
いました。ソメイヨシノの後の準備は、
とっくにできてますよと言わんばかり
です。

昨日の出来事を家人に話したところ、
「あなたね。頭はだいぶ白くなってるし、
手に杖だし。胸を張って歩いてるつもり
でしょうが、直ぐに背が丸くなる。
オットットットよ。あなたは大丈夫
のつもりでも、周りは心配してくだ
さっているのよ。」
そのとおりです。

歩ける幸せ。いつもかみしめています。

気遣ってくださった方々に、改めて感謝を
申しあげたいと思います。

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間の悪いことってあるもんです~地域散歩で~

2025-03-17 | 散歩

明日は病院で大腸検査です。
  
実際の検査の際は洗腸剤を飲まない
といけません。かなりの量を飲む
ので、疲れます。

   
というわけで、病院の検査とかち
あったということにして、今日の
通所リハをあらかじめキャンセル
していました。
休みにしたのはいいんですが、
ヒマです。それで、見頃になって
いるはずのハクモクレンを見に
いくことにしました。
       
ハクモクレンだけで良かったん
ですが、つい、あちこち花を
撮りながら目指す場所へ。
「これは見事!」とパチパチ
やりだしたところ、後ろから声がー。

    
「今日が病院じゃなかったんですか」
なんと今日行く予定だったリハ施設の
介護士さんがそこにー。
「今日はこれから勤務なの」
「アノソノ・・」。 
間の悪いことってあるもんです。






そのハクモクレン(白木蓮)です。
寒かった分、しっかり咲いています。
見頃の写真が撮れてよかったです。
ズル休みじゃないんですけど、
すみません。




こちらはハクモクレンから近い
ところにあるシモクレン(紫木蓮)
です。まだ少し早いようです。






前回蕾が開き始めたギンヨウアカシア
(ミモザ)です。今日はだいぶ花が
開いています。黄色の花が何とも言え
ません。




これもオトメツバキ(乙女椿)で
しょうか。今が時期なのか、前回
とは別のところでも咲いていました。


ウグイスカグラ(鴬神楽)も
だいぶ開き出しました。小さい花
なので、気づく人が少ないようです。


まだ背丈の低い木でしたので、今まで
気づきませんでした。マンサクです。




この紅白の花は、ハナモモ(花桃)
ではないでしょうか。






この濃い紅色の桜は、寒緋桜でしょう。
これが咲くと、ソメイヨシノの開花も
近いはずです。


花壇にも、花が増えてきています。
ヒメリュウキンカです。


ヒマラヤユキノシタです。

草木の花を見ていると、春本番
という感じですね。
ところで、介護リハですが、
サボったわけでは決してありま
せん。これからもしっかり取組み
ますから、厳しくしないで下さい!

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嬉しくて、泣いてしまいました~地域散歩をしながら~

2025-03-12 | 散歩

通所しているリハ施設で、室内に飾る
折り紙づくりを一年ほど手伝ったこと
があります。
その時「手伝って下さい」と言って
くれて、一緒に折り紙飾りをした
介護士さん(女性)が退職することに
なりました。

彼女のご主人はここ数年、海外赴任中
です。

少し前ですが、皆さんには言わない
ようにしていたんですがと、彼女は
こんな話をしてくれました。
それは、
彼女が病気で入院した時の
出来事でした。
       
「"面会の方がいらしてますよ”と言われ、
子どもかなと思って面会室に行ってみまし
た。何とそこに立っていたのは、すぐに
帰国できないと言っていた主人なんです。
そして会うなり、"よかった、元気そう
じゃないか”と言ってくれたんです。
もう嬉しくて、嬉しくて。泣いちゃい
ました。」

彼女はそう話しながら、目尻に
うっすらと涙を滲ませていました。
凄いサプライズです。どんなにか
嬉しかったことでしょう。
その出来事は、きっと、彼女の
一生の宝物でしょう。

