カツ★ガレーヂ

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祝!50歳

2011-01-15 19:21:49 | スポーツカブC110
うちのスポーツカブC110Sは1961年(昭和で言うと36年)生まれの今年で満50歳!
先日今年初めての初乗りでちょいと街中を走らせました。


半世紀生きてきたまさに「骨董品」とも言える単車です。東京オリンピックが1964年ですからそれよりも前ですし、高度経済成長期もバブルも、日本の成長の中を50年間過ごしてきた家にいる60年代車の中でも一番古い1台。これまでどんな所でどの様に使われてきたのか・・・


さすがにおよそ50年間でほとんど死んだ状態になっていたのを家に来て今の状態まで復旧させました。50年前の単車といえど今でも買い物にちょっとしたおでかけに十分に走る事ができます。今時の電子制御の単車ではそんな事は無理でしょうが、当時の簡単な機構のおかげでまだまだ維持していく事が出来ます。



色は珍しいサンタンカラー。写真のような薄い茶色の中にほんのり赤みが入ったような色です。経年劣化しやすい色で、経年劣化をするほど赤みが表に出てきて色が薄くなるため、ピンクに近いような色になって行きます。家に来たときも日に当たった部分とそうではない部分がツートンの様になっていました。
それを日が当たっていない原色の状態に復旧。


車体はC110「S」です。C110SのSはシングル(シート)仕様のS。その特徴と言える初期型のリアキャリア一体型シート。後期型はキャリアとシートが分離型になりますので初期型ならではの特徴あるシートです。
余談ですがフレームナンバーがC110Dの「D」はダブルシート仕様という事ではなく輸出仕様です。


同じく初期型ならではの金物ホーンエンブレム。厚みがあり重厚な作り。後期型や後部品はアルミになります。1960年発売のスポーツカブですが、すでに発売時からウインカー付でした。


走行距離は7000kmオーバー。これからもう少し距離を稼がせてあげたいと。やれていますが当時物のHMマーク入りスピードメーターです。


エンジンは初期型の3速ロータリーミッション(N-1-2-3)。ツーリングにでも走りに行くのなら後期型の4速ミッション(N-1-2-3-4)の方が良いのですが、待ち乗りであれば3速で十分です。
エンジン機構はプッシュロッドのあるOHVながら、機構としては今のモンキーやカブ等とさほど異なりません。
電装は初期型の発電(点火)コイル、イグニッション(ハイテンション)コイルが一体型となってフライホイール内に収まっているタイプ。この為熱の影響によりコンデンサーのみならずイグニッションコイルにも不良が起こりやすく、点火系がウィークポイントです。後期型からはイグニッションコイルのみはフレーム側に移設してありますのでホンダ側でもこの弱点は把握していた模様。


この車両は初期型なのですが、後期型のインテークマニホールド及びオイルパイプ接続口付のキャブとなっています。キャブは京浜のPW16。
最近までのキャブ搭載のカブ、モンキー等はエンジンとキャブレターがマニホールドで直結してあり、そのエンジン熱でキャブレター内での気化により冷えるキャブレターのアイシング対策がされていますが、このスポーツカブはキャブがフレームに付いてしまっており、エンジンとキャブがゴムのインシュレーター経由でしかつながっていないのでエンジンからの熱が伝わりません。
この為走れば走るほどキャブが冷えてしまいキャブの状態が安定しづらいと言う欠点が有りました。
この為後期型からクランクからヘッドへ送るオイルをキャブを中継する事でキャブを暖める様になっています。又インシュレーターが短くなったのもインシュレーターが長すぎ断裂などが起き易かったからではないかと。
この初期型C110Sは初めの頃の所有者にキャブのアイシング対策で後期型キャブへ交換された物か、1960年に発売後、1961年にはキャブのみ対策された改良初期型が発売されていたのか、今のところその辺りは分かりません・・・。よくスポーツカブは初期型と後期型の両方の部品が付いている車両もあるのですがワンオーナー車で改造されていないと明確に分かる車両ではない限り後で改造された可能性も高く、なんとも言えません。



後期のメッキサイドカバー付タンクも良いですが、初期のクリームタンクは惚れます。

今年はサンタンC110Sも実働状態で維持してどんどん走らせて行こうと思います。年始早々コンデンサーかイグニッションコイルが原因で不調の症状が出ていますが・・・。
コメント (6)
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