ヒマヒマノキ ~歩いて、見て、楽しんで~

庭園・街の花、まつり・名所。いろいろな出会いを,その時々の想いを交えて、皆様にお届けします。

濁流と蝶と ~台風のあとで~

2017-10-24 | 日記
10月に台風が上陸するというのは気象庁の過去の記録をみても多くはないようです。先日の超大型の台風21号は静岡県に上陸すると、関東地方を通って、東北地方の沖に抜けていきました。私は、日曜日から月曜日にかけて福島にいました。このため未明からの強風と豪雨を覚悟していたのですが、思ったほどの激しさはなく台風はあっという間に通り過ぎていき、午後には晴れ間がでてきました。



台風一過、もう大丈夫だろうと近くの阿武隈川の土手にいくと、かなりの増水です。堤防まで後数メートル。まさか被害があるはずはないと思いながら寝ていましたから、もっと緊張感が必要だったと反省。それにしても濁流のすごいこと。









家に戻って庭先のツワブキをみると、蛾でしょうか蝶でしょうか、花にとまって羽根をひらひらさせています。それも二匹です。蛾と蝶の区別は実は難しいんだそうですね。ネットで確認すると、どうやら「ヒョウモンチョウ」のようです。結構各地に生息している蝶なのだそうですが、私は見かけたことがありません。黄色の中に黒い点々があるきれいな羽根をしています。黄色だけの羽はオスで、羽根の先に青く白い紋様があるのがメスのようです。

風に運ばれてきたというより、強風が過ぎ去るのをまって花を求めて飛んでいたようでした。近年は10月の下旬でも福島も暖かい日がありますから、生息しやすい環境なのかもしれません。花は好きでも虫は大嫌いだった母が見たら、「きれいな蝶ね」というか「おお嫌だ」というか。

故郷というのは母がいてこその故郷。故郷は命のつながり。濁流のことはいつのまにか忘れてしまい、ツワブキの花に羽根を休める二匹の蝶を見続けていました。

















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紅葉そして風 ~高山・西穂高千石尾根~

2017-10-22 | 旅行
岐阜の高山市にでかけました。高山市はこれまで二度ほど訪れたことがありましたが、高山からバスで1時間半ほどの穂高のロープウェイはなぜか二度とも雨。今回も秋の長雨が続く中、どうかなと心配しながらの訪問でしたが、なんと1日だけ晴れの日にめぐまれました。そこで、高山から路線バスで平湯を経由してロープウェイに向かいました。

標高が高くなるにつれ、車窓から黄や赤の木々が見られるようになっていきます。終着の停留所を降りるとロープウェイ乗り場はすぐ目の前。早速にロープウェイに乗ると、山々の紅葉が目に飛び込んできました。




四季の中でも秋の美しい光景は一瞬です。光景が一瞬であるからこそ、なおさらのこと感動を覚えるのでしょうか。遠くにたなびく雲。雲の海。眼前に迫る荒々しく雄々しくそびえるアルプスの山々。焼岳。西穂高。槍ヶ岳・・・。

考えてみれば、四季は、早い遅いはあれ当然のように流れ移ろっていきます。四季の光景を目の前にして癒されるとか感動すると思うのは、私たちが都市化した環境の中でいかに埋没して生活しているか、いわばその裏返しのようなものです。自然の側からみれば、毎年のことなのに、人間はこうも感情を躍らせる生き物かと笑っているかもしれません。

しかし、広大な空と雲に心安らぎ、雄大な山並みに心が支えられる自然に、やはり畏敬の念を感じます。小さな自分のありようを気づかせてくれます。力を抜いて生きていくことを考えさせてくれます。

中島みゆきさんの歌に「風にならないか」という歌があります。
中島みゆきさんは、「むずかしい言葉は自分を守ったかい 振り回す刃は自分を守ったかい」と歌い出し、そして「二度とだれかを傷つけたくはない されど自分が傷つきたくもない 互い違いに心は揺れる あてにならぬ地図を持ち ただ立ちすくんでいる もう風にならないか ねぇ風にならないか」と結んでいます。
この歌を思い出しながら、高山を後にしました。









































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雨の曳っかわせ ~埼玉・川越まつり~

2017-10-16 | まつり・イベント
あいにくの雨でした。雨の中の川越まつり。自然には勝てませんね。さてどんな状況か。

今年は10月15日・16日の両日にわたって行われました。二日目(16日)の夕方、西武池袋線の本川越駅を降り、改札口から駅前広場に出ると、傘を差しながらまつりに向かう人が通りを行き交っていました。雨模様のせいか例年に較べると人がやや少ないようです。それでも山車がやってくるとあっという間に人だかりがしてきます。



昨年(平成28年)12月に、川越まつりがユネスコの無形文化遺産に登録されました。その影響もあるのでしょう、外国人観光客の姿も結構見られました。
ただ残念なのは、いつもなら山車の上に見られるはずの人形が見られません。山車自体もビニールですっぽり覆われています。ビニールをつたって雨が滴になって落ちていきます。やむをえないでしょう。豪華絢爛な山車を雨に濡らすわけにはいきません。
そんな中でも、通りの仮設舞台でお囃子と舞が行われています。居囃子です。通りに止められた山車でも、同じように笛・太鼓の囃子と舞が繰り広げられています。

