ヒマヒマノキ ~歩いて、見て、楽しんで~

庭園・街の花、まつり・名所。いろいろな出会いを,その時々の想いを交えて、皆様にお届けします。

芸術家の力 ~練馬区立美術館・三島喜美代特別展~

2024-06-29 | 美術館・博物館・記念館

現代美術家の三島喜美代さんが6月19日に亡くなられ
ました。91歳でした。
このことは新聞報道(6.27読売)で知ったのですが、
そもそも三島さんという美術作家のことは全く
知りませんでした。
国内の美術館だけでなく、大英博物館やシカゴ美術館にも
その作品が収蔵されているそうで、世界的な美術作家
なんですね。
     
新聞で、練馬区立美術館で特別展が開かれて
いることを知り、早速に、出かけてみました。
この展覧会は、5.19から始まっていて、
7.7まで開催中です。

三島さんはこの特別展を見届けるようにして、
天国へ旅立たれたわけですね。 合掌。


    
展示作品の説明パネルによると、三島さんは
1970年頃から、「土を紙のように薄くのばし、
シルクスクリーンや手書きによって陶土の表面に
新聞やチラシの文字を転写して焼成するー
この技法によって「割れる印刷物」を生み出した」
のだそうです。



それがわかるよう、作品(オブジェ)が、
実際に触れることができるコーナーに
展示されていました。題名は「空き缶」です。
手にすると、もちろんアルミ缶ではなく、
本当にずっしり重い陶(焼き物)なんです。
驚きです。

さて、写真の枚数は多いですが、
以下をご覧ください。









これらは実物大のチラシ・広告・新聞紙など
まるで本物のように見えます。
とても「陶」とは思えません。






くしゃくしゃの新聞紙や木箱などの作品もびっくりです。









段ボール箱などの作品にいたっては、表がめくれたり、
破れていたり、歪んでいたり。さらには空き瓶など。
これが「陶」でできているとは、とても信じられません。


    
三島さんは、80年代頃から、
実物大の作品を越えて、巨大な作品づくりを
手掛けられて
います。


   

   

   







コンクリートの柱に、チラシや新聞などの
ゴミが詰まっている作品は、縦に2mはあった
ような気がしますし、漫画雑誌も横幅は2m
くらいはありました。


   


   



鉄製の屑籠に入ったボール箱や空き缶、
車輪など廃材のオブジェなど、作品は
大量消費社会のゴミ・環境問題に目が
向けられています。









また、三島さんは、インスタレーションという
表現方法で、巨大なオブジェをつくりあげて
います。
インスタレーションというのは、室内や室外

場所や空間全体を、オブジェや装置などで、
芸術的な空間として呈示する手法のようです。

上の写真は、一つの展示室全体にレンガが
敷き詰められ、その一つ一つのレンガに、
過去から最近までのニュースを伝える新聞が
転写されています。

三島さんは、大量消費社会・大量情報社会の
問題、大量のごみなどの環境問題を、
ユーモアを込めて提起しているのだそうです。
私には解説する知識がありませんが、芸術には
すごい力があることを感じた一日でした。

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ちょっと珍しい花や実です ~都立薬用植物園~

2024-06-24 | 散歩

まだ少し体のだるさはありますが、
だいぶ歩きも回復してきました。
               
散策したのは、しばらく訪ねていなかった
都立の薬用植物園です。
どんな花や実が見られるか、珍しいものが
あること
を期待していってみることにしました。
今回はそんな花や実を中心にアップしてみました。





これってゴボウの花なんです。
根っこの部分を食べるあのゴボウです。
キク科です。結構きれいな花ですね。
漢方の処方薬になるのはこの果実の
部分だそうです。



カルドンという名前です。
5センチくらいあったような気がしますが、
アザミを思い起こします。
キク科で、チョウセンアザミの仲間です。
葉柄の部分が食用になるのだそうです。





ナギイカダの実です。
葉のように見えるものは、葉状枝とよばれ、
枝が葉のように変化したものです。
「葉」の上に花がつくのですが、通常、
花は春に咲き、秋に実がつきます。
どうやらもっと前の寒い時期から咲いて
いたものが赤い実になっていたようです。