人それぞれにいろんな人生がある。
そう思いながら、一昨日(10日)、
久しぶりの青空の下を地域散歩して
みました。

一週間ほど前、東京は雪が降り
ました。いったい今年の目まぐる
しい天気の変化はどうなっている
のか。でも春の花たちはしっかり
と咲いていました。






とある教会の庭の桜です。
これも河津桜なのでしょうか。
毎年咲いていたはずですが、
全く記憶にないのです。




これはオトメツバキ(乙女椿)と
いうのでしょうか。剪定された
枝に、八重のピンクの花をつけて
います。




ボケの紅い花は、待ちかねた
ように咲いています。




サンシュユ(山茱萸)の黄色い花
です。冬の終わりを告げる花と
言われているのだそうです。




このジンチョウゲ(沈丁花)の花は、
何と終わりかけです。寒い中でも
咲いていたんですね。
直ぐ近くのお宅のジンチョウゲは
まだ蕾というのに、不思議です。

蕾が膨らみかけている木もあります。
一部の蕾が開き始めています。
もうすぐ春です。そうした予感を
持たせてくれる花たちです。






まずギンヨウアカシア(銀葉アカシヤ)
です。よくミモザと呼ばれていますが、
これがそうではないでしょうか。
ずっと蕾でしたが、いっきに咲きそう
です。




ハクモクレン(白木蓮)です。
ようやく蕾が膨らみ、この勢いですと、
樹全体が白い大きな花に包まれるのは
時間の問題でしょう。






トサミズキ(土佐水木)の花が開き
始めています。花が咲くにつれ、
房のように見えてくるはずです。




ユキヤナギ(雪柳)の白い花が開き
出しました。あっというまに木全体が
白い花に覆われ、文字通り雪のように
なるはずです。


私の好きなウグイスカグラ(鴬神楽)
の花です。まだまだ蕾は固そうですが、
一輪だけ花が開いています。
小さなピンクの花ですが、これが
たくさん開くころには、すっかり春の
陽気になっているはずです。

思わぬ時期に思わぬ花を見ることが
あります。でも確実に季節は巡って
いきます。
振り返ってみれば、人生にもいろいろ
のことがあります。それぞれが出会う
それぞれの人生の出来事。

どなたのブログで紹介されていたか
忘れましたが、
「この街で」(作詞:新井満
作曲:新井満・三宮麻由子)を
思い出しました。
トワエモアさんとか、中島啓江さん
とか、いろいろな方が歌っています。

誰もが人生に幸せがありますように。

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凄い人出でした~三浦海岸駅周辺の河津桜~

2025-03-07 | まつり・イベント

先日のリハの時のことです。

送迎がいつも一緒の利用者さんと、
顔を合わせた途端、彼女から
「日曜日の夕方、バスに乗ってた
でしょ」。「乗ってましたけどー」
と返事。すると「席を譲って
もらったでしょ。私、奥の方に座っ
てたのよ」とくすくす笑ってます。

そうなんです、河津桜を見に行った
帰りです。バスに乗り込むと、席を
代わりましょうかと言ってくれた人が
いました。いつも譲ってもらえる時は、
遠慮せずに座らせてもらうようにして
います。

このとき、自分としては、さっと
機敏に、スマートに(あくまで個人の
感想です!)座ったつもりでした。
でも、疲れてましたし、傍から見たら、
よろよろ、どたっと座ったに違いあり
ません。

リハでは、スタッフさんから
「お若いですね」とヨイショされて、
そうか、俺って結構若いのかと、
密かに悦に入っていた私です。
現実はそうじゃなかった。
やっぱり年相応の動きだったんだ。
分かっていたつもりではありますが、
ガックシ。

さて今回は、その河津桜です。
 
京浜急行線(本線)は、神奈川の
三浦半島まで行っていますが、その
終点一つ前の三浦海岸駅周辺が河津桜
の名所になっています。20数年前に
駅前に河津桜が植えられたことを発端
に、以降、地域が連携して駅から1㌔
ほど先の公園とその線路沿いに植樹が
進められ、今では毎年多数の観光客が
訪れるようになっています。
(※上の駅舎の写真は、京浜急行の
 HPからお借りしました)