小雨が降る中では、山車の巡行は中止かと思っていました。しかし、通りを「先触れ」の提灯ががやってきます。曳き手が「そーれ、そーれ」の掛け声で山車を曳いてきます。提灯の明かりに浮かび上がった山車が大きくなってきます。舞い手や囃し方の姿が目の前に迫ります。こうでなきゃ。これが川越の山車です。まつりです。

恒例の「曳っかわせ」。これを待っていた観光客が山車を取り巻きます。二つの山車の先頭では、曳き手のたくさんの提灯が声援とともに上下・左右します。もっとも声は聞こえてきますが、見えません。見えているのは観光客の傘・傘・傘。今年は傘に取り囲まれた「曳っかわせ」になりました。

























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まつりの記憶 ~埼玉・所沢まつり~

2017-10-09 | まつり・イベント
秋のまつりが各地で行われています。今年も埼玉の所沢では、10月8日(日)に「所沢まつり」が開かれていました。
夕方、西武池袋線を所沢駅で降り改札口をでるとたくさんの人出です。ぶらっと出かけたこともあって、正直のところそれほどまつりの何かを見たいという思いはありませんでした。しかし、細長い風船を手にした家族連れや楽しげに話す若者のグループとすれ違ううちに、次第に心が浮き立ってきました。

駅を中心にいろいろなイベントが行われていたようです。
ふと遠くを見やると、向こうから山車を曳く子どもたちの列が近づいてきました。掛け声が聞こえます。次第に山車のお囃子の音が大きくなります。山車の上ではお面をつけた踊り手が舞っているのがはっきり見えてきます。そうなると、もうすっかりまつりに引き込まれている自分がいました。



なぜこうもまつりに引き込まれていくのか。まつりは、非日常の世界ということもあるでしょう。それよりも私には、まつりには自分が育った故郷の匂いを感じるのです。父と母とそして兄弟との思い出が浮かんでくるのです。
決して立派な山車があったわけではありません。屋台店で、欲しいものを何でも買ってもらえたわけでもありません。でも提灯や裸電球が照らす夜は、子ども時分の私にはわくわくする世界でした。親が傍らにいることで安心できる世界でした。今頃になって、他界した両親の子への思いに気づきます。辛さや嬉しさを思います。

ふと、自分の子どもとのまつりの記憶がほとんどないことに気がつきました。子どもたちが小さいときに、住んでいたところには山車がでたり屋台店が並ぶようなまつりがなかったということもありました。仕事のために私が家族と離れていたこともありました。でも、一番の理由は、子どもをまつりに連れていってやろうという強い思いがなかったのではないか。
そんな思いが錯綜する中で、まつりの人込みに、浴衣ではしゃぐ我が子の姿を見たような気がしました。

もっと手をつないでやればよかった、温もりを感じさせてやればよかった、まつりの記憶を刻むことができるようにしてやればよかった。喧噪さを離れ、乗客もまばらな帰りの電車の中で、そんな思いがこみ上げていました。













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コスモスといえば山口百恵さんですね ~東京立川市:昭和記念公園~

2017-10-04 | 公園・庭園・名所
秋の花と言えば、その一つがコスモス。今の時期、テレビでも季節のたよりとしてよく紹介されます。コスモスの名所の一つが「国営昭和記念公園」です。550万本の畑というのは、首都圏でも最大級なのだとか。
何度も訪れている昭和記念公園ですが、例によってJR青梅線の西立川駅で電車を降り、西立川口のゲートから入園しました。園内は平日の午後のせいか、人は少ない状況でした。

園内の「パークトレイン」に乗り、コスモス畑へ。中央の原っぱのキバナコスモスは盛りでしたが、こちらはまだ2分咲きとの説明。確かに蕾は多いようでしたが、結構咲いていました。コスモスの花は可憐なこともあって、斜面一杯に赤・白・ピンクと咲き乱れる様は、何かしら優しさにあふれたものを感じさせます。



コスモスは、「秋桜」と書いてそう読むように思っていましたが、本当は「あきざくら」なんですね。山口百恵さん歌唱の名曲「秋桜」がコスモスと読ませたのをきっかけに、いつのまにかコスモスと読むようになってきているらしいです。
「うす紅の秋桜(コスモス)が秋の日の 何気ないひだまりに揺れている 🎶」 いやぁ名曲です。お好きな方はユーチューブでどうぞ。

ところで、最近はバスや電車で席を譲られることがしばしばです。短く刈り上げた白髪混じりの頭に杖歩行の「いで立ち」ですので、危なっかしくて見ていられないのかもしれません。
譲ってくださる方は、どちらかというとミドル世代の女性の方が多いように思います。ご自身も疲れているのではと思うと申し訳ない気持ちがするのですが、いつも遠慮なく座らせていただいています。ありがとうございます。

世の中はモラルが希薄になっているとか言われますが、地域には、他者を思いやって下さる方がたくさんいらっしゃることをつくづく感じます。
最近もこんな光景に出会いました。ゆっくりとした動作のお客さんがバス停でバスを降りる際に、「運転手さん体を大事にね」と。運転手さんも「ありがとう」。

百恵さんの歌ではないですが、「ありがとうの言葉」は私達を和ませる言葉ですね。





















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