ヒマヒマノキ ~歩いて、見て、楽しんで~

庭園・街の花、まつり・名所。いろいろな出会いを,その時々の想いを交えて、皆様にお届けします。

静寂さに立つ緑の柱 ~東久留米の竹林公園そして富士見テラス~

2017-12-29 | 公園・庭園・名所
寒さが一段と厳しくなってきています。今の時期、多くの草花や樹々は春までしばらく休養です。林や野原がくすんだ緑におおわれている中で、凛とした緑の色を見せているもの、それは竹です。
竹の美しいところは、都内では、皇居東御苑などがありますが、今回は新東京百景にも選ばれている東久留米市の「竹林公園」を訪れてみました。

西武池袋線を東久留米駅で降り、西口を出て約800メートルほど住宅街を歩いていくと、小さな案内板に竹林公園は左方向80メートルとありました。細道をちょっと上ると公園の入り口に出ました。



入り口には、孟宗竹が青い空を背景にすっくと立っています。竹の葉が陽光に浮かび上がっています。
門をくぐると、うっそうとした竹林。午後3時頃ということもあり、冬至を過ぎたばかりの日差しは低く、光が届かないところもありました。見上げると、ところどころ青い空がのぞいています。竹の緑が陽差しに透き通って見えています。目を竹の方に向けると、入り込んでくる光に、孟宗竹が黒くすっくと立っています。
竹の影が地面を這うように映し出されています。明るいところにでてみると、緑の柱が静かに立っているのが見えてきました。
静寂さの中に立つ孟宗竹は、冬の寒さがどうあろうとしっかりと地面に根をはり、自らの命を確かなものにしています。

ちょうど1年前は故郷で、ベッドに横たわる母の命を見つめていました。美しく雪をいだいた山の写真に、母は「きれいね」と小さくつぶやいていました。もしもこの竹の光景を母に見せることができたなら、「きれいだね。強いんだね。」という声を聞くことができたのではないかと思います。
孟宗竹の林は、おそらくや何百年にもわたって、武蔵野の大地に生きる人々の支えになってきたのではないか、そんな思いがしていました。









































駅に戻ると、駅舎の2階、バルコニー風になっているところに人だかりがありました。ここは「富士見テラス」と呼ばれていて、富士山の光景を見ることができるちょっとしたスポットです。行ってみると、カメラやスマホを手にした人が富士に沈む夕陽を撮ろうと待ち構えていました。私もその中に加わって、富士を写真に収めました。
素敵な光景です。生きる力を少し分けてもらえたような気がしました。

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輝きの丸の内 ~東京ミチテラス・丸の内イルミネーション~

2017-12-25 | まつり・イベント
寒さが厳しくなってきました。街の散策もどうしてもおっくうになってしまいます。何とか気持ちを奮い立たせて、夕方、イルミネーションを目指してみることにしました。
都内でアクセスの良いイルミネーションといえば、その一つが東京駅です。東京駅の丸の内側にある「丸の内中通り」のシャンパンゴールドの光は、毎年、おしゃれな街を演出しているイルミネーションです。それに加えて、「行幸通り」のイルミネーションはゴージャスな輝き見せてくれるイルミネーションです。



会場へのアクセスも比較的楽だろうと決め込んで、JR東京駅の丸の内側に出てみました。すると要所要所に配置された案内スタッフが、北口を大手町の方向に行って、ぐるっと回って「丸の内中通り」に入るようにとアナウンスしていました。つまり、イルミネーションを見るのは一方通行になっているということです。

道は次第に人であふれ、「丸の内中通り」に入るころには、車の通行をストップさせた車道は人、人、人で埋め尽くされていました。
有楽町方向までずうっと続く通りを飾るシャンパンゴールドの光は感動ものです。「おおー!」「きれい」 そう感じた途端、ほとんどの人が、手にしたスマホで感動の光のシーンを撮ろうとします。通りの輝きを背景に「自撮り」をする人もいます。人の列は、なかなか前に進みません。いくら案内スタッフが「立ち止まらないで」と叫んでも、どうしても歩みはゆっくりになってしまいます。

少しづつ進んでいるうちに、ようやく「行幸通り」の華やかなイルミネーションが見えてきました。「行幸通り」の突き当りには東京駅が見えています。照明の演出でヨーロッパ風の建物のような感じになっています。通りは、シャンパンゴールドに加えて、多彩な色のデコレーションが輝いています。誰彼となく写真に撮ろうと、いいポジションには、あちこちで人の塊ができています。素敵な写真を撮ろうと、スマホを上にかざしたり、横に出したり。
かくいう私も、隙間を見つけては身を乗り出して、イルミネーションの輝きを写真に撮っていました。いつしか寒さはすっかり忘れていました。案内スタッフの「立ち止まらないでください」の声が一段と高くなってきました。

















































