ROSE POSYのハンドクラフト・ブログ

”手仕事”の楽しさをお伝えできればと思います。ROSE POSYオリジナル作品もどうぞお楽しみ下さい。

「最初は銀色だったんです・・・」~ホワイトゴールドって何?~

2007年05月23日 | ジュエリーよもやま話

私の日常使いのリングより
【ムーンストーン】
(本文とは関係ありません)

私の知人の男性が、銀色とも金色ともつかない薄い黄色っぽい地金の結婚指輪をしていたので、「珍しい色ですね。」と尋ねると、

「いや、最初は銀色だったんです・・・」

とのこと。聞くと誰もが知ってる有名なブランドでした。

それから、私の身近の何人かのリングにも同じような状況が見られました。 どれもホワイトゴールドだとのことです。

ホワイトゴールドのルーツは、第一次大戦後、ロシア革命の混乱でプラチナ(Pt)の供給が大幅に減少したために、プラチナの代用品として開発されたのがはじまりだそうです。(ロシアはいまでもPt産出世界第2位)


以下は、ある宝飾屋さんから小耳に挟んだ話です。

ホワイトゴールド(WG)といっても最初から白い金は存在しません。イエローゴールドに割金(ニッケルパラジウムなど)を混ぜた合金です。

ところがニッケルは金属アレルギーを起こすと騒がれて排除され、一方でパラジウムがプラチナ並みに高騰して、いずれの割金も市場での供給量が激減した結果、プラチナに替わる完全な銀色にすることがコスト的に難しくなり、黄味がかった地金にやむなくロジウムメッキをかけることになったのだそうです。

ロジウムメッキは、いずれは磨耗で剥げますから、私が目撃したような地色が出てきてしまうというわけです。 もちろん、メッキしなくていいほど地金が白い、クオリティが高いWGは存在しますから、”メッキが剥げたら黄色になります”、というのは、一種の反則ですよね。

しかも多くの商品は、メッキ(プレーティング)の表示がされていなかったりします。 お店でWGのジュエリーを買うときは、よく確認したほうがいいですね。(もっとも、販売員がどれだけの知識があるか疑わしいですが・・・。)

メッキが剥げて黄色になったら再度メッキしてもらうという方法もありますが、普通の人はそんな面倒なことやらないですよね・・・。そういうもんだと割り切るしかないのかな?

でも、変色しないことがゴールドの良さなのに、地色を隠すためにまったく異なる金属でメッキって、なんだかもったいない気がします。