ROSE POSYのハンドクラフト・ブログ

”手仕事”の楽しさをお伝えできればと思います。ROSE POSYオリジナル作品もどうぞお楽しみ下さい。

ジュエリーの工業化

2009年08月14日 | ジュエリーよもやま話

テレビの通販CMって、本当に笑っちゃうくらいワンパターンでツッコミどころ満載ですが、とくに、ジュエリーものは、10年前とセリフがまったく変わっていないアイテムですよね。

『すってっき~♪絶対ほしいわぁ~!でも、お高いンでしょう?』
『いえいえ、今日はメーカーさんの特別のお取り計らいで、なんと1ctのダイヤを10万円でご奉仕させていただきます!』
 (会場、『え”っ~!!』と一斉にどよめき)
『ちょっと待ってください。それだけではありません。今回は、おそろいのイヤリングもつけてのご提供です!』
 (会場、拍手喝采、パチパチパチ)
『うっそぉーー!○○さん、そんな安くしちゃっていいんですか?』

云々・・・

先日、『キュービックジルコニアのジュエリーが10点で19,800円!』というCMにお目にかかりました。主婦の財布の紐が締まりっぱなしのこのご時世、いよいよ、激安ダイヤも売れなくなってきたので、ついにフェイク&点数で勝負と相成りましたか・・・。

シルバー台の、フルセッティングのネックレス、テニスブレス、ペンダント、イヤリング、リングの5アイテムが、CZのホワイトとブラック2セットで、合計10点だそうです。激安量産もここまで来ると、すごぉいー。(@_@;)
ここまでくると、まさに、『工業製品』を思わせます。ベルトコンベヤーで流れてきた空枠を、大勢の工員さんで組み立てていそう・・・(笑)

自分が作る際のコストを考えると、あまりの安さにタメイキが出てしまいます。国内では、材料代と鋳造・ロジウムの外注費だけで、2万円くらいのコストはフツーにかかっちゃいそうです。いくら量産とはいえ、磨きも爪留めも人の手がかかる工程なのに、どんだけ加工賃の安い国で作っているんだろうなぁ・・・。

それぞれのアイテムのルックスは、よく高級ジュエラーで見かける、ありきたりの(&失礼ながら微妙にダサい)デザインです。こういう、見た目だけホンモノにみせかけているジュエリーというのは、女性のファッション・リテラシーが低かった、ちょっと昔の日本なら受けたかもしれません。だから、(失礼だけど)中国とかロシアとか、まさに発展真っ最中の国では売れそうだけど、今の日本でどうなのかなぁ。。。

フルレングスのダイヤネックレスだとか、2カラット相当ものソリテールのストーンをつけるなら、装いもそれに見合った仕立てや品質の良いドレス、高級そうな靴やバッグでないと、釣り合いが取れません。

日本では残念ながら、高級ジュエリーを着用する場はかなり限られており、そうしたセレブリティや真性のお金持ちが集まる場に、ニセモノをつけていくというのは、なんとなく居心地が悪くないでしょうか。つけている人の服装や全体の印象・雰囲気(オーラ?)から、ぜったいにホンモノのダイヤじゃないことはバレちゃうもんです。

でも、私は人工石を否定しませんし卑下もしません。人の知恵と科学で作られたれっきとした『宝石』ですからね。でも、人工石を使うなら、思い切り個性的なデザインの目立つジュエリーで人々の注目を集め、『これ?CZよ。変わってて面白いでしょ?』と堂々と言い切ります。ばれやしないかとビクビクしながら着けていたり、後ろめたい嘘をつくより、よっぽどか気持ちが良いと思います。

でも、この10点イチキュッパ、売れるから作っているんでしょうから、人の商売にケチをつけることもないですよね。m(--)m いったい、どんな人がどういう用途に買っているのか、マーケティング的にとても興味があります。



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