ヒマヒマノキ ~歩いて、見て、楽しんで~

庭園・街の花、まつり・名所。いろいろな出会いを,その時々の想いを交えて、皆様にお届けします。

ありのままに自然を楽しみましょう ~地域散歩~

2024-03-28 | 散歩

このところ冷たい雨の日が続きます。
   
しかも、まるで冬日かと思うほどに冷え込む日もあり
、これではソメイヨシノも、花を開こうにも、
蕾をすぼめるしかないかもしれません。
  
ところで、春の長雨を表す言葉には、
春霖(しゅんりん)、菜種梅雨などの言葉が
あります。正直のところ、趣を感じさせる言葉は
ともかく、東京では一体ソメイヨシノはいつ開花に
なるのか、なんとも落ち着かない気分です。

もちろん雨の日ばかりというわけではありません。
雨の合間や晴れた日、例によってカメラ片手に散歩です。

いつも手入れが行き届いている施設の花壇に
カメラを向けていた時のことです。
突然うしろから声がありました。

「いつもきれいな花を撮ってくださってありがとう
 ございます。」
声の主は、以前、白壁に沿って組んだ支柱に、
ノイバラを這わせ、葉の緑と実の赤の素敵な光景を
つくられていた方でした。
あわてて、勝手に撮ってすみませんとお詫びすると、
「花も喜んでいると思いますよ」と、うれしい言葉を
続けてくださいました。


私がカメラを向けていたのは、白いハナニラの花です。
そのハナニラと、黄色や紫などのパンジーとの取り合わせが
とても素敵な光景をつくっていたからなんです。
ハナニラは自然に増えたのではなく、毎年花壇の各所に
植えておられたそうなんです。
手をかければかけるほど、花もそれにこたえてきれいに
咲いてくれるんですね。改めて実感させられました。









花壇だけでなく、施設のフェンス際には、
スノーフレークがあちらこちらに、釣鐘のように
花を咲かせています。
スノーフレークはうつむき加減に花をつけるんですが、
見て見てと言わんばかりに、一輪だけ上を向いている
のがありました。ありがとう、うまく撮れましたよ。


    


こちらは、だいぶ背丈が伸びていますが、
フキノトウですね。
控えめですが、春を感じさせてくれるものですね。





ヒヤシンスやヤグルマギクもきれいに咲いています。



以前撮ったウグイスカグラの小さな花が、
だいぶ増えていました。
やっと咲くことができて嬉しいと言っている
ようです。




これは、ツツジで間違ってないですね。
数輪花をつけています。
もう咲き出しているとは、ちょっと驚きです。
いつまでも桜が咲かないので、待ちきれずに
咲いたのでしょうか。







毎年、オオアラセイトウが花を咲かせる空き地に
行ってみました。
紫がきれいな花です。別名がムラサキハナナ(紫花菜)。
たくましい花ですね。あちこちで咲いています。
もとは園芸種なんでしょうか。


春の長雨で、おそらくまもなく咲くはずの
ソメイヨシノがどうなるか。雨で散ってしまうか、
それとも長く楽しませてくれるか。
自然というのは、こうなればこうなるとはならない
から、自然なんですね。
ありのままに受け止めて楽しむことにします。

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いつまでも元気でいてくださいね ~所沢・多聞院~

2024-03-23 | 公園・庭園・名所

これまで通所リハビリをずっと一緒に受けていた
Aさんが、今月退所しました。
      
Aさんは、介護スタッフさんから励ましを
受けながら、リハビリを頑張っていた
優しい方でした。
最近、少しづつ歩きがゆっくりになって
いましたので、体力的なこともあった
のかもしれません。
     
体の動きが衰えてくると、どうしても外出が
おっくうになります。リハビリは、合間に
いろいろな方とおしゃべりができますし、
話も聞いてもらえます。それもリハビリの
効用です。
とりわけ女性陣は、いつも話の花を咲かせて
います。おしゃべりで、たくさん元気が
もらえるんですね。

「あなたは若いのに頑張らなきゃ」と逆に
励ましてくれたり、「いいわね」と私の
折り紙をもらっていってくれたり。
Aさんとは気が合いました。とても残念です。
いつかどこかで、ばったりお会いすることが
あればうれしいなと思ってます。
どうかお元気でお過ごしください。

