ROSE POSYのハンドクラフト・ブログ

”手仕事”の楽しさをお伝えできればと思います。ROSE POSYオリジナル作品もどうぞお楽しみ下さい。

ブランドものなのにお手ごろ価格 ・・・COACHのジュエリー

2012年04月21日 | ジュエリーよもやま話

久々に、ジュエリーネタに戻ってきました。

私は、ブランド物に疎いので最近まで知らなかったのですが、あの革製品の老舗ブランドのコーチ(COACH)から、ジュエリーが出ていたのですね。(恥)

ブランドものに興味のない私でも、COACHの名前は、日本で流行するかなり前から知っていました。その頃のCOACHは、アメリカの働く女性たちの通勤バッグとしてヘビーデューティな製品が中心で、お洒落というよりも、とにかく丈夫でシンプル、実用的なデザインの革製品が中心でした。今のようなモノグラムの商品やかわいい色のグッズ類もなくて、質実剛健で職人気質な地味なイメージの会社でした。

さてさて、さっそく、COACHの公式サイトから、新作ジュエリーの特集を拝見しました。

デザインは、いずれも若い年代の女の子をターゲットにした、いわゆる甘めのかわいい感じです。そういえば、サマンサタバサもコンナ感じでした。

シルバー製ですが、ピンクゴールドのコーティング(=メッキ)で高級なイメージに仕上がっています。

上の写真は6通りにも使えるペンダント。真ん中のハートと、抜いたハートは裏表リバーシブルに使え、上の写真のように2つのハートを横に並べて鎖に通すこともできます。1点で、TPOに合わせたコーディネートが楽しめそうです。

さて、今日は商品を紹介したかったわけではありません。ここからは、ちょっとマーケティング的なお話です。
私の”オモテ”の仕事は、実はマーケティングです。業種違いだから偉そうなことは言えないのですが・・・。



ブランドもののジュエリー、というカテゴリーにありながら、COACHの注目すべき点は価格設定です。
下の豪華なペンダントもチャームとセットで、17,850円。  市井のSilverのジュエリーとしては、かなり安めの価格帯といったところでしょうか。それがCOACHブランドでその値段というのは、COACHファンにとっては、かなりお買い得感がありますね。


他の外資系老舗ブランドの差別化ポイントとして、COACHは、日本の若い女性が衝動的に自分買いするには、ちょうどいいお値段のところを狙ってきています。バッグを買った人が、ちょっとだけ背伸びして、”ついでにこれも・・・”という感じでしょうか。なによりも、安いにもかかわらず、”ブランドものを所有する”という歓びといいますか、ありていにいえば、”これ、Coachなのよ!”という、ちょっとだけ自慢したい女心も満たすことができますよね。

最近は、海外から大衆ブランドが次々上陸し、日本人の服飾品についての考え方がかなり変わりました。流行を先取りしたい、という女性の購買行動自体はバブル時代から変わりありませんが、ファストファッション全盛の今の時代は、老いも若きも、富める者も貧しき者も(笑)、すべての人々が、シーズン限りで着捨てる感覚で、安くておしゃれな洋服を次々と新調できるようになりました。同様に、小物や装飾品も、”安くておしゃれで、でも安物に見えないもの”が求められているようです。

COACHが、スワロフスキー・クリスタルに注目した点も、非常に巧いポイントだと思います。日本では、ネイルや携帯デコアートの世界で、スワロフスキー・クリスタルがより高級感のある素材として親しまれているので、それがジュエリーに使われていても、何の違和感もないことでしょう。 "キュービックジルコニア使用”よりも、”スワロフスキー使用”のほうが、ステータス感があります。
メーカー側からすると、スワロフスキーを採用したということは、石留めの工程が不要で、糊で貼るだけですから、制作コストの面でも大幅にコストダウンができます。

こうして、COACHは、ブランド=無駄に高い買い物、というイメージを変えてしまいました。一歩間違えば、安物のジャンルに入ってしまいそうなギリギリの低価格路線ながら、ターゲットとなる購買層を非常によく研究した商品戦略によって、ジュエリーの新ジャンルを築いたといっても過言ではないと思います。

私は、COACHの製品自体は肯定も否定もしません。ただ、日本の現在の市場や大衆の購買傾向を徹底的にリサーチした結果といえるマーケティング戦略を展開しているという点を評価しています。



ちなみに、COACHの公式サイトでは、アクセサリーは、時計・ポーチ・キーホルダー・手帳を指し、リングやピアス、ネックレスなどはすべてジュエリーというカテゴリーにおいています。


『女性がXmasプレゼントに欲しいもの(2011ランキング)』から思うこと

2012年02月27日 | ジュエリーよもやま話

時期が外れてしまいましたが、もうすぐホワイトデーということもあり、あえてトピックスにしました。

某テレビ番組の取材結果で、女性がクリスマスプレゼントに欲しいもののランキングは以下の結果でした。

1位 ブランド物のアクセ  (1.Tiffany 2.4℃ 3.Channel)
2位 ブランドバッグ  (1.MIUMIU 2.Louis Vuitton 3.Gucci )
3位 ブランド腕時計(1.FoliFoli 2.Cartie 3.Channel)

全て、”ブランドの○○”、、、というご指名つきなんですね。誰が見ても、”あのブランド”とみてわかるものが欲しい、というのはやはり、同姓を意識した(友達に勝ちたい、目立ちたい、上流志向の女に見られたい)女心の表れでしょうか。

特筆すべきなのが、アクセサリーの2位に日本のブランドに入っていることです。

以前の調査では、アクセサリーもすべて海外ブランドでした。(たしかCartie。ネコも杓子も、トリニティとかラブリングとかバングル・・・)もしかして、4℃が日本のブランドと知らない人も多いのかもしれません。

今は、ブランドもノーボーダーの時代。SONYを自国の企業だと信じて疑わないアメリカ人もいますし、UNIQLOやMUJIも、世界中にファンがいます。 人々が好む商品コンセプトに国境はありません。品質や価格面での顧客満足をさらに後押しするサクセスファクターが、”ブランド”です。○○を持っていることにステータスを感じる、あるいはカッコイイ、心地よい、○○を人に贈ると喜ばれる・・・といった、ユーザーエクスペリエンスを突き詰めれば、ブランディングを無視することはできないと考えます。

私が好きな日本の世界的ブランドに、”Imabari”があります。

愛媛県の特産、今治のタオルに冠せられたブランドです。四国で生産される、一定の基準を満たした高品質のタオル全般に称される、地域特産品ブランドで、今ではこのマークは高級タオルのステータスシンボルになっています。中国などの輸入品に押され、衰退する一方だった四国の繊維産業でしたが、新しいブランド戦略により、今治タオルは高品質の商品として再びその価値を見直されるところとなりました。このimabariブランディングの成功には、立役者となったプロのブランドクリエーターの存在があります。

ご参考: 今治タオルプロジェクト

良い商品の条件には、もちろん、品質、デザイン、機能性といった基本的な評価要素がそなわっていなければなりませんが、人々に好まれるために必要な最後の成功要因は、『ブランド』だと思います。日本のメーカーは、企業規模に関係なく、ブランド戦略でも頑張れば、世界を相手にできると信じています。

