私が最近気に入っている、CMのキャッチコピーです。コーヒーのFireのCMで、松井選手が登場します。
『ある日突然、うまくはなれない』
至極当たり前のことを言っているのですが、なぜか励まされたのです。
ハワイアンジュエリーの習得が、予想以上にてこづっておりまして、やってもやっても、なかなかうまくならない。つまりなかなか前に進まなくて、『やっぱ私にはムリ~?』とついつい弱音が出てしまい、途中でテンションや士気が下がってしまったりしていました。ラヴァーグに行く日も、ルンルンという感じではなく、ちょっとプチ憂鬱な気分。
CADとかWAXモデリングって、教えられたとおりにやれば、なんとなく形になるじゃないですか。しかも、どんどん課題が進むごとに高度なことが出来てきて嬉しくなります。そして出来上がった作品は自分で着用してご満悦♪モチベもますますUPします。
ところが、彫りの技術習得というのは、目に見えて形ができていくという進歩の感覚がなく、淡々と地道に同じ動作の繰り返しです。次のステップに行くためには、今目の前の課題を完璧にマスターしなければなりません。なぜなら、次はもっと難しい高度な技や複雑な絵柄が待ち受けていますから・・・。基礎の土台工事ができてないと、家が建たないのと同じです。そして、今そこに自分のした作業の結果の醜悪さをその場で思い知って凹む、ヨーシ次はうまくやるぞ!と気を取り直して、また凹む、の繰り返しなのです。
ひたすら、花花花・・・・。何個彫っても
綺麗な花にならないよ。
それでも、何度か繰り返すとコツがわかってきて、『お?いいかも?!』という瞬間があります。すると、もっと綺麗に彫れないかな、と欲が出てきてしまい、やり方を工夫したりフォームを変えてみた途端に、元に戻ってしまいます。それで綺麗に彫れたときに戻れなくなったり・・・(笑)
まるで、野球のフォームの改造中のようです。フォーム変えたらかえって下手になった、みたいな感じで。そうこうして行きつ戻りつするばかりで、まったく上達しているように思えない私、『向いてないのかも・・・』と、ちょっと投げやり気味になっていました。
マイレと花に、プラスして
スクロールという技術が加わり、
模様がどんどん複雑化して
もう、半べそかき状態です。
しかし、先週のことなのですが、ふとグレーバーを持つ手が軽いことに気づきました。そして、練習した銅版を、最初の頃から時系列に並べてみて見ると、確実に彫り跡がなめらかになっている。そして、彫るたびにバラバラで安定しなかった形が、まとまってきているのに気づきました。そして、時々ですが、自分でもホレボレするような優美なラインが引けることがあります。偶然なのですが、何本彫ってもそういうラインがまったく引けなかった時から比べたら大進歩です。
これだ!”まったく”うまくなってない、なんてことはなかったんだ・・・。
お手本に比べたら、まだまだ雲泥の差ですけれども、自分で気づかないほど、少しずつ少しずつ、前に進んでいるのだという気持ちになった途端、突然、面白くなって来ました。気持ちもアガってきました。
数ヶ月でプロ並みの腕になっちゃったら、ハワイの彫り職人さん、みんな失業しちゃってますよね。中にはすごい勢いでどんどん上達している生徒さんもいるようですが、私は私です。
伝統工芸の道はやさしくない、ということを肝に銘じて、ゆっくりですが、必ずマスターしたいと思います。
初心者とは思えない仕上りですね。
ジュエリーになった姿を早く見てみたいです。
ROSE POSYさんなら、きっと素敵なハワイアンジュエリーになると思います。
ストーンセッティングでも、自分で「なんでこんなにキッタナイノ?」といつも思います。なかなか爪の大きさを揃えるのは難しいものです。特に頼まなければ先生はやり方を1回しか見せてくれないので色々考えます。例えば爪の麓が広すぎると言われたのであれこれやってみると、今度は谷間の線は1本でなきゃダメと言われる。ということは谷はもっと深くないといけないってことか、てな感じ。比較的単純なセッティングでもこうなのだから、絵を描くのはもっと複雑なはず。私なら多分、図柄を紙にペンで書くところからやらないとダメだろな。絵も描けないのに彫れる訳ないもん。ちなみにウチの先生は練習には余分なネバリがないので銅より洋白の方を勧めます。硬いけど、ステンレスでも彫れるマシンだから関係ないと思います。
洋白って言葉ははじめて聞きました。学校の教材用の銅板は、かなり強い圧力でプレスしてある特殊な板だと伺いました。サクサクと切れがよく彫れます。洋白は高いですか?彫ってみたいです。
銀は、特にキャスト品はねばりがあってやわらかく、彫りづらいです。なので、この機械で彫る場合は、リングでもなんでも地金から作った台がもっともふさわしいそうです。なので、キャスト品をわざわざ金槌で叩いたり、1サイズ大きめにつくったものを治具で圧縮するなどしてギュっと地金を締めてから、表面を成形する作業が必要とのことです。
昨日、アリーをお訪ねになって『洋白』をお預けになられた方は・・・。
わざわざお越し下さいましてありがとうございました。本当に温かいお心遣いに感謝いたします。大切に使わせていただきます。ある先生が、『ペンダントトップにできるわね。』と言ってくれましたので、シルバーの緊張感を持って綺麗に彫れるよう頑張ります。