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ヒマヒマノキ ~歩いて、見て、楽しんで~

庭園・街の花、まつり・名所。いろいろな出会いを,その時々の想いを交えて、皆様にお届けします。

エッセー ~優しさをありがとう~

2014-03-30 | 日記
先日、かつて務めていた職場を訪ねました。

5年間役員秘書をしていたNさんが3月末で退職する
とのこと。

昨年7月のブログで紹介しましたが、Nさんは小原流の師範。

秘書として勤務して以来、ずっと役員室に花をいけ続けて
くれました。

「これが最後のいけばなです」と、いつものように、優しく
微笑みながら、指さしてくれました。

そう語るNさんの表情に、ふと寂しさを見たような気がしましたが、
次の瞬間にはいつもの優しいNさんに戻っていました。



椿(赤)の花言葉は、「謙遜」「ひかえめな愛」「気取らない美しさ」。
Nさんの人柄そのものです。

職場の敷地には、通り沿いに桜が植えられています。
私が訪ねたときは、春の暖かさを待ちかねたように
蕾がほころび始めていました。



31日の退職の日には、満開の桜がNさんを見送ってくれる
ことでしょう。
そしてこれからも、Nさんを思い出すかのように咲き続
けてくれることでしょう。

優しさの大切さを感じさせてくれたNさん、ありがとう。
しなやかに頑張ってくださいね。
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エッセー ~母のひなまつり~

2014-03-03 | 日記
母は結婚以来、ひなまつりをしたことがありません。
つまり、私を含めて子どもが3人とも男だったからです。

一人暮らしでがんばって来た母も、米寿を機に住み慣れた家を離れ、
高齢者施設での暮らしをはじめました。

寂しさも加わって、施設の食事の味気なさを訴えることもあり、
母を訪ねたおりには、できるだけ外で食事を一緒にするようにして
います。

昨日夕食を共にした割烹料理店には、こんな立派なひな人形が
飾られていました。



「素敵だね」と母の言葉。

おそらく先祖代々伝わっているひな人形なのでしょう、段飾りのほか
にも、お内裏様とお姫様が、同じように飾られていました。




母を送って施設に戻ると、入り口に、紙のひな人形が飾られていました。

「職員の人たちがつくったの。私も並べるのを手伝ったの。」



母の部屋に入ると、壁に、塗り絵をした折り紙のひな人形が貼って
ありました。



「私はへただから。でも職員の人が上手ですよとほめてくれたの。」とうれしそう。

母にとって、大事な、大事なひなまつりなのでした。
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