先日の日曜日は初夏を思わせる
ような気温となり、大変な人出
でした。駅前広場の河津桜は満開。
駅近くの食べ物屋さんは待つ人の
行列。












河津桜は、ソメイヨシノとは違って、
花は濃いピンク色をしています。
今年の開花は遅れましたが、例年です
と2月に入ると開花情報が聞かれる
早咲きの桜ですので、それだけ印象
深いのかもしれません。








駅前の花で十分楽しめたのですが、
河津桜のある公園まで1キロ弱くらい
です。それほど無理な距離でもないと
思い、思い切って歩いて行ってみる
ことにしました。
しかし、人出の状況を考えなかった
のが、誤算でした。途中から片側だけ
が歩道ということもあり、人並みは渋滞。
その結果公園まで30分以上かかりました。
もっとも、ゆっくりもまた良しです。
その分写真に収める時間が十分に
とれましたから。

     
     
     
河津桜の樹の下には、菜の花が
きれいに咲いていました。これも
地元の方々が、種をまいて育てた
ものなのだそうです。

帰路の電車の混雑を考えて、公園の
河津桜を見るのはパスしましたが、
それにしても見事な桜を堪能する
ことができた一日になりました。

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後世に伝えたい雛人形の歴史資料館 ~青梅津雲邸~

2025-03-03 | 美術館・博物館・記念館

各地で、ひなまつりのイベントが
行われています。
今年も青梅市にある「津雲邸」の
「雛まつ
り展」を見てきました。

津雲邸は、青梅出身で、衆議院議員
だった津雲國利氏(1893~1972)に
よって建てられた(1931(昭和6年)
~1940年(昭和15年))迎賓のための
建物で、現在歴史資料館になっています。
ちなみに建物は国の有形登録文化財です。


この津雲邸には、津雲氏によって収集
された
数百点に及ぶ有職雛(ゆうそく
びな)などの雛人形、
芥子雛(けしびな)、
雛道具、御所人形などがあります。

段飾りの雛人形は建物の2階に飾られて
いました。



厳密には二段構成で、一段目の有職雛
(男雛・女雛)は江戸後期につくられた
もの。有職雛とは、公家の風俗を忠実に
縮小した雛人形で、本来、公家の格式に
応じて特別につくらせたものだそうです。

二段目は、五楽人(ごがくにん)で、
篳篥(ひちりき)、横笛、笙(しょう)、
羯鼓(かっこ)、火焔太鼓(かえんだいこ)
の奏者五人で、雅楽を奏じています。
(注:五人囃子は主に関東の飾り方で、
能楽を奏じる。五楽人(ごがくにん)
は主に関西・特に京都の飾り方で、
雅楽を奏じる)

三段目~五段目は雛道具類です。
スタッフの方によると、現在の五段飾り
とは違い、当時はお雛様と楽人のほか
飾り方に決まりはなかったのだそうです。
次第に豪華さを競うようになって現在の
ような段飾りになったのだそうです。

ちなみに、この津雲邸と同じ飾りの
雛人形は、国立歴史民俗博物館(千葉県
佐倉市)にもあり、皇女和宮様(江戸
末期に徳川家に降嫁)がお持ちになって
いたものだ
そうです。


雛人形の始まりは「紙雛(立雛)」で、
子どもの
病気や災厄を祓い無事の成長を
祈るもの。それが今のような形になって
きたわけですね。






他にも有職雛の人形が飾られており、
この中には三人官女の人形もあります。


上の有職雛は、稚児仕立ての一種の
代わり雛で、富裕な女性の楽しみとして
所有されていたものだそうです。




これは雛人形ではなく、皇子女や公家の
子女などが誕生後はじめて御所に参内した
折に天皇陛下から下賜された特別な人形で、
「初参人形」(ういざんにんぎょう)と
呼ばれるものだそうです。

以下は御所人形(ごしょにんぎょう)
とよばれるものです。







御所人形は、宮中の祝い事に飾られて
きた由緒ある人形で、上の写真のものは、
宮中に参内した公家や大名に対し下賜
されたものだそうです。


上の雛・雛道具は、老中松平定信の
「寛政の改革」で出された贅沢禁止令
により、豪華な雛人形などの製作・
販売が禁止されたことに伴ってつく
られることになったと言われる、
「芥子雛(けしびな)」とよばれる
ものです。

