ヒマヒマノキ ~歩いて、見て、楽しんで~

庭園・街の花、まつり・名所。いろいろな出会いを,その時々の想いを交えて、皆様にお届けします。

「北海道ガーデン」を提唱する 上野ファーム~北海道ガーデン紀行6~

2018-07-25 | 旅行
北海道ガーデン巡りの旅の締めくくりは、旭川市にある「上野ファーム}です。
「上野ファーム」は、今や北海道を代表するガーデンの一つになっています。





この「上野ファーム」のヘッドガーデナーを務めているのは、上野砂由紀さん。NHKテレビでも紹介されているそうですから、お名前をご存知の方も多いと思います。
上野さんは、イギリス留学を契機に2000年頃から米農家の実家でガーデンづくりを始め、そのガーデンを一般に公開してきました。

上野さんを一躍有名にしたのが、倉本聰さんが脚本を書き、2008年10月~12月にかけてフジテレビで放映されたテレビドラマ「風のガーデン」です。
上野さんは、倉本聰さんの依頼で、このテレビドラマの舞台となった「風のガーデン」を富良野市につくりました。
「風のガーデン」もまた北海道の代表的なガーデンの一つです。

この「風のガーデン」のほかにも、上野さんは、前回紹介した「大雪森のガーデン」のガーデナーとして「森の花園」のデザインも務めています。

「上野ファーム」は10のゾーンから構成されていますが、ここはその中の「ノームの庭」とよばれるゾーンです。
ノームとは庭の小人(精霊)のことのようです。

















いろいろなゾーンがありました。ご覧ください。

















上野さんはこんなふうに話してくれました。

「今日はご覧いただいた通りです。これが来週・再来週と日がたつにつれ、花の背丈も変わり、咲く花も変わり、風景が異なってくるんですよ。」

そんな話を聞きながら、上野さんが、英国で学んだイングリッシュガーデンを踏まえ、北海道の気候・風土・環境に根差し、伸び伸び成長する様々な植物の表情をデザインする、独自の「北海道ガーデン」を目指しているのだと、私なりに感じました。

おそらく、そのことが「北海道ガーデン街道」を構成しているガーデンやファームに共通していることなのでしょう。





















北海道のガーデンでみた植物は、背丈が高かったり、葉が大きかったり、花が色鮮やかだったり、同じような種類の花の仲間でも、東京近辺で見かけるものとはだいぶ感じが違っています。
植物がもつ力を北海道の自然のままに引き出してやること、それが北海道のガーデニングのように思いました。















ところで、上野さんは、とてもキュートでチャーミングな女性です。そのあふれる情熱は一体どこから生まれてくるのでしょうか。
今回のバス旅で、素敵な人との出会いがここにもありました。

      



「上野ファーム」の白樺の小道はまさに北海道です。春先早々はクリスマスローズで彩られるのだそうです。また訪れてみたい、そう思いつつ旅を終えました。(完)

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ゆったりした時間の 大雪森のガーデン ~北海道ガーデン紀行5~

2018-07-23 | 旅行
北海道のガーデンの5カ所目、「大雪森のガーデン」を紹介します。
「大雪森のガーデン」は、上川町に位置し、石狩川が流れる層雲峡にほど近く、また大雪山の山々を望むことができる地にあります。





このガーデンでは、この地方で見られる植物、大雪山の高山植物や北海道に自生する植物が、二つのゾーンにわけて、自然な形で植えられていました。
そのせいでしょうか、ガーデンといった堅苦しい雰囲気は全く感じません。











この花は、北海道でもこのガーデンでしか見ることができない、幻のケシといわれる「ヒマラヤの青いケシ」(学名:メコノプシス)だそうです。











     