久しぶりに、所沢の多聞院にでかけてみました。





毘沙門堂、狛寅。多聞院はいつもどおり静かな
佇まいです。家族の健康、そして世界の平和を
祈らせていただきました。





ジンチョウゲのいい香りがただよっていました。



ジンチョウゲの仲間のオニシバリ(鬼縛り)です。
終わりかけのようでした。
オニシバリの名前の由来は、樹皮が強いため、
この樹皮で鬼を縛っても切れないだろうということで
名付けられたとか。



ミツマタです。これもジンチョウゲ科の木なんですね。





これもジンチョウゲ科のシキミ(シキビ)です。
線香の原料になるそうですから、仏教とのかかわりが
深いといわれる木です。



サンシュユ(山茱萸)は、満開でした





アセビ(馬酔木)もたくさんの花をつけていました。



いつもじっと我慢の構えの「鬼の悟り」の像です。
きっと悟りを開いたんでしょうね。



こちらは「鬼の寒念仏」像です。
以前紹介しましたが、偽善者を風刺したもの
と言われます。



ユキワリソウ(雪割草)は、時期を過ぎた
ようです。





八重のキクザキイチゲです。



バイモ(貝母)は、今が時期なんでしょうか。





カタクリが花を開き始めていました。
これからが見頃になると思います。





多聞院は山野草が中心で、園芸種は少ないんですが、
ヒヤシンスの花が、あちこち顔をだしていました。

 


多聞院の花は、私たちに何を語りかけている
のでしょうか。
どうして、人間は争いをやめないのか。
どうして世界は争いが絶えないのか。

毘沙門堂に掲げられた「 世界平和」の言葉を、
改めてかみしめたいと思いました。

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名を聞いて また見直すや 草の花 ~詠み人知らず~

2024-03-19 | 日記

「いらない本を整理して!」家人からいつも言われます。
なかなか気乗りがせず、処分の作業は進みません。
 
 
先日も「厳命」され、嫌々本を手に取っていると、
10数年前、知人からもらった本が目に入りました。
知人の祖父の折々の思い出がまとめられた本です。
なにげなくめくってみると、本の中に、
こんな句が紹介されているのをみつけました。
作句者が書かれていませんので、どなたの句かは
わかりません。
名を聞いて また見直すや 草の花

草花が好きな人にとって、名前を知るという
楽しみは昔も今も同じなんですね。
いつもそんなことを思いながらの「断捨離」作業
です。整理が進むはずもありません。
家人の怒りのボルテージはあがる一方です。

散歩中、草や樹の手入れをされている方と
言葉を交わす機会が時々あります。
そんなとき、よく口にするのは、
この花は〇〇ですよね」とか「この〇〇の花が、
今年も咲きましたね」という言葉です。
それをきっかけに、話が続くことがあります。
花の名前を知るという楽しさが、打ち解けた
雰囲気にしてくれるんですね。
そうはいっても、話は短く切り上げるのがマナー
ですがー。

最近の花です。
 




ハクモクレンです。満開です。今日(19日)あたりは
花びらが散りだしました。


  


やや遅れてシモクレンも開き出しました。





トサミズキも黄色の花をつけだしました。
地味な花ですが、なぜか親近感を覚えるんです。





これはバイモだと思います。
下の方から花を撮ってみました。



クリスマスローズもうつむき加減に咲く花ですね。
これも下から撮ってみました。





ユキヤナギは真っ白です。
優雅で、実にきれいな名前ですね。



花壇の植木鉢に花を咲かせているのは、
マツバギクではないかと思います。



最近は、住宅街では、ほとんど見かけないのですが、
小さな公園にツクシが数本でているのを見つけました。
なつかしくなります・

花の名前が知りたいと思うのも、考えてみれば
年を重ねているからですね。
やれITだ・スマホだ、やれAIだとか、
社会の変化はあまりにも速すぎます。
高齢世代には、もっとアナログに時間を楽しむ
ことが許されていいのではないかと思うんですがー。

世界が平和でありますように!