・・・とはいえ、なにがなんでも自社内でブランド戦略を立案・実践しようとすると、メーカー目線の自画自賛的なコンセプトを押し付けることになりかねません。 自社に高いブランディングスキルがない場合は、imabariのように、専門のコンサルタントにブランドプロジェクトをアウトソースするというのも手だと思います。コンセプトやロゴをお金を出して人に考えてもらう、なんていう習慣がなかった企業にとっては、一見、無駄な投資のように見えますが、後から得られるメリットの大きさを考えればお安いものだと思います。


時期ハズレのクリスマスツリーの巻 (時節に間に合わなかった作品)

2011年12月28日 | ジュエリーよもやま話

こちらは、ジュエリーCADの原型データから光造形していただいた樹脂原型です。

このブログが休業状態に入る前に作ったものですから、相当時間がたってしまいましたね・・・(苦笑)
作品として完成できずにそのままになっていたのを,最近発見してしまいました。

ごらんのとおりの、クリスマスツリーのモティーフですが、今年のクリスマスにも間に合いませんでした。(^^;;;でも、せっかくだから、最後まで仕上げようと思い立ち、いつもキャスト(鋳造)をお願いしているお店に原型を郵送したのですが、後ほど店員さんから、お電話をいただきました。

『申し訳ありませんが、樹脂原型は、うちで造形したもの以外は、もしキャストに失敗しても補償ができません。そうしたリスクがあることをご理解いただいた上で作業させていただきますが、いかがいたしましょうか。』とのご相談でした。

店の人がこんなにも念を押して慎重になるのには、過去にお客さんとお店の間でトラブルがあったのかもしれません。このお店でCADモデルの造形をお願いした場合は、鋳造に失敗した場合は、無料で原型を再出力・鋳造のやり直しをしてくださるようですが、他店で作ったものは有償になってしまうとのことです。

『別に失敗したらしたでかまいませんよ。やってみてください』と申しましたところ、お店の人から、まだ迷ってる風で、”まずゴム型を取ってから鋳造しましょうか?”とのご提案が・・・。

樹脂原型→鋳造 のやり方だと、原型は工程中に消失してしまいます。しかし、
樹脂原型→ゴム型→ワックス→鋳造だと、樹脂原型も残せるし、鋳造に失敗しても、ゴム型から再度作業できるので、安全です、というわけです。

それほど未練のある作品ではなかったけれど、ゴム型からの鋳造をお願いすることにしました。
一点ものなのにゴム型なんてもったいないかな。いくつか石違いで作って来年のクリスマスに、お友達に配ろうかしら。(笑)

で、結局のところ、もしかするとダイレクトキャストでも失敗しなかったかもしれないこの作品ですが、、、、


カンペキに鋳造できています。ありがとう!



へへへ。ゴム型です。
ゴムの色がいつもと違います。(いつもはオレンジ単色)
樹脂原型の場合はこうするのかな?
このゴム切りの技術も、いつもすごいと思います。


樹脂原型も残っています。
このお店の鋳造は湯口をできるだけ目立たせず、
また、地金スレスレのところで切ってくれるので
除去作業が楽で有難いです。


これから、仕上げていきますが、もう時期ハズレになってしまったので、作品の公開は来年のクリスマス近くまでとってしておくことにします。。(^^)


お気に入りのシルバーアクセサリーを長く綺麗に保つために・・・

2011年12月16日 | ジュエリーよもやま話

先日、電車の中で女の子がクリスマスのプレゼントの話題で盛り上がっていました。

A 「去年はさー、シルバーのペンダントだったんだ。Tixxxxyのやつ。」 
B 「ああ~、あれー、カレシからだったんだー。」

A 「ていうかぁー、なんか汚くなってきちゃってぇ、もうしてないしぃ。」

B 「やっぱねー。だから、あたしシルバーって、キライなんだよねー。」

ふーむ・・・・。このように、シルバーをお手入れするのが面倒な人たちに当たってしまうと、結局、そのままお蔵入りになって、二度とつけることがなくなってしまいます。つまり、大枚はたいて買ったプレゼントが、数ヶ月で”ゴミ”。とても残念なことです。彼女に初めて贈るプレゼントは無垢のシルバーはやめておいたほうがいいかもですね。(^^; お店の人に聞いて、ロジウムコーティングされているものを選ぶとよろしいでしょう。


たしかにシルバーは放置しておくと、酸化して黒ずんでしまいますし、黒ずむ前に、表面が黄色ぽくツヤがない感じになるので、その時点でもう興ざめして放置してしまう人も多いものです。
さて、いかにシルバーを黒くさせないか?

結局、いろいろ試した結果、私がもっとも納得しているアイテムがコレ!

100円均一で売っている、チャックつきのポリ袋です。

基本的に、私の普段のシルバーのお手入れ方法は、使用後、ティッシュか柔らかな布で表面を丁寧に拭いてポリ袋にしまうだけです。1つにつき1袋。(個別包装ですね。笑)チャックを閉めるときに、できるだけ空気を抜きます。また、アクセサリーの大きさに極力近いサイズの袋にしたほうがいいです。Ziplockなどの大きい袋にまとめて入れたりすると、アクセサリー同士傷つきやすく、また出入りする空気の量も多いのでで、さび止め効果が減ります。

ゴールドやメッキしてあるアクセサリーも、空気に触れるとだんだんとくすんでツヤがなくなっていきますから、この方法で保管すると美しさが長持ちします。

最近はシルバー保存専用の袋も売っていて、私も試してみましたが、効果は100均のポリ袋とそれほど変わらないなぁという印象です。

ヘビロテのアイテムには、シルバークロスがあるとベターですね。磨くと小傷がとれて、まるで新品のようにワンダフルな輝きが戻ります。上の2つの作品は、お気に入りで頻繁につけているのですが、シルバークロスのおかげで、いつもピカピカ。私が長年愛用している、イチオシのシルバークロスは、ハガティ製のものです。ハガティは100年以上の歴史を持つアメリカの銀製品磨き専門メーカーですから、その製品の品質は間違いないでしょう。



ハガティHPより転載


このタイプは、1枚1050円しますが、大きさが24x30cmもあって、布も丈夫なので非常に長持ちします。何年も使えます。他製品でもみかける小さなサイズのタイプのはお求め安いですが、早く消耗してしまうので、実はこのハガティのワイドタイプが大変お買い得だと思います。シルバー洗浄液もハガティを使っています。

シルバーの洗浄液は、酸に弱い石がついている製品は使えませんので注意してくださいね。洗浄液につけてはいけない石の種類は、こちら(ハガティ日本公式HP)をご参照ください。

パールも酸に弱い石です。パールのネックレスは着用後、必ずやわかい布(できれば、パール専用の布)で丁寧に拭いてから、ケースにしまってくださいね。パールが黄色くツヤがなくなって劣化してしまうのは、皮脂や汗による酸化が主な原因のことが多いようです。”使ったら拭く”、この一手間で、何十年も変わらずに美しいパール特有の光沢を楽しめるはずです。


ようこそ、Windows 7! さよなら、ジュエリーCAD?!