精巧なミニチュアで、本来の物同様に
つくられていますので、その値段は、
返って、極めて高価なものになった
そうです。








これらの芥子雛や、黒塗・蒔絵を施した
極小雛道具を製作した店がいくつかあり、
上野池之端の「七澤屋」、浅草の「武蔵屋」、
市中の「黒田屋」などがあったそうです。
上の道具類は、この中でも特に有名な
七澤屋の
ものだそうです。






津雲邸の建物は、国の有形登録文化財に
なっていますが、その貴重な欄間などの
造りを上の写真に見て取ることができます。

かつて江戸・大正期につくられた貴重な
雛人形や雛道具類は、幕末の上野戦争や
東京大空襲で焼失したものがあるそうです。

そうした出来事を経て、津雲邸は、雛人形・
雛道具を、歴史的な文化財として今日に
伝えている史料館ですが、歴史民俗博物館
や徳川美術館や虎屋文庫などと比べると、
あまり知られていないかもしれません。
是非とも、これからも保存にご尽力をお願い
したいと思います。

説明して下さったスタッフの皆さんに
改めて感謝いたします。

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デジタル技術が彩る暮らしと、東京2020パラリンピック

2025-02-27 | 美術館・博物館・記念館

先日の3連休は体調がいまいち
でしたが、外歩きができないほど
でもありません。
イベントのサイトを見ると、なに
やら難しそうな名称の、
「Alternative Libing展」(オルタナ
ティブ リビング)ー「入場無料」
というのがありました。
私はこの入場無料の言葉に弱いん
です。
場所は有楽町。アクセスは駅の直ぐ
そば。これは行かねばなりません。


展覧会は東京都の主催。
パンフによると、アーチストによる、
未来の東京の暮らしをイメージして
創られた作品展とのこと。
つまり、未来のインテリアとか生活
空間のことなんでしょうか。
うーん、難しそう。

会場となっている施設は、2年前に
都が開設した「SusHi Tech Square」。
SusHi Tech Squareとは、
「Sustainable High City Tokyo」
の頭文字をとったものだそうです。
施設名の意味は、デジタルテクノロ
ジーを活用して持続可能な新しい
都市の形を提案するという意味だ
そうです。
はやり言葉の「持続可能」。
わかるようでわからない言葉なん
です。わかりやすく言うとなんなん
でしょうか。

こんな作品が展示されていました。
(落合陽一氏の作品)





題名は「ヌル鏡止水」。
コンセプトは「デジタルの水鏡
に記憶が浮かぶ」。
説明には「人が自分の心を深く
覗き込む体験を、テクノロジーは
どこまで手助けできるだろう?」

(河野未彩氏の作品)

題名は「《inner sky》《3
D to 4D》」。
コンセプトは「雲がリビングに降って
きた」。説明には「未来にはどんな
テクノロジーの隕石が降ってくるの
だろうか。」
(注:雲とは
架空の隕石「クラウド」
のこと

(Houxo  Que氏の作品)

題名は「《NOUMENON #1》《Death
by proxy #3》
コンセプトは「テレビの実在が暴れ出す」
説明には「液晶ディスプレイとそこに
映されているものは、何なのだろう?」
(注:これは壊れたテレビを表してます)

(KURANOIE氏の作品)



題名は「TOXI:Capture Park」
コンセプトは「暮らしの砂場が
時を積む」。
説明には「私たちの
日常と、砂が風化していく「時の
流れ」には、どんな違いがある
だろう?」
(注:この作品は鑑賞者が自由に
動かしていいものです)

(小林 椋氏の作品)


      
題名は「この囲いの戸(木の島)
で組む島」
コンセプトは「家具が役割から
解放される」。
説明には「役割や
意味を失ったとき、日常生活を
取り巻くものたちはどのように
見え方を変えるだろう?」