コメント (6)
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競い合うこと ~花散歩に思うこと~

2024-03-10 | 散歩

今日(10日)もマラソンのテレビ中継が
ありました。名古屋ウイメンズマラソンです。
優勝は日本の安藤選手でした。
先月(2.25)の大阪マラソンの優勝も
日本選手。国学院大の平林選手でした。
どちらも堂々たる勝利です。嬉しいです。
二人とも選考基準に合致せず、日本代表
にはなれませんでしたが、素晴らしい
結果でした。
         
マラソンのテレビ中継を見ていると、
トップ集団は外国選手が多くなっています。
そのためか、実況では「日本人選手の1位は、
誰々」という解説が繰り返されます。
日本代表の選考ということからすれば、
確かにそうなのでしょう。
でも、日本選手の奮闘を見たい私には、
どうしても日本選手は外国選手に
かなわないように聞こえてしまうんです。
  
外国選手との記録差を考えれば、外国選手
に勝つことが容易ではないことはわかります。
でも、日本選手の頑張りに、私たちは熱いもの
を感じます。勇気をわけてもらえます。
あきらめずに努力すれば報われることが
あるんです。そう思うんです。
だから、日本選手に声援を送ります。

日本選手には「勝つために世界に挑みます。
メダルを目指します。」の力強い言葉を
願っています。





先週は、何と2度も雪が降りました。
5日の深夜と8日の朝方です。
湿った雪で、溶けるのも早かったですが、
1週間後くらいにはソメイヨシノの開花が
予想されているだけに、桜もびっくりと
いったところでしょう。









でも、住まいのまわりでは、春の花が咲き出して
います。これはハナモモだと思うのですが、
花に加えて、葉も出てきました。









ハクモクレンはしばらく蕾の状態が続いて
いましたが、ようやく開き出しました。
大きな花が青空に映えています。
シモクレンも花が開き出しそうです。





サンシュユの黄色の花です。
だいぶ花が開いてきています。



ユキヤナギも、白い小さな花が増えてきました。
びっしりと花をつけるのも、もうすぐのようです。


ジンチョウゲの開花はどんどん進み、
いい香りを漂わせています。







私が好きなウグイスカグラです。
1センチにも満たない小さなピンクの花です。
寒さで開花が遅れていたのかもしれません。
やっと数輪の花が見られるようになりました。



花壇には、サクラソウの花が優しい花を
つけています。

暖かくなったり、思わぬ雪になったり。
でも、まわりはもうすっかり春です。
古代中国の季節の区分「七十二候」によると、
その第八候(3月10日から14日頃)は
「桃始笑(ももはじめてさく)」。

桜は第十一候(3月25日から3月29日頃)で
「桜初開(さくらはじめてひらく)」。

桃の花も良し、桜の花も良し。
花にはその時々の主役はあっても、
これが一番ということはありません。
ひとそれぞれに思うことがあるはずです。
花の競い合い、大歓迎ですね。

コメント (4)
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青梅市の雛まつり展2 ~津雲邸の雛飾り~

2024-03-05 | 公園・庭園・名所

前回に続き、津雲邸の雛まつり展です。
津雲邸は現在歴史資料館として運営されています。
     

     
展示されている”ひな人形”と”極小ひな道具”は、
主に江戸後期から末期の作のようで、700点から
800点はあるようです。
上の写真は展示物を
説明した説明板ですが、
光が反射してうまく撮れませんでした。

ここに書かれた内容については、当日は、
展示室(1階と2階の和室)ごとに、それぞれの
スタッフの方が、詳しく説明してくれました。
興味深い説明が次々あったのですが、内容が盛り
だくさんで理解が追いつきませんでした。
ちょっと惜しいことをしました。

 

   






津雲邸のひな人形は有職雛(ゆうそくびな)といい、
公家の風俗を忠実に縮小した雛人形だそうです。
本来は公家がその家の格式に応じた雛人形を特別に
作らせていたもので、公家と縁戚関係にある上級武家
や富裕な町屋などでも所有していることがあったとか。





これは有職雛の一つですが、稚児雛といい、
幼子の姿でつくられた変わり雛なのだそうです。



立雛(たちびな)です。
紙雛ともよばれ、幼子の病気や災厄を祓い
無事な成長を祈る雛人形だそうです。




        
これは初参人形(ういざんにんぎょう)とよばれ、
いわゆる雛人形ではなく、公家の子女や能役者・
狂言者の子弟らが御所に初めて参内した時に
天皇より下賜された人形なのだそうです。