ヤエドクダミです。とっくに咲き終わって
いると思っていましたら、ほんの数輪だけが残って
いました。あまり見ることがないドクダミです。









ナス科のクロホオズキです(写真の1・2枚目)。
オオセンナリの園芸種だそうですが、茎や蕾など各部が
黒紫色なのが特徴です。
ちなみに、上の写真の3・4枚目がオオセンナリ
の花です。(アブ?が花の中で花粉にまみれています)







ラシャカキグサというのだそうです。
乾燥した果実で、ラシャ(毛織物)を毛羽立てるのに
使われるところから、この名前がついたとか。
英名はチーゼル。背丈は2m近くあったと思います。
花穂も茎も随分とトゲトゲしています。
この花穂の上から下へと、ぐるっと輪のように
小さな花をつけていました。





ミミガタテンナンショウの実だそうです。
トウモロコシ状で一部が赤くなっています。
マムシグサの実によく似ています。
区別するのはかなり難しいようです。
マムシグサの実が赤くなるのは秋口になる
ようです。





ここからは、定番の花や実ですが、ほうーと
思いましたので、アップしてみました。

写真は、ハマナスの実です。たくさんできて
いました。
一般に秋口に実ができるといわれますので、
6月下旬の今にできているというのは、随分と
早いように思います。
花が一輪だけ残っていましたが、5月頃には
既に花が咲いていたのだろうと思います。







ハンゲショウ(半夏生)です。
ドクダミの仲間だったんですね。
小さな穂のように見えるのが、花です。
ちょうど今頃小さな花を咲かせ、この時期に
葉が半分くらい白くなります。不思議な
植物ですね。



ノカンゾウがまだ咲いていました。
よく頑張っているなと、誉めたくなりました。







最後にアップするのはネムノキの花です。
大きな木全体に、びっしりと咲いていました。
細い針のようなピンクの花は、花弁ではなく
雄しべなんですね。おもしろい花です。
ネムノキの花は夕方に開花するんだそうです。
そういえば、この写真を撮ったのは午後4時頃
でした。

植物園は来るたびに新しい発見があります。
自然の
面白さを見せてくれる植物園、次の機会
も楽しみ
たいと思います。

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ゆっくりでいいんですよ ~地域散歩~

2024-06-20 | 散歩

外出の際、階段の上り下りはできるだけ避けて、
エレベーターやエスカレーターを使うように
しています。
家人に言わせれば、れっきとした高齢者なんだから
当然でしょ、です。はい、おっしゃるとおりです。
   
昨日(19日)のお昼ごろ駅に行き、
エレベーター前でドアが開くのを待っていました。  
  
私の前には既に3人くらいの人がいて、
先頭の方は、シルバーカーのハンドルを
握って体を支えている高齢の男性の方でした。
私よりも年は上の感じです。
歩きがかなり不自由そうです。

エレベーターのドアがあくと、その方が
シルバーカーを押しながら、ゆっくり、
ゆっくり乗り込んで行きました。
脇で女性の方がサポートしています。
ご家族の方かなと思いました。

最後に私が乗り込み、ドアの「閉じるボタン」
を押そうとしたとき、シルバーカーの男性が、
本当に済まなさそうな声で「皆さんにご迷惑かけて
すみません」と言いました。
するとサポートしていた女性が
「迷惑なことなんかないですよ。
ゆっくりでいいんですよ」と優しく一言。
途端にエレベーターの中は笑顔に包まれました。

次の階でエレベーターのドアが開き全員が
外に出ると、ご家族かと思った女性が、
シルバーカーの男性に「お気をつけて行って
くださいね」と話しかけて、離れていきました。
ご家族ではなかったんです。
すがすがしい光景でした。

歩きは遅くとも、自由に散歩できる自分は
幸せです。地域はすっかり夏の草花です。



アジサイが依然として主役です。
ウズアジサイが今年もきれいに咲いています。



黄色いユリは上を向いて咲いています。
スカシユリなのでしょうか?