園内は散策路にそって花を楽しめるようになっています。珍しい花も見ることができました。案内のスタッフの方が時折花の名前を教えてくれるのですが、聞いたそばから頭からこぼれ落ちていきます。
カタカナが覚えられないという年のせいもありますが、このガーデンに設置されている有名レストラン「フラッテロ・ディ・ミクニ」の昼食(イタリアン)に関心が向いていたせいもあります(笑)。

















これは、北海道ではよく見かけるのだそうですが、本州などではあまりみることができない「弦アジサイ」です。



大雪の山並みを望むロケーションということもあるのでしょうか、このガーデンではとりわけ時間がゆっくりと過ぎていくようで、私たち自身が自然の中に溶け込んでいくように感じました。

素敵で、可憐で、清楚で、きれいで・・・。素晴らしい花たちですという以外にとても説明できません。とにもかくにも、カメラに収めた花たちをご覧ください。




















これは俳句の夏の季語になっている「半夏生(はんげしょう)」です。花は夏至のころに咲くのだそうですが、花が咲く時期になると葉の一部が白くなり、化粧をしたように見える(半化粧)ことから名付けられたとのこと。










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鮮やかな色の帯 四季彩の丘 ~北海道ガーデン紀行4~

2018-07-20 | 旅行
北海道のバス旅。4カ所目は美瑛町の「四季彩の丘」です。

旭川空港にも近い「四季彩の丘」は、花畑が、丘陵地帯に鮮やかな色の帯となって広がるガーデン(農園)です。
入口の建物を入ると、色彩豊かな花畑が目に飛び込んできました。
何といえばいいのでしょうか。案内サイトには「パッチワーク柄の景色」という言葉がありました。まさにそのとおりです。



「四季彩の丘」は、幾何学的にデザインされた花畑で、いわば人工的な美を堪能することができるようになっています。
開花する時期やその状況によって、さまざまな表情を見せてくれるようです。

アップダウンの丘陵地帯ということで、見学はほとんどの人が「トラクターバス」を利用していました。
トラクターバスというのは、大型トラクターが引っ張る乗り物です。このトラクターのタイヤの大きいこと。トラクターバスが風景に見事に溶け込んで、何かしら懐かしささえ感じます。













観光客は、ところどころで「バス」から降りて花畑をカメラに収めるわけです。









園内の花壇もいいですね。











周囲を見回せば、緑が絨毯のように広がっています。気持ちも大きくなってきます。これぞ北海道です。







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どうか結ばれますように ~川越市:川越氷川神社 縁結び風鈴~

2018-07-18 | 公園・庭園・名所
北海道のガーデン巡りはちょっと一休みして、今回は地域の夏まつりの紹介です。
埼玉の川越市にある「川越氷川神社」の夏のまつり、「縁結び風鈴」です。



氷川神社のHPによると、神社は「夫婦円満・縁結びの神様」とあります。







その氷川神社で5年前から始められた行事が「縁結び風鈴」。



境内には、神社の御利益にあずかろうと、ほとんどが若いカップル。浴衣姿の若い人も結構います。
ということで、シニアはほとんどいません(笑)。
随分と場違いな感じではありましたが、厚かましくもまつりの模様をカメラに収めました。

神社に入り、まず手水舎で身を清め、本殿に参拝。それから短冊を求めて、願い事を風鈴に結び付けるという手順です。







願い事を書いた短冊が取り付けられた風鈴の回廊を、若いカップルがくぐっていきます。
願い事は、“〇〇さんと結ばれますように”とか“赤ちゃんに恵まれますように”など。











ぐるっと一回りしたあとは、若者たちは、“恋花火”(花火の玉を落とさないよう、線香花火を二人でじっと持つんです)をしたり、“光る川”に見入っていたりしました。
若いってホントにいいですね。
そんなわけで、カメラをパチリした後は、早々に神社を退散して帰宅しました。

縁結び風鈴は9月9日(日)まで開催されていますから、お願いしたい方はどうぞお出かけくださいませ




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ラベンダーの絨毯 富田ファーム ~北海道ガーデン紀行3~