     
御所人形と呼ばれるもので、大名が参勤交代の際、
御所にご挨拶の目録を贈る風習があり、
その返礼品として賜ったものだそうです。



こんな変わり雛もありました。
鳴子こけしの雛人形です。
東北人の私には、懐かしさを覚えます。







たくさんの雛道具が展示されていました。
どれも極小です。つまり精緻なミニチュアです。

これらがつくられるようになった理由ですが、
スタッフの方の説明は次のようなことでした。
聞き違っていたらすみません。
 『
江戸時代の改革で、「贅沢禁止令」が出された影響で、
 職人が技を磨き極小の道具をつくるようになったため。
 その結果返って高価で精緻なものがつくられるように
 なっていった。』
よくわかりませんが、禁止令は
天保の改革の時
でしょうか。ともあれ、どれも素晴らしいつくりです。

写真に撮り忘れましたが、ギヤマン(薩摩切子や
江戸切子などのガラス細工)の小さなグラス一つでも、
評価は10万円くらいらしいですよ、との説明でしたから、
もはや工芸品以上ですね。




        

      
中には、尾形乾山(尾形光琳の弟)の作と思われる
ものも展示されていましたので、こうなるとまさに
文化財ともいえる美術品ですね。
(※一枚目の写真の上段の右側です。内裏雛のアップ
 の写真は青梅市観光協会のHPからお借りしました。)


   

   

       
その他、飾られていた掛け軸もかなりの
値打ちのもののようでした。

青梅に、財を投じてこのような接遇施設をつくった
津雲氏は相当な方だったと思いますが、
同時に青梅という地が、歴史的に経済の要衝の地で
あったことを物語っているように思いました。

来年になるかもしれませんが、次に訪れる機会が
あれば、今度はじっくり収蔵品や建物のことを
聞きたいものです。

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青梅市の雛まつり展 ~津雲邸の雛飾り~

2024-03-03 | 公園・庭園・名所

今日(3日)は、ひなまつりの日でした。
各地で、いろいろな飾りつけや展示が
行われていることが、テレビなどで紹介
されていました。
しかし、近場で行われているところがあるか
どうか、そもそもまつりの実施会場やアクセス
など、ほとんど調べていませんでした。
そこで、東京郊外のひなまつりを
ネットチェックしてみました。
すると
青梅市でひな祭りの展示が行われている
ようです。
吉野梅林でよく知られている青梅です。
以前行ったことがあります。
さっそく、青梅線に乗ってでかけて
みました。








青梅駅の構内に、昭和の映画の主人公を絵にした
看板(ポスター)がいくつか掲示されていました。
懐かしいです。
青梅は昭和レトロを「売り」にしているんですね。
さて、ひな祭りの展示会場は、駅前の観光案内所で
行き方を教えてもらい、ぶらぶら歩いていきました。
確かにレトロな雰囲気を感じる街です。






    


目指したのは「津雲邸」です。
津雲邸とは、青梅出身で、衆議院議員だった
津雲國利氏(1893~1972)が、1931(昭和6年)
~1940年(昭和15年)にかけて建てた、
賓客をもてなすための迎賓施設です。
現在国の登録有形文化財に指定されています。

    



     




建物は京都から招いた宮大工と地元の大工
や職人との協働で造られたものだそうで、
内部のつくりは、和と洋を融合させた相当に
贅沢な造りになっています。
ちなみに、家紋は「蝶」だったそうです。


    
玄関を入ると、吊るし雛が飾られていました。
これは新しいのか古いのか、聞き逃しましたので、
よくわかりません。








津雲氏が収集したものと思いますが、
五段飾り雛人形(有職雛)です。
スタッフの方の説明をはっきり覚えていませんが、
確か「江戸後期の作で、位の高い公家の風俗を
身にまとっている、五人囃子は雅楽の
演奏をしている、三人官女はいない。
当時は、あるいは五段とか七段とか決まって
いたわけではなく、後々次第に豪勢な飾りに
なっていったようだ」といったことだったと
思います。

雛飾りの人形や道具がかなりの数に及んで
いました。
次回に続けて紹介したいと思います。(続く)

コメント (2)
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