ナツツバキです。
今はもうだいぶ散ってしまっています。



ヤマボウシと思います。
このあたりでは、そろそろ終わりの時期のようです。



ナンテンです。
フォローしているブロガーさんの写真に
あったので、覚えていました。
間違いないと思うのですがー。





ヤエクチナシの花です。
10センチくらいの大きさです。
良い香りがしています。







まさに今が盛りですね。
アガパンサスです。
和名がムラサキクンシラン。素敵な名前です。



アガパンサスの写真の1枚目にも、
ちらっと写っています。
赤みを帯びたオレンジの色の花は、
ヒメヒオウギズイセンです。
野生化しているようで、いたるところで
見られます。



これはヘメロカリスだと思うのですが、
空き地に密集して咲いていました。



七変化のランタナも開花期を迎えてようです。







夕方に開花するオシロイバナ。
これからずっと楽しませてくれるはずです。



キキョウ(桔梗)の花は、夕方にみると
実に涼やかです。



グランドカバーに用いられるそうですが、
緑の中の黄色い花が可愛いセダムは、
微笑ましくて好きです。
別名がマンネングサとかベンケイソウと
いうそうですね。



たくましいワルナスビの花です。
これは花が、3センチくらいの大きさがありました。





野イチゴの実です。
種類がいろいろあるようですが、
この名前は何でしょうか。

花を見ることで、脳の「活性化」に繋がると
いわれる
んだそうです。
うんちくはともかく、暑い時期でも花は
本当にいいですね。

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灯りに浮かぶあじさい ~小平市あじさい公園~

2024-06-13 | 公園・庭園・名所

アジサイが、あちこちで咲いているのを目にします。
テレビや新聞などでは、アジサイの名所が紹介されて
います。たくさんのブロガーさんがアジサイの記事を
アップしています。
     
ところで、アジサイ(ガクアジサイ)は日本原産です。
このガクアジサイから生まれたホンアジサイがヨーロッパに
わたり、品種改良されて西洋アジサイが生まれたのだそうです。
  
アジサイといえば、その風情が、古来和歌や短歌に
詠まれてきています。
ネットをみると、与謝野晶子の次のような短歌が
紹介されていました。

紫陽花も  花櫛したる  頭をば  うち傾けて  なげく夕ぐれ」

こうした風情のアジサイも詠まれていたんですね。



そんな折、たまたま新聞に、小平市の「あじさい公園」が
夜間ライトアップされると出ていました。
どんな光景が見られるかライトアップ初日に行ってみました。



駅から公園に向かう散歩道です。思ったほどの人では
ないようです。





園内に入ると、数か所、ライトに照らし出された
あじさいが浮かび上がっていました。













静けさの中のあじさいとでも言ったらいいの
でしょうか。
日中とはまた違った雰囲気で、穏やかさ、
柔らかさ、もの寂しさを感じます。











夜間のあじさいは、やはりうまく撮れません。















西洋アジサイの立ち姿は、柔らかさの中に
きりっとしたものがあります。





ガクアジサイは、風雅な趣を感じます。

これから梅雨を迎えます。雨の雫に濡れた
アジサイの風情も素敵なものになるだろうと
思います。

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なかなか思い出せない ~ファミレスでの長話~

2024-06-08 | 散歩

数日前、かつての同僚と、ランチを共にしながら、
仲間の消息や仕事の話、家族の話など、長話を
しました。

  
話しながら「ほー、そうだったのか」と感心したり
するんですが、考えてみれば毎回同じような話です。
家人に言わせればただの「男の長話」。
ところで、二人の間でいつもぐちめいて口をつくのは、
お互い忘れっぽくなったという話。

今回も、あれこれ話しているうちに
「ファミレスは高齢者の時間つぶしに持って
来いだよな」。「そのとおりだよ」。

「あそこも行ったよな。中華料理で、全国的な店。
名前なんだっけ。中国の僧が経典を求めてインドに
向かう途中、立ち寄ったところだよ。多くの
仏教寺院・石窟があったところ。
厳寒の峡谷を越えると、そこには広大な大地が
拡がっていたというあの話。中央アジアだよ」
その国に向かった僧がいたじゃないか。
名前は誰だっけ。うーん思い出せない」