2011年12月08日 | ジュエリーよもやま話

今日は、テッキーな話題ですみません。久々のジュエリーCADの話題です。(興味の無い人はスルーしてくださいね。)これから、ジュエリーCAD(特に、Rhinocerosベースのもの)を始めようとしている方には参考にして欲しい情報です。
また、私の把握している情報はもう古いかもしれないので、最新情報をお持ちの方は、ご指摘いただけると助かります。

(12/9 追記: タイトルを見てドキっとされた人もいたようでごめんなさい。あくまでも、”わたし”自身が、ジュエリーCADを使えなくなったか?!という意味です。この投稿の最後にも追記があります。)

私のパソコンが、"ソフトウエア的”に調子が悪くなり、(たぶん、レジストリがおかしくなってる)とうとう、OSごとフレッシュインストールをすることにしました。ハードウエアはまだ購入したばかりで、購入時のOSはWindows 7だったのですが、私が使っているジュエリーCADソフトの動作環境に対応するために、あえて以前のパソコンと同じWindows XP に”ダウングレード”して使用していました。つまり、ジュエリーCADとしての環境を維持することを全てを最優先させていました。

このリフレッシュの機会に、再インストールするOSをどうするか、ものすごーーい悩みました。Windows 7を入れると、Rhinocerosは動作しますが、その上で動くプラグインが対応していません。つまり、ジュエリーCADが使用できなくなります。しかし、会社の仕事でよく使うアプリは断然Windows 7対応版が使いやすくなっているのも否めません。一方、ジュエリーCADはごくたまにしか使いません。

よくよく天秤にかけて考えた末、思い切ってWindows 7にアップグレードすることに決めました。

ようこそ、Windows 7! 

快適~~~!! 新しいって素敵!

これで、このPCは、とうとうジュエリーCAD環境としては使えなくなりました。 覚悟の上とはいえ、やっぱり寂しい気分です。 まだ手放したと決まったわけじゃないけど、とにかく、Win XPかVista環境をどこかに作らないことには、ジュエリーCADで造形できない状況に陥っております。

これから新しくパソコンを買ってジュエリーCADはじめる人は、購入するPCのOSバージョンに注意してくださいね。購入前に、自分が利用する予定のプラグインの開発元やスクールの先生とよく相談したほうがいいでしょう。また、現在、Rhinoceros用のジュエリープラグインを使用中の方も、PCの買い換えの際は、要注意です。Windows 7搭載PCは、XPやVistaにダウングレード・インストールをし直す必要が出てきます。

現在、Windows XPもVistaも、ソフトウエア単体では出荷停止してますので、市中の最新パソコン機種では、すでにXP/Vista搭載モデルはほとんど販売していません。Windows 7には、XPかVistaにダウングレードできる権利がついていますが、XP/Vistaのライセンスを購入していない(もっていない)人は、ダウングレードすることができません。

これから使いたいソフトウエアが、Windows 7に対応しておらず、また以前のOSのライセンスも持っていなくて、困っている人が多いようです。とくに業務アプリ(ジュエリーCADもそうですね!)のユーザは深刻です。

そういう人からのニーズが多いためか、XPやVistaをダウングレードインストール済みの新品モデル(最新機種とは限らなない)を販売しているショップがあります。デスクトップ型がほとんどですが、それらのPCは、Windows 7へのアップグレード権もついているので、将来、無償でバージョンアップできますから、買って損することはないと思います。

Rhinocerosが、もうじき、4.0から5.0にメジャーバージョンアップしますが、このタイミングでプラグインソフトも一斉に5.0への対応版が出てくることと思います。そのときには、すべてがWindows 7で動作するようになっていることでしょう。

でもって・・・・、現在、ジュエリーCADを使えなくなっているワタシは、これからどうしましょうね。プラグインがWin 7に対応してくれるまで、気長に待ってますか。(すっかり忘れちゃいそう)


【追記】

この記事を投稿したあと、松村金銀店の松村社長からコメいただきました。ありがとうございます。
『ジュエリー・バージョン』は、Windows 7対応しているそうです。
他のジュエリープラグインは、11月末に私がPCをリフレッシュした当時の開発元のHPに公開されている動作環境の情報を元に、”未対応”と書きましたが、もし、すでに対応しているようでしたら、ぜひWebを更新していただけると助かります。
 (※Rhinocerosは、SR7からWindows 7に対応しています。)


この石、なんの石?気になる石。

2011年11月08日 | ジュエリーよもやま話

今朝、出勤中に道端にドングリがいっぱい落ちていました。 塀の上を見ると、立派なくぬぎの木がある。あー、もうそんな季節なんだなぁ。ドングリの形ってかわいい~、と見入りながら歩いていると、きらっと光るものが・・・。

拾ってみると、ルースでした。オレンジ色のきれいな石です。

残念ながら、ガードルがちょっと欠けています。大きさはこれくらい。

カットはあまり精巧ではありませんが、テーブル面のテリはとてもよいです。 なんだろう・・・。ガーネットかな? 

・・・・で、そこから数歩歩いたところに、またきらっと光るものが。まさかね~と思いつつ、目を凝らすと、やっぱりルース石!なんで~?

なんじゃこりゃ。ヘンな石。クリスタル(水晶)かなぁ。これも、欠けがあります。

染色しているようですが、表面ではなく石の内側に色が染み入っているようでもあり、なんだか不思議な感じです。

どちらも、ガラスではないようです。というのは、裏側をみても、ちゃんとファセットらしいカットがしてあるんです。

何の石だか、判る方、ぜひ教えてください~。

・・で、もって帰ってきてしまいましたが、どうしましょうね。 てか、落とし主の方、このブログ見てたら、ぜひご連絡くださいね~。(この2つの石がどういう状態にあったのか知りたくてたまらない)石枠から外れてしまったんでしょうね。このオレンジとマルチカラーが同じ台に載っていたとすると、なんだか妙な組み合わせですよね。(元のデザインが想像もつかない・・・。) それとも、ルース・コレクターのお宅に忍び込んだドロボーが慌てて逃げる最中に、ポケットの底にあいていた穴から落ちたとか。アハハ、マヌケすぎる。(もう完全に妄想の世界)

今までにも、拾ったルースがいくつかあります。綺麗だけど素人目にも安そうな石なので、持ち帰ってその辺に放置してありますが、再利用はさすがに躊躇しています。石には魂が宿るとか、持っていることでご利益や祟りがあったりするんですよね。パワーストーンの世界では、石の”浄化”なんて言葉もあります。お水に浸したり、あら塩に埋めたり、日光に当てたり、大きい水晶の上に乗せるなどというのもあります。とりあえず、今日拾った子たちも浄化しておくとしますか。

石がはずれて無くなるのって悲しいですよね。私も経験があります。しかも初めて自分で買ったリングでした。マーキスカットのルビーが5つセットされていました。サイズ直しをしてもらって、指につけて帰る途中の電車の中で、石が1個ないのに気づきました。ひぇーん。ショック!2点留めだから、取れやすくはあるものの、でも買ったその日だなんて~。翌日お店に電話したら、無料でなおしますから持ってきてくださいといわれました。出来上がりにずいぶん時間がかかりましたが、色が合う石がなかなかなくて必死に探したとのこと。良心的なお店に出会えてよかったです。石つきのリングをサイズ直しすると、石がはずれやすくなることがあります。みなさんも気をつけてくださいね。