(ユカイ工学(株)の製品)
題名は「しっぽがある暮らし」
コンセプトは「ロボットたちが
撫でられ待ち」。説明には
「絆を育めるロボットと過ごす
ことによって、どんな毎日が
始まるだろう?」
(注:尻尾を撫でると動きます)

デジタルアート。すごいなと
思いますが、理解が追いつきません。

この展示のそばに
「Our Alternative Living]」と言う
コーナーがありました。
     




コントローラーを使って、
ブロックを3D空間上に配置して
家具をつくるという体験コーナー
です。
「やってみますか」とスタッフ
さんの声が。
教えてもらいながらトライ。
しかし、操作が飲み込めず
とうとうギブアップ。
"子どもたちはあっという間に
創ってしまうんですよ” 
ガックリです。

子どもたちの姿は、展示入口の
「くりらぼベース」でも見られました。
ほとんどが小学生くらいです。

     
タブレットをいとも簡単に操作し
ながら、子どもたちが映像とか
イラストとか工作に熱中しています。
驚くなどということではなく、
これがごく当たり前の時代なんですね。

この展示の脇に、同時開催の別の
展示がありました。
      
題して「東京自然いきもの展」です。
デジタルでいきものを見ようという
わけです。
子どもたちが使うというデジタル
教科書も、こうしたイメージなんで
しょうか。

一つは「地図からいきものを探して
みよう」というコーナーです。





地図上に表れた昆虫や鳥をクリック
するとタブレットに画像がアップ
されます。

もう一つは「いきものの鳴き声で
遊んでみよう」というコーナーです。
  






ボタンをクリックすると鳥の
画像と鳴き声が出ます。この鳴き声
を組み合わせることもできるんです。

さらにこんな展示も同時開催されて
いました。
   
「東京2020パラリンピック」
の開会式の時の衣装などの展示です。






国立競技場、マスコット、エンブレム。
懐かしいですね。

   
国歌斉唱、その歌声が絶賛された
MISIAさん。その虹色の衣装です。





     
パラリンピック開会式のパフォー
マンスの衣装です。



こちらは閉会式のパフォーマンス・
リボンダンスの衣装です。

デジタル化はどんどん進むと思い
ますが、自然や躍動そうした体験の
機会を味わうことも大事にしたいと
思うのですがー。

コメント (2)
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元気な女性の方に感謝です ~牧野記念庭園で~

2025-02-21 | 植物園

寒さが戻って、出歩くのがどうしても
億劫になりがちです。それでも、
カメラ片手の散歩や買い物など、
できるだけ外歩きをするようにして
います。でも、杖のせいで、どうしても
ゆっくりした動きになってしまいます。

 
先日、
駅舎のエレベーターから出て、
改札口に向かって歩き出した途端、
後ろからきた女性に「年をとると
動きがゆっくりになりますね」と
声をかけられ、あっという間に
追い抜かれました。

後ろ姿の感じでは、60代かな?
リハ施設の人?  
もしかしたら、「下ばかり見てない
で,胸を
張って元気よく歩きましょう」
という励ましだったかも。

別の日ですが、自宅に帰るバスに
乗り込むと「どうぞお座りください」
と、座席を立ちかけた女性から声を
かけられました。おそらく同年代です。
お礼の言葉を言いつつも辞退。
降りたバス停は一緒でした。ちょっと
見えの張り過ぎだったかと反省。

日中、外歩きをしていて目に飛び
込んでくるのは、元気なシニア女性の
姿です。果たしてシニア男性はどこに
いるのやら。
ともあれ気遣ってくださった女性の
方々には、改めて感謝です。

練馬の牧野記念庭園です。


     
行く前にHPを見ました。
きれいに作り直されています。
見やすいです。
NHKの朝ドラの「らんまん」が
きっかけでリニューアルされた
のかもしれません。




今回見たかったバイカオウレン
(梅花黄連)です。牧野博士が、
幼少期に生家(現在の高知県佐川町)
近くの山で親しみ、こよなく愛した
と言われる花です。
小さく清楚な花です。