2018-07-16 | 旅行
今回のバス旅で見たかったもの、その一つがラベンダー畑でした。畑一面に広がるラベンダーの花。写真ではよく見ますが、それを目の当たりにしたいと思っていました。

旭川空港の南に中富良野町があります。そこにあるのが「富田ファーム」です。
ここは道内のラベンダー畑で最も有名なところ。夏空がひろがる中ファームに行くと、隣接する駐車場には車があふれ、園内は大変な数の観光客です。



富田ファームの案内パンフによると、1958年(昭和33年)にラベンダーオイルを生産するために栽培されたのが始まりで、1970年(昭和45年)には、富良野地方に約250戸の生産農家があったとか。しかし、その後社会状況の急激な変化で生産農家が激減。3年後には富良野地方のラベンダー農家は富田家一軒のみとなったそうです。

それが、1974年(昭和51年)に当時の国鉄(現JR)のカレンダーに紹介されたことをきっかけに観光客が増えだし、栽培を維持・拡大することにつながって、現在の姿になったようです。
大変な苦労の連続だったことでしょう。

ファームのラベンダーは、青空のもとで紫の絨毯を敷き詰めたように咲いていました。おそらく今はもっと色濃くさらに見事に咲いているのではないかと思います。





















ラベンダー畑の脇のエリアでは、マリーゴールドやベゴニアなどでしょうか、赤や黄色の花が咲き、ファーム全体を鮮やかに彩っていました。
北海道ならではの花の力を見た思いがしました。















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紫竹おばあちゃんの紫竹ガーデン ~北海道ガーデン紀行2~

2018-07-14 | 旅行
十勝ヒルズの次に訪れたのが「紫竹ガーデン」です。
紫竹ガーデンは、帯広市の郊外にあります。帯広空港にも比較的近いところです。



“北海道はでっかいどう” この言葉をバスの中でガイドさんから何度も聞きました。なぜかなつかしい言葉です。
とにかく広いです。大きいです。ガーデンの中も、外も。小さいことにこだわって生きている自分を反省したくなります。

ただ広いというだけでなく、緑が素敵なのです。機械的に植えられた作物までもが本当に美しいのです。











紫竹ガーデンは、1989年に紫竹昭葉さんが始めたところ。昭葉さんはピンクの服がよく似合う、上品でとてもかわいいおばあちゃん。お客さんの大人気の人です。
“うちの案内人です”と説明があった飼い猫も有名なんだそうです。確かに園内を案内するかのように歩きだしました。





「園内の花は、昭葉さんが歩きながら適当に種をまいてるんです」との説明。どこまで本当かわかりませんが、これにはお客さんもどっと笑っていました。
そういわれてみると、特別にデザインされたという感じではありません。花たちは、ごく自然に思い思いに咲いているようです。

























急に話が飛びますが、このガーデンの朝食バイキングがとてもおいしかったです。
実は朝食はホテルではなく、このガーデンで食べたのですが、野菜、煮物、ソーセージ、フルーツなどなど家庭的な味がして本当にグーでした。

そうそう、花たちが素敵だったことはいうまでもありません。


















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 雨の十勝ヒルズ ~北海道ガーデン紀行 1~

2018-07-12 | 旅行
北海道のバス旅に参加しました。北海道に行くのは確か10年ぶりのことです。
今回は、大雪・富良野・十勝を結ぶ全長約250㎞の「街道」に点在している代表的なガーデン等を巡るバス旅でした。

名称はガーデンとかファームなどと様々ですが、それぞれの施設のコンセプトのもとに敷地がレイアウトされ、北海道の気候とその成長を考慮していろいろな花が植えられています。
どのファーム等でも、本州ではあまり見ることができないたくさんの花を見ることができました。