石の祟りで思い出しました。”ホープ・ダイヤ”でしたっけ。45Ctもある青い大きなダイヤを手にした人やその家族が次々と不幸に遭うという話がありましたね。ルイ14世やマリー・アントワネットも所有したそうです。最後の所有者は、有名な宝石商のハリー・ウィンストンさんで、100万ドルで購入して、転売することなく、あちこちで展示してまわり、最後はスミソニアン協会に寄贈するのに普通郵便でポイと送ったそうな。さすが大人物ですな。彼は、さしたる不幸にもあわず、82歳で幸せな人生をまっとうしたそうです。ハリーさんはもしかすると無欲な人だったのかもしれません。彼がホープダイヤを自身の見栄や虚飾の道具にしたり、転売して利益を得ることなく、”美術品”として広く大勢の人に純粋な気持ちで鑑賞させたことによって、石の神様のお怒りが解けたのかもしれませんね。

どうせ拾うなら、こんな石を拾ってみたいなー。そりゃー、あなた、祟りが怖いので速攻で警察に届けて、いずれ落とし主が現れて、たんまり御礼をいただけるのを期待しておりますよ。(^^;; (またしても妄想)


寒い冬はオタクでサポート取り

2010年02月14日 | ジュエリーよもやま話

東京は、ここんところ底冷えがするように寒くて、雨や雪が降ったり止んだりのどんよりとした日が続いています。元来、家でお篭りするのが好きな私は、天気が悪いことを理由にして、これ幸いと何日でも”ヒッキー状態”になってしまいます。

ようやく重い腰を上げて、以前、造形していただいたもののほったらかしになっていた原型の仕上げでもすることにしました。(こいつらを見るたびに、いつか仕上げなくちゃなーとユウウツな気分だったのです)

まずは、光造形のモデルから・・・。サポートの”足”がモデルの面に沿ってびっしりくっついています。なにせ、樹脂の扱いは初めてなので、緊張します。ハードワックスの切削造形ならば、失敗しても修復ができますが、樹脂は修復できないそうなので、一発勝負です。



何を使えばいいだろうか?余分な板の部分は、カッターで傷をつけて指で折り取りました。さて、本体からサポートはどうやって取りましょう・・・・。

樹脂はプラスチックの硬さがあり、粘度やしなりといった”遊び”がほとんどないので、むやみにカッターを入れるのも危険そうです。結局、リューターに金属ポイントをつけて、切るような要領で超低速でゆるゆると除去しました。やれやれ・・・、なんか大仕事を1つ終えた気分です。

今回はあまり立体的でないので、着用時に裏面になる部分にサポートがついてくれて、比較的楽な作業だったかもしれません。サポートがついていた部分の細かい点々は、ヤスリで落とすことにしましょう。

次は、ワックスの切削造形です。




こちらは超簡単なモデルなのでサポート箇所も少なく、垂直な側面部分がほとんどないので、とてもきれいにできています。ただ、横には針が入らないので、丸カンの部分は、ドーナツ型ではなく、”逆U字型”になってしまっており、手作業で丸カンに穴をあけたり、接合部を削って、U字を丸にする作業が必要です。

そして、強敵出現。



一見、何も問題なくきれいに出来ているようですが、ルーペで見ると、かなりガッカリ・・・。まず、設計上は問題ないと思われた、メインストーンの爪とメレ爪がくっついてしまっています。爪と爪との距離が十分ではなく、針が入らなかったものと見えます。爪を少し削って間を離さなければなりません。以前も、鋳造時に、地金を流し込む際の表面張力で爪と壁の間が埋まってしまって苦労したことがありますが、またもや似たような失敗をやってしまいました。。。

爪のトラブルの修復が終わると、今度は、通常どおり”CAD目”の除去の作業が待っています。クロスの側面がぎざぎざ模様になっています。たとえると、トタン屋根のように規則正しく縦方向に細かい溝が入っている感じです。切削針は上から縦に降りて削る仕組みなのでどうしても、どうしても垂直の縦面は滑らかにはなりません。鋳造に出す前にこのギザギザを平らに滑らかにする必要があります。

結局、この作業の間にも、不注意でメレ爪を1本折り、ミル様のパーツを2個潰し、丸カンをぶっとばしてしまい、大惨事の連続。修復作業に1時間以上も費やしました。(泣)


疲れました・・・。

CAD目をそのままにして鋳造し、、地金になってから綺麗にするという手もあるんですが、それはそれで、なかなか大変です。以前、CAD目がついたまま鋳造した地金の研磨をプロの磨き職人さんにお願いしたら、ギザギザなまま鈍く光ってました。(悲)


通販で売れているショップとは・・・

2010年02月14日 | ジュエリーよもやま話

先日は、通販で売れているアイテムについて取り上げてみましたが、今回は、売れているショップについての話題です。冒頭の『手鏡』の写真は、そのヒントです。

私は、自分でもアクセサリーを作りますが、同時に消費者(エンドユーザー)でもあります。実店舗で買うこともありますし、ネットショップで買うこともあります。

最近、長さ調整ができるボールチェーンのネックレスが欲しくなり、ネットで買ってみることにしました。ネットショップは、それこそ星の数ほどありますから、選択にとても迷います。チェーンのように店ごとの差別化が難しい商品では、どういうポイントでネットショップを評価・選択すべきか、自分の中で基準を持たないといけません。
 
通販ジュエリーショップは、値段で勝負している店が多いのですが、安いものはやはり”それなり”、と申しますか、チェーンのように耐久性を求められる商品は品質の良いものが欲しいですし、故障時のアフターサービスも気になります。信頼のおけそうなお店を見つけて、とりあえず注文してみました。

なんと注文した翌日の朝に商品が届いたのです!はやっ~!(@0@;) 
そのショップの所在地は京都です。ジュエリーショップは山ほどある東京都内に住まいながら、京都のショップでお買い物というところがネットショッピングの楽しいところです・・・。(笑)

ショップの対応で、もうひとつ、感心したことがありました。
宅配便は、届くと早く中身がみたくてはやる気持ちで慌ててあけようとしがちですが、ガムテープがうまく剥けなくてハサミやカッター探したりイラっと します。ところが、そのお店から届いたダンボール箱は、ガムテープがはがしやすいようにすべての端をきちっと丁寧に折って”耳”を作ってあり、また、ネックレスのチェーンが絡まらないよう、セロハンの帯が巻いてあって、それを留めているセロテープの端もはがしやすいように”耳”がついていました。こういった、目に見えないところまで細やかな気遣いがあると、お店の品格といったものをなんとなく感じます。



そして、たったチェーン1本が、こんな豪華な詰め合わせセットになって届きました。品物のスペックを記載した保証書、スタッフの方の丁寧な手書きのお手紙と小物(フラワーキャンドル、手鏡、ポーチ、ポリッシュクロス)が同梱されていました。冒頭に掲載の、縮緬に可愛らしい絵柄が施された手鏡は、このプレゼントのひとつでした。京都の心、と申しますか、なんとも”女心をくすぐる”気の利いたキッティングです。まるで誰かに京の旅のお土産を頂いたような気分です。



このお店では、注文時に、ラッピングサービスを注文しないと”簡易包装”の扱いとなり、その代わり、”エコ還元サービス”として次回の買い物で使えるディスカウントクーポンを同梱しています。自家用でもラッピングしてもらうと、得した気分になる人は多いもの。しかし、このお店のように、『ラッピングは選択しても無料ですが、選択しなければディスカウントクーポンをあげます』、というサービス発想は、なかなか他店ではないと思います。



もちろん、注文した肝心の品物は大変しっかりした作りの良いものでした。もちろん、商品が良質であることは顧客満足度を満たす当然の条件ですが、今回利用したショップは、女心をよくわかっていると申しますか、次の購買に繋げる『プラスα』の工夫があると思いました。

