もうセミの声が聞かれてもいいはず
なのに、まだ住まいのあたりでは
聞こえてきません。
6月から7月にかけての暑さが影響して
セミの羽化が遅れているのではないか
ということが言われているようです。
そのうちセミの大合唱があるとは思い
ますが、それにしても地中にいるセミ
の幼虫は、どうやって羽化に適切な時期を
知るのか、不思議です。
植物にもいろいろと不思議なものや、
仕組みがあります。
その一つが、上のカラスウリです。
実は、こう暑くては、たぶん開花が
遅れるだろうと思い込んでいました。
二日ほど前の夕方の4時半頃です。
いつものようにブラブラしていると、
フェンス際の草木にからみついている
カラスウリが目に飛び込んできました。
なんと蕾だけでなく、レースの花を
広げているんです。
カラスウリは夜になって咲きだし、
朝には萎む一日花といわれています。
それが、陽は落ちていませんし、
まだまだ明るい時間帯に咲きかけて
いるのです。
日中は暑くとも、夕方になれば
日陰の気温はさらに下がるとは思い
ますが、それにしてもどういうことか。
3時間ほどして、すっかりあたりが暗く
なるのを待って、再度見に行きました。
確かにしっかりとレースの花をひろげて
います。糸状に見える花の部分も花弁です。
どうしてこうも細かく裂けているのか。
ところで、このカラスウリは雄花です。
カラスウリは雌雄異株。雄花なので
早く咲き出すのでしょうか。よくわかり
ませんが、不思議です。
雌花は、去年見つけたものなら、ここから
ちょっと離れたところにあります。
さっそく行ってみました。雄花と同じ
時間帯です。しっかりと生け垣に絡み
ついていました。ただし、こちらは
蕾だけです。
そこであたりが真っ暗になった時間帯に
行ってみると、上の写真のように、
レースの花を広げていました。
ちなみに、雄花と雌花の違いは、雄花の
雄しべの先端が丸くなっているのに対し、
雌花の雌しべの先端は三裂しています。
雌花の基部は膨らんでいます。子房と
呼ばれ、この部分が受粉によって実に
なっていくわけです。
雌花と雄花の受粉を受け持っているのは、
スズメガという昆虫だそうです。
私がみた雄花と雌花の株は、結構離れて
います。どうやってスズメガはカラスウリ
の花をみつけるのか。
まだ明るいうちに咲き出している雄花も
ありましたが、夜ももちろん咲いています。
雌花のほうは花を広げていたのは夜でした。
スズメガはどんなセンサーをもっているので
しょうか。自然と言うのは本当に不思議な
仕組みです。
たぶんAIでもそう簡単には解明できない
のではないか。そう思えてなりません。