「誰だっけ、唐の僧だよな」。

ファミレスの名前を思い出すはずが、
いつのまにか唐の僧が誰だったかという話に
なっていました。
結局、最後まで僧の名前が思い出ません。
帰宅してから、夜中になってふと思い出し、
ネット検索。

    
ヒットしたのは玄奘三蔵。西遊記に出てくる
あの三蔵法師です。
玄奘が唐を出発して、インド(天竺)に向かう
途中立ち寄ったというのは、今のアフガニスタン
のバーミヤン。
仏教寺院などの史跡が世界遺産になっている
バーミヤンです。
彼にラインすると「そうそう。認知力が落ちたよ」。
最初から主なファミレスの名前をあげていれば、
すぐわかったはずですがー(笑)。





ツバメが飛び回っています。
駅舎の天井です。カラスなどから雛を守るには
絶好の場所のようです。

散歩コースの花も夏バージョンです。
  




いろいろな方のブログに紹介されている
クチナシです。近くに、毎年咲くところが
あるので、早速行ってみました。
ばっちり咲いていました。


     

      
ヤエクチナシのほうはどうなっているか
見に行きましたら、こちらはまだ蕾でした。
うまくいけば、数日後にはアジサイとの
コラボがみられるかもしれません。



アジサイもいろいろな色づきをしたものが
見られるようになっています。
アジサイの名所にも行ってみないといけません。




   
上の写真はストケシア、下はアルストロメリア
(ユリズイセン)ですね。





夏ぴったりのモナルダ(タイマツバナ)です。


     

     
ユリの花も随分と見られるようになりました。
バラとは違った優美さがありますね。

年を重ねれば、物忘れは致し方ないこと。
それより今を楽しむことの方がはるかに大事。
歩きの力を回復させるよう頑張ることが先決
です。

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おかえりなさい ~うれしい一言~

2024-06-03 | 散歩

     
一か月ぶりに、中断していたリハビリを再開。
いつもの施設に行きました。久しぶりの感じです。
ちょっと気恥ずかしい感じでした。
     
中に入っていくと、施設のスタッフさんや、
親しい利用者さんから、「おかえりなさい!」

何気なく使っていた「おかえりなさい」の言葉。
こんなにも嬉しく感じられる言葉だったんですね。

リハをやめるわけではなかったので、
リハを休むときに、利用者仲間の方には何も
言わなかったんです。
にもかかわらず、再会した利用者仲間の
皆さんから、笑顔で、
「リハを止めたのかと思ってたよ」
       
心配をおかけしてすみませんでした。
嬉しい言葉をありがとうございました。

退院後、少しづつ歩きながら、花の写真を
撮っていました。いつものコースに、
これまで気づかなかった花がありました。





トックリランです。花は地味な感じですが、
こんな具合だったんですね。


      


オレンジ色の多肉植物の花です。
アロエの花ですね。
今までも見ていたはずなのに、
初めて花を見た気分がしました。



ケチョウセンアサガオの白い花です。
これまで、なかなか花に出会うことが
なかったんですが、意外とあっさりご対面
となりました。





ルリトウワタ(ブルースター)の青い花です。
いつも他の草花に埋もれているんですが、
ひょっこり顔を覗かせていました。





これはホタルブクロですね。
何と、通りのお宅の玄関わきに咲いていました。
花壇ばかりに目をやっていたので、
これまで気がつかなかったのかもしれません。





垣根に白い小さな花がびっしりついていました。
イヌツゲの花のように思いましたが、どうでしょうか。
これも見落としていたようです。



雑草として嫌われ者のワルナスビの花の
ようです。
刈り取られても、いつもどこかからか
顔を出します。たくましいやつです。

ちょっと散歩を休んでいただけなのに、
まるできづかない花を見る目が
養われたようです。
もちろん、偶然そうなっただけのことですが、
思いがけない嬉しい出会いに感謝でした。

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