今回購入したショップは、沢山のお客さんがポジティブな評価コメントをつけています。『ここで買ってよかった。また利用したいです。』・・・そして、多くの方が、私同様に、丁寧な梱包や迅速な配送、そして手書きのお手紙やおまけが嬉しかったと書いておられます。

このエントリの冒頭に、”信頼のおけそうなお店・・・”と書きましたが、まさに、たね明かしです。私自身、先客さんによるお店の評価コメントが購買の決め手となりました。楽天では、まず購買者のコメントがたくさんある、という事が売れているという指標になり、さらに購買者のコメントがポジティブであると、良いお店または良い品物という評価基準となります。私は、楽天のようなショッピングモールでお買い物をするメリットは、やはり、このコメント機能(つまり口コミ)にあると思っています。

行列が出来ているラーメン屋さんには自然と人が集まります。同じように、売れてる店や評価の良いお店に人は集まりますが、じゃあ、どうすれば売れたり評価を高くできるのか?、そもそも、最初はどうやってお客さんを集めたのか・・・・。それは、成功しているお店のみぞ知るノウハウと言えましょう・・・。しかし、一度訪れたお客さまを、リピート顧客につなげるためのヒントは、冒頭の『手鏡』から、見つけていただけたのではないかと思います。


HOW TO LEARN ワックスモデリング ?

2010年02月09日 | ジュエリーよもやま話

たまたま、私のブログコメントで話題になったので、今日は、初心に戻って、ワックスモデリングのおはなしです。

私は、お恥ずかしながら、ワックスモデリングはほとんど『我流』です。

日本宝飾クラフト学院さんの”名教本”を見ながら独学で勉強しました。



とくに、ワックスモデリングの基本・実際は、かなり前に作られたものですので、失礼ながら、題材のジュエリーはデザイン的には古いのですが、よく出来ている教則本だと思います。

日本でここまでわかりやすく、図解入りで作られた本はあまりないと思います。惜しいのは、モノクロが多いところです。フルカラーだとよかったですが、コストが上がってしまいますね。

これらの本を使用して、独学でひととおり気の済むまで作ってみた後、実際に地金での仕上げまでしてみて、成功と失敗を通じて、本の内容に対する理解の軌道修正と独自の補足をしました。経験から学んだことには、本に書いていないこともあるからです。

そして、自分の勉強が正しかったかどうかを確かめるために、あちこちのジュエリー屋さんやアクセサリー屋さんで、買うフリしてプロの方の作った商品のつくりをたくさん観察させていただきました。たとえば、裏抜きはどこまですればいいか、といったことは、実際に手で触ってみて感覚で覚えるしかなかったです。裏側を念入りに見ている私を店員さんは、不思議そうにみていましたっけ・・・・。

さて、いきなりジュエリー制作から入るのではなく、本当に初歩の初歩、まずは道具の使い方の基本から入りたい、という方にオススメしたい教材があります。

たまたま、私が買ったワックス彫刻刀についていた教材がなんとも秀逸だったのです。以前ブログにご紹介しました商品です。

ワックスの道具を見直してみました



『SEIL Wax Carving Tool Set』

なんと定価18,000円もするのですが、道具はこの先長く使えそうな、とてもモノがいい製品です。今までは、安物のスパチュラ3本だけで全部の作業をこなしておりまして、もともとワックス用の彫刻刀というものはもっていなかったので、この際、プロでも使っているような良い道具を買おうと思い、学校の先生のすすめもあって”清水買い”しました。

まず、58分にもなる実演のビデオがCD-Rでついてきます。
それに、PDF形式ですが、160ページものテキストブックがCDの中に入っています。このテキストは、はじめてワックスに触るまったくの初心者を対象にしているので、道具の持ち方から丁寧に説明しています。
ビデオは、プロのワックスモデラーさんが淡々と彫っているのを録画したものなので、始めて見る人は、どの道具をどのように使っているのか、要領がよくわからないと思います。
まずビデオをみて、テキストで練習して、またビデオを見る、という進め方が理解しやすいように思われます。

詳しくは、SUZUHOさんのWebをご参照ください。

なんだか商品の宣伝みたいになっちゃったな~。(笑)

でも、学校に通ったり、通信教育のための時間や予算がない方には、こういうアプローチもある、ということで、ご参考になればと思います。


通販ショップで売れるジュエリーとは

2010年02月08日 | ジュエリーよもやま話

通販モール最大手の楽天ショップで、週間ランキングを調べています。
このランキングに出入りするショップの動向を、ここ数年見ていますがほとんど不動という感じで、特定のショップが不動の殿堂入りを果たしているように思われますし、売れるアイテムもほとんど変わっていません。 

下記は、今週の週間ランキングで、ブランド品や時計などを除いたものです。

【ネックレス・ペンダント部門】

1位:貝パールネックレスセット 4,980円
2位:ダイヤモンド1粒石ネックレス 0.1ct 14,095円
3位:ブラウンダイヤ1粒石ネックレス 0.1ct 4,500円
4位:貝パールネックレスセット訳あり品 2,490円
5位:ブラックスピネルネックレス 1,980円
6位:本真珠ペンダント 8,900円
7位:本真珠ネックレス2点セット 35,000円
8位:K18イニシャルペンダント 18,000円
9位:ダイヤモンドラインペンダント 0.27ct 12,800円
10位:K18イニシャルペンダント 1,300円

【リング部門】

1位:ダイヤモンド・ななこハーフエタニティ 0.3ct 26,000円
2位:ダイヤモンド・ななこハーフエタニティ 0.7ct 79,000円
3位:シャンパンダイヤモンド・1粒石リング 0.1ct  9,505円
4位:ダイヤモンド・PT900フルエタニティ  0.25ct 29,200円
5位:シャンパンダイヤ・ハーフエタニティ 1.00ct 33,143円
6位:ダイヤモンド7石セミオーダーリング 0.07ct 9,505円
7位:ダイヤモンド9石リング 0.14ct 18,858円
8位:K18ネームリング 10,000円
9位:K22リング 5,999円
10位:ダイヤモンド・ななこハーフエタニティ 1.0ct 110,000円


リング部門で、1位、2位を独占しているショップさんは、以前、”ななこリング”として、私のブログでもネーミングに関するテーマで言及させていただきましたが、このショップさんは常に殿堂入り、トップ独走という勢いでして、ハフエタだけで、安いのから高いのまで、1ヶ月で400本以上も売っちゃうというツワモノ。。。

残念ながら、30位までみても、ほとんどオリジナリティが感じられるデザインを施したジュエリーはランクインしていません。『無難で安い』、が通販ショップで売れるためのポイントのようです。(安い、とは、デパートや宝石店などの実店舗と比較して、ということです。)

この傾向は、最近、女性が会社帰りや週末にデパートやファッションビルで買い物をしなくなった、という”巣篭もり”現象と強い相関関係があるようです。10万円以上する品でも楽天でトップ10入りするという現象は、本当に世の中変わったなぁ・・・と思わされます。

ちなみに、全然話変わりますが、私が通販で買った最も高いジュエリーは、39,800円のWGのリングです。ずいぶん昔の話ですが、使っている石が、あまり見たことがないものだったので衝動買いしてしまいました。
いわゆる、”ストロベリー・クォーツ”ですが、ここまで綺麗な石はまだ見たことがありません。


細かいピンク色の針状のインクルージョンが
1本1本すべてキラキラと光ります。


石全体も淡いピンク色。
シラーも出ていて、なんとも神秘的。
サイドのダイヤの仕上げも丁寧。

これは、Dinosの”Gem Studio”でみつけました。デザイナーさんがこの石にすっかり魅了され、もともとラウンド状だったカボションをわざわざハート型にするためにドイツの研磨屋さんに持っていってリカットしてもらったというこだわりよう。そんな心意気に私も惹かれての購入でした。

こだわりすぎて?!ごく少量しか製造できなかった商品ゆえに、これっきりでして、その後、この石を使った商品のリピート販売はありませんでした。


ジュエリー作品展示会 by ”クリエイターの卵たち” がはじまりますよ!