まず最初に訪れたのが、幕別町にある「十勝ヒルズ」です。十勝ヒルズは、帯広空港からバスで30分くらいのところにあります。



十勝ヒルズに限らず訪れたファーム等はどこも広いですが、次の写真でその様子を感じていただけますでしょうか。



























十勝ヒルズはあいにくの雨模様でした。寒い日が続いていたせいもあって開花状況は今一つでしたが、雨に濡れた美しい花をみることができ、素敵な時間を過ごすことができました。



























雨に濡れた花。何とかカメラに納めました。





ところで、それぞれの花にはもちろん名前がありますが、舌を咬みそうな名前の花もあり、とても覚えられません。ご容赦ください(笑)

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とにかく暑かったです ~蝶の大温室:多摩動物公園~

2018-07-05 | 公園・庭園・名所
先日、オオムラサキを見にいきました。蝶もいいなと思い、他にきれいな蝶が見られるところを探しました。
ありました。多摩動物公園にある昆虫園です。早速に多摩モノレールで、最寄り駅の「多摩動物公園駅」へ。



ものすごく暑い日でした。そろそろ見納めの時期のアジサイもこう暑くては元気がないようです。



平日の昼下がりということもあって、園内を歩く人の数も少なく、閑散としていました。
昆虫園は正門入口から近いところにあるのですが、丘陵地にある動物園ですから、当然に坂道を登っていかないといけません。
よれよれしながら、やっと昆虫園にたどりつきました。





幼虫や蝶の展示ボックスを横目で見ながら、いよいよ蝶が飛び交っている大温室です。約2000匹が放されていると案内板にありました。







それにしてもものすごく暑いです。温室内で植物の手入れをしているスタッフの人に聞くと、室内は40℃くらいかなとのこと。
途中で、カメラに「高温注意」の表示がでるほどでした。

肝心の蝶ですが、ひらひらひらひら、あちらと思えばまたこちら。じっとしていてくれません。
汗だくでカメラを向けてもあっという間に飛び去ります。













なかなかいい写真が撮れません。蝶を撮るのは本当に難しいことがよくわかりました(笑)。















そんなわけで、どんな蝶がいるのかは、このサイトをご覧ください。


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美しい青がみられるはずでしたが ~オオムラサキ:清瀬市・台田の杜~

2018-07-01 | 公園・庭園・名所
国蝶といわれるオオムラサキを飼育するところが各地にあるようです。関東地区では山梨県北斗市のオオムラサキセンターが有名だそうです。でもちょっと遠いです。

都内にもどこか飼育しているところがあるはずと思い、ネットで調べるといくつかありました。その中に清瀬市の取り組みが出ていました。
市役所の北の方になりますが、「台田の杜」(伊藤記念公園)に飼育ゲージが設けられていました。いざゲージの中へ。



ゲージの中に、オオムラサキの写真が張り付けられています。大きな蝶です。オスはきれいです。





先客は、小学生くらいのお子さんを連れた家族の方々です。



いました、いました。たくさんのオオムラサキです。甘酸っぱい匂いがする果物の入った袋に群がっていました。カブトムシなどが樹液に寄ってくるのと同じです。
人にも平気でとまります。子どもたちがオオムラサキを手にとまらせていました。









スタッフの方に話を聞くと、正確にはわからないが、今年孵化した蝶の数は300匹ぐらいではないかとのこと。孵化してから2~3週間くらいが蝶の命とも。
この暑さで死んでしまう蝶も結構いるんですと残念そうに話してくれました。

美しい青い羽根を見せるのはオスで、メスの羽は青くありません。訪ねたときは、ほとんどがメスでした。











かろうじてオスを見つけました。偶然私の手にとまったんですが、なかなか羽を開いてくれません。写真はあきらめました。
次の機会には何とか写真にとりたいものです。





それにしても急に暑くなりました。俳句の夏の季語に「油照り」という季語があるんだそうですが、まさにそんな感じですね。熱中症に注意しましょう(笑)

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