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光にたたずむ社殿 ~宮島・厳島神社~

2017-12-14 | 旅行
広島に行く機会がありました。厳島神社を訪ねてみることにしました。JR広島駅から山陽本線を宮島口駅で降り、肌寒い風の中を駅から桟橋へ向かいました。12月も半ばというのに、フェリーは宮島に渡る客であふれていました。青く澄んだ空と陽光がきらめく海を眺めているうちに、まもなく大鳥居が見えてきました。その向こうには厳島神社が小さく見えています。そうこうするうちにあっという間に宮島の桟橋です。





案内板を確かめるまでもなく、人並みは自然と厳島神社に続いていきます。外国人観光客には鹿が珍しいのでしょうか、あちらこちらで鹿と一緒にカメラに収まっています。
駅を出てすぐ近くの広場に立つのは平清盛像です。海に浮かぶ社殿ばかりに関心がいって、宮島が平家ゆかりの地であることをすっかり忘れていました。
清盛公の社殿造営(1146年頃~)が、ほぼ今の社殿の姿になっているとのことですから、神社の建物の多くが国宝や重要文化財として指定されているというのもうなづけます。

神社の歴史を紹介するサイトには、神社が593年(推古元年)に創建されたと紹介されています。その厳島神社は、1996年(平成8年)に世界文化遺産に登録され20年を過ぎていますが、その間2009年(平成21年)には、同じく世界文化遺産となっているフランスの修道院の島モン・サン・ミッシェルと友好都市関係が結ばれています。
神社の造営から900年近い時を経て、厳島神社が世界的に知られる宗教建築物の一つとなっていると清盛公がお知りになれば、さぞや驚かれることでしょう。

海に浮かぶ朱塗りの社殿には冬の光が射し込み、冷え冷えとした影をつくり、神社を取り巻く波をきらめかせていました。
光は私たちのあり様を厳しく問うているようです。一方で私たちに力を与えてくれているようにも思えます。どんなに厳しくても生き抜いていきなさいと告げてくれているように思うのです。

神様、私たちが平和に暮らしていくことができますよう、どうかお守りください。





























































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ピンク色の光の中で ~新宿テラスシティそして新宿ミナミルミ~

2017-12-05 | まつり・イベント
いつのまにかイルミネーションが街を飾る時期になりました。そこで、都心で気軽にぶらぶらできる新宿のイルミネーションを訪ねてみました。夕方の5時を過ぎ、もうすっかり日も暮れて、イルミネーションが輝く時間です。



地下鉄丸ノ内線を新宿駅で降り、西口の小田急デパート前にでると、新宿ミロードモザイク坂のきらめきが飛び込んできました。今年はピンク一色に通りが飾られています。若い人たちの中を、通りの両側に目をやり、天井を見上げ、そして振り返りながらモザイク通りを抜けると、新宿駅南口に出ました。

甲州街道を横断すると「バスタ新宿」。その一帯のイルミネーションが「新宿ミナミルミ」です。街路樹にピンクの電球が飾られています。ここもモザイク坂同様、若い人たちで溢れています。ピンクの電球に照らされ、誰もがうきうきしたような表情を見せています。買い物をするのでしょうか。何か美味しいものを食べに行くのでしょうか。ひと時を語らうのでしょうか。
家族連れも随分とみられます。小さい子は、明かりの中をはしゃぎながら、飛び跳ねています。賑わう人たちの思いがいっそうの光の輝きとなって街を染め上げているかのようです。

ふと見ると、これから高速バスに乗ろうとする人達が、それぞれ間を空けながらポツン・ポツンと静かにベンチに腰掛けています。都会の仕事を終え、遠く故郷に帰るのでしょうか。用事があって戻ろうとしているのでしょうか。故郷のバス停や駅にも、おそらくイルミネーションが飾られていることでしょう。お帰りと言って光を投げかけてくれるでしょう。

でも、ただ一人頑張っている人には誰が光を向けてくれるのでしょうか。いえ、そうした人にも優しいまなざしを向けてくれる人はきっといます。厳しい冬かもしれませんが、みんな頑張っていこう、生き抜いていこう、心を届けてくれる人はいると思うのです。




































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