2009年12月01日 | ジュエリーよもやま話
「ラヴァーグフェスタ2009」

クリエーターのたまごたちの祭典です。
ラヴァーグ・ジュエリースクールの展示会が、いよいよ12月2日から6日まで、恵比寿のジュエリーショップ”ALLY”にて開催されます。

ALLYの交通案内はこちら

昨年の展示会よりも遅い時期の開催ですが、クリスマス・シーズンにあわせたのですね。クリスマスといえば、1年でも最もジュエリーの需要がある時期なのに、学校の展示会のために1週間もお店を畳んでしまって、ALLYさん、よいのですか~???

わ たしは、昨日ようやっと提出しました。毎度、夏休みの最終日に宿題をやっつけてる怠け者の子供のようですね。今年は、展示会用にモデリングしたCAD作品 が間に合わず、なんとか別の作品を”突貫工事”で用意したものの、やはり出したいものが出せなかったので不完全燃焼な感じは否めませんが、頑張るには頑張りました。

このブログを見た方しか知らない話となりますが、ROSE POSYの作品の収益金は、捨てられたり飼育放棄された可哀相な犬猫を保護して里親を探すボランティア団体に寄付させていただこうと思っています。売上はたかだか知れていますが、それでもちょっとした、クリスマス・チャリティになればと思っています。 皆様のショッピングがそのまま『ねこだすけ』『いぬだすけ』になりますよ!

ROSE POSYのコーナーは、お店の方に聞いていただけるとわかります。ヒントは、サーフボードの形をした、超へたくそなハワイアン彫りのペンダント があるところです。まだまだ習作中で売り物になるしろものではないのですが(笑)、一応”目印”として出しておきました。

   

ラヴァーグの展示会は作品を見て回るだけでも大変楽しいのですが、『こんな作品をこの値段で売っちゃっていいの?!』というようなビックリ価格で販売されていたりもします。 

今年はジュエリーCADの生徒さんが増えていますし、最近、光造型機も導入されたので、さらに多くのCADによる作品出展が期待できそうです。ジュエリーCADをはじめてみようかな、と思っている方、展示会のついでに、教室を見学させてもらってはいかがでしょうか。事前予約をすればジュエリーCADの体験もできるそうです。

ジュエリーCAD1日体験コースについて

展示会のシーズンが来るたびに、こうした貴重な勉強の機会を与えて頂いて、ありがたいことだなぁと思うのです。ラヴァーグの展示会を、ただのお楽しみイベントや発表会ではなく、テスト・マーケティングの機会と捉えると、学ぶべきことがたくさんあります。

売れるということは作品を認められるということでもあるので、やはり全く売れないというのも寂しいものがあります。かといって、売れそうなデザインを意識してしまうと、これはこれで物作りの楽しさがなくなってしまいますので、そのへんのさじ加減が難しいところです。

    

展示即売会といっても、来場者の大半は、スクールの生徒と招待された友達や家族・親類で、”ご祝儀”として招待者の作品を買っていくというのがほとんどのケースです。いかに沢山の友達を連れてきて、手ぶらで帰らせない接客ができるかが勝負の分かれ目、といったところです。

セールス向きでないというか、元来要領の悪い私は、ほとんど人を招待しないのですが、知り合いに買ってもらうと、なんかムリさせちゃったかな?義理で買ってくれたんだろうな、と余計な気を回してしまうので、むしろ見知らぬ方の目にとまり、作品を気に入って買っていただけることに、毎回大きな感動と楽しみを覚えています。

さて、ラヴァーグの展示会では、招待された友達や親類は、まず招待してくれた生徒さんのものを買います。それから、まだお財布に余裕があれば、他の生徒さんの作品も物色するわけですが、見知らぬ人の作品を”衝動買い”してもらえる価格帯というのは、だいたい5,000円までがボーダーラインのようです。展示会の様子をそっと観察していますと、私の作品の前で『これ、かわいい~!』と立ち止まってくださっても、値段が5,000円以上になってると、みなさんだいたい迷った挙句、そーっと元に戻しています。(笑)

しかし、一点物については、制作にかかるコストをもろにその1品にのしかかるので、実は値段を安くすることはとても難しいのです。ジュエリーの値段の仕組みは一般の人にはなかなか理解していただけず、量産品の安物などとごっちゃりにして、『シルバーなんだから安くできて当然なんじゃん?』、みたいな感覚で捉えられてしまうのが悲しいところです。

       

今回の展示会は、クリスマス・チャリティもかねているので、原価・コストの勘定は一切抜きにして、すべての作品を5,000円以下の破格の値段をつけて出展することにしました。とくにジュエリーCADの作品は、かかった費用をはるかに下回る値段で出していますので、売れてもまったくコストは回収できません。おまけに作品を作るのにかかった手間暇を考えると、滅茶苦茶な価格設定なのですが、お客さんがせっかく気に入っても価格面で購入を躊躇することのないようにしてみた次第です。

業界の皆様、こ、これは、けして価格破壊ではありません!!
学校の展示会という場所柄、安くないと買っていただけないので、身銭切るつもりでそうしただけですから、どうか見逃してやってくださいませ。


侍ジャパンが贈呈されたリングは、ジュエリーCAD製

2009年11月22日 | ジュエリーよもやま話
asahi.com記事より転載

ニュースで、WBCの表彰式にて、優勝記念リングが選手一人一人に授与されたシーンをみました。リングはテレビでははっきり見えなかったのですが、1点100万円相当、全関係者の分5000万円の大判ぶるまいと聞いて、ギョギョー!どんなの?どんなの~?と、野次馬根性丸出しで、ネットで調べさせていただきました。


スポーツニッポン提供写真を転載
(Gooブログ掲載)


WOW!ゴージャス!!!
リングは、選手ごとに違っていて、左サイドに、『日本代表チームのロゴマークとリングを手にする本人の名前と背番号』が入っているそうです。そこまでのパーソナライズの念の入れようですが、サイズはワンサイズのようで、ダルビッシュ選手はブカブカでつけられる指が見つからず、四苦八苦したそうです。

つくりは、見ただけで、『CADだね』とわかる人はわかると思います。詳しくは銀座天賞堂さんのブログを見ていただければわかりますが、ジュエリーCADでモデリングしています。

このリングは、11月24日まで、銀座天賞堂本店にて展示されるそうです。

ちなみに、2006年の優勝時に送られたリングはこんな感じです。


この時、黄色はシトリン、緑色はペリドットを使用したそうですが、2009年リングでは、黄色はオレンジサファイアを使用したそうです。2009年版の緑色は写真の色合いからすると、エメラルドかなぁ・・・・。