セツブンソウ(節分草)です。
可憐な花です。

 

 
セントウソウ(仙洞草)です。
受付スタッフの方が、
「本来奥の花壇のところにあるん
ですが、こぼれ種から芽を出して
花をつけたらしく、ちょっと
びっくりです。
花壇のほうはまだ咲いていないん
ですよ。」

脇にコラボして咲いているのは、
バイカオウレンのようです。


フクジュソウ(福寿草)です。
スタッフの方も言っておられまし

が、あちらこちらで今咲いています。
場所・環境で咲く時期が違います。
植物というのは本当に不思議です。




フサザキスイセン(房咲水仙)です。
日本水仙とは違った優しさのある
花です。






緑萼梅(りょくがくばい)です。
掲示されている札には「博士植栽」
と記載されています。
珍しい種類ですが、枝ぶりから見て、
相当以前に植えられたのでしょうか。




ニシキマンサクです。漢字は錦満作?
それとも錦万作?。
ネットには二通り出ていますが、はて?

春の先駆けとなる草木の花。
これから次第に暖かくなるんで
しょうか。できればそうなって
ほしいものです。

コメント (2)
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地方では大雪、都会では梅の開花 ~向島百花園~

2025-02-16 | 植物園

やっと暖かさを感じるようになって
きました。でも、雪深い地域の人に
とっては、暖かさなど遠い先のこと。
雪が降るかもとニュースになる東京人
の話など、おそらく「何言ってるんだか」
で終わりでしょう。

つい最近、岐阜に住んでいる子ども
からラインが来ました。
    


写真を見ると、小屋の屋根の雪は、
「このへんで終わり!!」にした
感じですし、道路際の雪は、雪を
積み上げているとはいえ、かなりの
積雪量。小さい子が埋もれてしまい
そうです。

  

コメントをみると、降り続いた雪が
止んで、久しぶりに陽射しが戻った
らしいのですが、
「雪下ろしは大変。猫の手も借りたい
くらい」「スノーダンプが1台壊れた。
除雪機も修理が必要になった」

スノーダンプも除雪機も、どちらも
あまりの雪で悲鳴をあげたんでしょう。

子どもには腰を痛めたり、ケガする
なよと言ってやりましたがー。

梅の開花が他所よりも進んでいる
感じがする向島百花園に行って
みました。
ここは江戸後期(文化文政期)に、
財を築いた骨董商によってつく
られた花園。梅が主体です。





規模は小さいですが、池も配置され
ています。湧き出る水を見ていま
したら、90m下から汲み上げている
水を循環させているんですよと、
側を通りかかった人が教えてくれ
ました。










暖かな陽ざしで、入園者も結構多く
いて、園のスタッフの解説を聞い
たり、思い思いに縁台で語らったりー。


東屋の格子の間から見える梅
には風情を感じます。


梅にウグイスならぬ、梅にヒヨドリ
です。人をあまり警戒しないよう
です。












早咲きの種類の開花がだいぶ
進んでいましたが、全体には
2分咲きから3分咲きと言った
感じです。






園の隅のほうに鉢植えの梅があり
ました。取り付けられていた木札
に、「りょくがく」と出ています。
園内の白梅とはちょっと感じが
違います。調べて見ると、
「りょくがく」は漢字では「緑萼」。
この緑萼梅の原産地は中国。
萼の部分が緑色のため、全体に
薄緑色にみえるのだそうです。






梅のほかには、フクジュソウや侘助
(わびすけ)やマンサクなど。

色がピンクの侘助椿には「太郎冠者
(たろうかじゃ)」と名札に添え書き
がありました。侘助にもいくつか
品種があり、その中の一つのようです。
「太郎冠者」は、京都では「有楽
(うらく)」
と呼ばれるそうです。


こんな手づくりの寄せ植えも見られ
ました。春の七草です。

少しづつ春が近づいているようですが、
今週にはまた厳しい冷え込みがある
ようです。高齢者には要注意です。

一息ついた雪国に住む人にとって、
ありがたくない大雪にならないと
いいんですがー。

コメント (4)
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