2006年の天賞堂さんのブログから・・・。

『形状が複雑であり、リングごとにちがう名前を入れなくてはならないために、パーツに分けてつくった後に一つに組み上げるという非常に手間のかかる工程で製作されている。』

『このリングのCAD設計では、一般的な宝飾品のCAD設計のじつに3倍程度の時間を要した。』

『このWBCチャンピオンリングでは、鋳造の作業に手作り品以上の手間が要求された。』

『鋳造が完了した後に、さらに細部の表情をデザイナーの意図したイメージに近づけ、質感を高めるために手作業で整形や研磨を行う。』

うーむ、CADでコンマミリ単位まで作りこみながら、最後は人の手でシコシコ、ヤスリ入れちゃうわけですな。
記念すべきリングですから、念には念を入れてということですね。は~、恐れ入ります。

私がWBC優勝の記念品を担当する企画担当だったら?
授与式で渡す記念品は、トロフィー、クリスタル盾といった、家に誰かが遊びに来たら間違いなく、”ああ、これがあのときの!”とわかる、ものにしておいて、個人に贈呈するリングは普段使いできるようなものを作りますね。シルバー製で、邪魔にならないボリューム、カジュアルなスタイリング、勝利の証しとして、上質なダイヤモンドを控えめなサイズで入れたいと思います。毎日そのリングを指にして、あの時の喜びを思い出し、また辛い日にはその日の栄光を思い出して元気づけるために、そして会った人にさりげなく自分をアピールできるように・・・。


ジュエリーCADの普及でおもうこと (ちょっとカタイかも)

2009年11月21日 | ジュエリーよもやま話

ジュエリーCADを始める人が急速に増えてきたようですね。ラヴァーグの生徒さんもどんどん増えているらしく、パソコンフロアは盛況のようです。

ジュエリーCADによる製品作りでは、ソフトウエアの操作スキルと宝飾の伝統工法のどちらの知識 も持ってないと、製品として完成しない、という点では、これからジュエリー制作に携わる方々は、以前よりも学ばなければならないことが沢山増えたのではないでしょう か。

造型機もどんどん改良され、高性能なものが登場しているようです。
ジュエリーCADの分野は、ソフトウエアとハードウエア、それぞれがさらに改良されていくことで、まだまだ進化していくことでしょう。

ジュエリー製造の技術は、『工芸』(craft)から、『工学』(engineering)、へ変わりつつある、そんな気がしています。

   

私がジュエリーCADを習い始めた2年前の段階では、ジュエリーCADについての情報 がほとんどなく、ブログを書く人も少ない状況でした。最近になって、利用者が増えたこともあって、ようやくいろいろな情報が入ってくるようになってきたのかなと思います。

同じくジュエリーCADを駆使する人にも、いろいろいて、オープンな人とクローズドな人がいます。情報を抱え込んで外に出さないで自分だけが知っている状態を保つことが自分の付加価値を高めると思っている人もいますし、どんどん情報を外に出すことで皆に注目され、入門者を導きリーダーシップを取っていく人もいます。ジュエリーCADという分野の技術全体のレベルを底上げしてくのはもちろん後者の人の存在に違いありません。

   

宝 飾業界に新しく登場した制作技術である、ジュエリーCADは、IT(Information Technology:情報技術)の一種です。ITそのものは、産業活動を支援するための技術ですので、特定の人しか出来ないようなものであってはならず、 誰でも習得できるよう方法が開示され、ソフトウエア開発メーカーから多くの情報が提供、マニュアル化されています。ソフトウエアの世界では、掲示板やWikiなどで、ユーザ同士のノウハウ情報交換も盛んに行われています。ジュエリーCADはまだまだその粋に達していませんが、いずれはそうなるでしょう。そこが、従来の伝統的な技術との大きな違いです。

伝統的な技術とは、師匠(親方)と弟子のような関係で口づてに伝承され、簡単な技から徐々に高度な技へと順序だって教えられ、長期間の修業によって習得できるもので、短期間で手っ取り早く出来る方法など絶対に教えてくれません。また、教えるといっても、学ぶ、とは”まね”ぶ、ことであり、師の技を黙ってまねて、技術を盗み取りながら体得するものでした。そうやすやすと教えないのは、”自分も苦労したから、お前も苦労して学べ”、という考え方があるからではないでしょうか。

ところが、ITの世界では、 情報はオープンであることが基本ですので、利用者同士がオープンに情報交換をすることによって、ノウハウのシェア、新しい技術の普及と改善、そしてさらなる発展を目指します。ある経済評論家の方によると、IT業界が短期間で急激な成長を遂げ、いまも発展しつづけられる理由は、”情報のシェア”という文化が根底にあるからだと言っておられました。ITを習得することが最終目的でなく、ITを使って何かを達成することが目的ですから、IT利用者の間には、”しなくてすむ苦労はしないでおこう”、という共通の理解があるのです。

さて、アメリカではインターネットが普及してから、宝飾制作技術に関する情報がかなりオープンになり、データベース化されて誰でも参考にすることができます。また、 わからないことがあると質問できる公開掲示板などもあります。中立的な団体がこうした情報サイトを運営しており、秩序と品性が保たれているので、”2ちゃんねる”のように、玄人がよってたかって素人を叩いて追い出すようなことはしません。また、先進的な職人さんたちは、”YouTube”を使って、自分が制作する様子や実演デモをさかんに配信しています。私もそれらの情報に助けられて、多くを学んでいます。

私自身も日本語サイトだけを対象にした検索エンジンで調べてわからないことは、ほとんどgoogle.comで検索して世界から情報を探しています。英語を読むのは苦痛ですが、日本語で情報がないのですから仕方がありません。

   

まるで評論家気取りで、至極、当たり前なことを、えらくこむづかしく四の五の書いてしまいましたが、要するに私自身も、『みんなでオープンに情報を共有することは、よいことだ!』という立場をとっていると言いたかっただけでした。

私と同じく、ジュエリーCADを勉強中の方々のために、素人の視点からですが、私が見聞きした情報を積極的に出していこうと考えています。ただし、この分野は、ともするとテッキーで自己満足的な内容になりがちなので、それは極力避けて、わかりやすい文章にすることを心がけたいですし、もちろん、業界のプロの方の営業妨害や不利益にならないよう配慮を配らなければならないとも思っています。

といっても、わたしは宝飾業界に身を置いていないため、どういう情報を出すと、どんな不利益になるのかが、よくわかりません。もし、気になるエントリーがありましたら、忌憚ないご意見をお願いします。

     

光造形機 降臨!

2009年11月18日 | ジュエリーよもやま話
 
ブログをエントリーするたびに、いつも迷うことがあります。Gooブログのジャンル。”趣味・特技”→”装飾品”なのか、それとも”工芸”かなあ?と思ったり、”私が作家・芸術家・芸人”→”デザイン”かなぁとか。そういえば、このブログ、何のためにはじめたのだろう・・・。

最初のきっかけは、自分の作品を公開するとか、ジュエリーやアクセサリー好きの人達とコミュニケーションがしたいな、という軽い理由でした。
ところが、なぜか、気づいたら見に来て下さる方は、プロの方や経験豊富な玄人さんばかりで、これはうかつにいい加減なことは書けないぞーという緊張感と共に、いろいろなことを教えて頂いたり、貴重な情報をいただいたり、励ましていただいたり、本当にありがたいことばかりです。

   

さて、ラヴァーグジュエリースクールに光造型機がお目見えしました。校長先生ご自身がブログでそのことを書かれていらっしゃいます。

そして、試験期間中の無料お試しキャンペーンにギリギリ1個、間に合いました!ラッキーです。♪

その機械で作っていただいた樹脂原型が上の写真です。
サポートを取る前です。なんだか建造物みたい。



このサポートがものすごく怖い!!上手く取れるかなぁ・・・。樹脂のサポートはどうやって除去されていますか?安全で効率の良い方法がありましたら教えてください。

切削造形を前提に考えて作ったものなので、3Dぽいデザインにしてませんでしたが、アニー先生が、”せっかくだから”、と光造形してくださることになりました。光造形なら、せっかく、3Dに出来るのに、もったいないことをしました!でも、こういう高さの少ないデザインは、時間的に速く造形できるので、お試しデータ的にはヨカッタのでは・・・。

なんでも、この樹脂はまずはゴム型をとってからキャストするタイプだそうで、ゴム型からの鋳造を前提にしたモデリングが求められます。出来上がり予想寸法より、若干サイズに余裕を持たせる必要があります。

光造形はこれが初めてではなく、一度、安井インターテックさんで行われた、鋳造勉強会で、原型を作っていただいたことがあります。その時はサポートもとっていただき、ゴムを切った状態からのスタートでした。

その時のモデルは、30mmx40mm。今回の作品もほぼ同サイズ。あいかわらず、ROSEは、存在感たっぷりのオオブリなものが好きで困ります。この光造型機ではギリギリのサイズです。実はリミットを知らずにオーバーしてモデリングしたため、アニー先生が、機械に納まるように原型全体のスケールを変更してくださったのです。(石座がなくてよかった・・・)

機械の前には、実験中とおぼしき黄色い原型の残骸?が山のように積み重なっていました。最初は先生方もマシンに慣れるまではかなり試行錯誤を繰り返されたんだろうなぁ・・・という跡でした。

造形機も、鋳造同様に機械制御ですが、電子レンジみたいに”スイッチポン”で誰でも簡単に自動的にできるというものではないようです。その調整作業こそが職人芸なんですね。切削造形も光造形も、機械の微妙な調整が必要で、熟練するためには経験を重ねていくしかないようです。いくら原型モデリングがハイテクになっても、その先にあるものは、やはり経験と勘に頼る職人技なのですね。

とにもかくにも、今まで、切削造形だと裏抜きができない等のデザインに制限があったのですが、スクールに光造形機が登場したことは、本当に有難いお話です!

   

私は、まだ光造形の原型が出来ていく過程というか、”現場”を見たことがなく、原理がよくわからないので、先ほど書きましたが、造型機の横に山のようになっていた、さまざまな実験中?の原型をじっくりと観察させていただきました。”なるほど、このリングの場合、サポートはここにつくのか・・・。” たくさんの造形例を見ることは、造形初心者には大変勉強になります。

ちなみに光造形のほうは、展示会のテーマが、”クリスマス”だったので、唯一それっぽいモティーフにしたのでした。ツリーの形ですが、作品の名前は”Chandelier(シャンデリア)”。X'masシーズンが過ぎても、つけられるように・・・。(笑)たくさんの石がぶらさがって、楽しくキラキラとなる『予定』です。


”銀のかたまり”にいのちを吹き込もう

2009年11月17日 | ジュエリーよもやま話

ラヴァーグの展示会の作品提出締め切りまであと2週間。
結局、鋳造が間に合わないことがわかったので、展示会用に新作したジュエリーCAD作品は出品をあきらめることにしました。

でも、参加宣言をしてしまったし、どうしようかなー。
机の前で腕組みをしながら考えているうちに、なぜか目の前の机の上のとっちらかりぶりが気になって久々に、掃除というか片づけをしようと思い立ちました。

このデスクで最後に作業したのはかなり前になります。
「何を作ってたんだっけ?」

作業途中で放置した感じの汚さで、ヤスリやらキサゲやら道具がバラバラと出しっぱなしになって散乱しています。マメなことが出来ない私は、工程が進むにつれて、しまってあった道具を次々出しては片づけずに次の作業に行ってしまうため、使用済みの道具がどんどん増えていき、最後はゴッチャリになってしまいます。

片づけが進み、デスクのスペースが広くなっていくにつれて、奥のほうからえらいものが出てきました。

「なんぢゃ、こりゃ~!」

出てくるわ、出てくるわ・・・・・。
作りかけのままになってる作品が・・・・。(それを集めたのが冒頭の写真です。)

- 脇石が片方しか留まってないもの (これはかなり笑えました・・)
- 石留めをしたあと、タガネ跡がそのままになってるもの
- バフがけ途中のもの 
- キャストあがりの湯口もついたままのもの
   ・・・・

埋蔵金ならぬ、”埋蔵銀”です。

存在すらも忘れられていた、かわいそうな未完成作品たち・・・・。

新作だったり、 過去のデザインのリピート制作だったり、誰かにプレゼントするつもりだったり、いろいろですが、いずれもすっかり仕上げるのを忘れていました。

何かに夢中になっている時に、ふっと何かのきっかけで新しいアイデアがわいてきて、今やってることがどうでもよくなってしまう・・・。
これが「あきっぽい」「移り気」「新しもの好き」なこらえ性のない私の性格を如実に表しています。

放棄したわけではなく、先が見えて、今やっている作業がつまらなくなった、そんなときに気分転換に始めたことにそのまま熱中してしまい、後で続きをやろうと思いつつも興味を失い、やがて忘却の彼方へ葬り去ってしまうのです。

机に放置した半作品は、新しい興味の対象のスペースのために、デスクの奥へ奥へ押しやられて、そして机全体の”景色”となって馴染んでいます。

この作りかけの作品の数々は、まるで私の性格だけではなく、今までの人生、そして日頃の生活態度を如実に象徴するかのようで、しばし自己嫌悪に陥りました。一言でいうと、

『チュウトハンパ』

(^^;;;;; 

そんな自分をを一喝すべく、一瞬、これらのシルバーを全部溶かして、ハワイアンの練習台にしてしまおうかと思いました。でも、それぞれの作品を作り始めたときの最初のワクワクした気持ちを考えると、そんな残酷なことは出来ませんでした。

”この子たち”を仕上げてあげよう。いつもよりうんと丁寧に、愛情を込めて完成させよう。展示するほどのものじゃないけど、完成したら、ラヴァーグに連れて行ってあげよう。

ただの”銀のかたまり”から、アクセサリー作品としての役目を全うしたら、この子達は、晴れてミッション・コンプリート。あとは、いつ、ただの”銀のかたまり”に戻して違う形に変えても、悔いは残らないと思うのです。

この子達の中から、運良くよそへお嫁入りできた子がいたら、いただいた代金は、クリスマス・チャリティとして、全額を慈善事業に寄付したいと思います。”埋蔵銀”ですからね。ちゃんと社会的還元をしないと。(笑)

わたしは、名言を1日1つ届けてくれるメルマガに登録しています。
その中にこんな言葉がありました。
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途中で投げ出してしまった仕事、手を着けずに放っておいた仕事は、
やがて山のように大きく積もって、人を悩ませる。
                       -ウェルギリウス(詩人)
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