ROSE POSYのハンドクラフト・ブログ

”手仕事”の楽しさをお伝えできればと思います。ROSE POSYオリジナル作品もどうぞお楽しみ下さい。

ブランドものなのにお手ごろ価格 ・・・COACHのジュエリー

2012年04月21日 | ジュエリーよもやま話

久々に、ジュエリーネタに戻ってきました。

私は、ブランド物に疎いので最近まで知らなかったのですが、あの革製品の老舗ブランドのコーチ(COACH)から、ジュエリーが出ていたのですね。(恥)

ブランドものに興味のない私でも、COACHの名前は、日本で流行するかなり前から知っていました。その頃のCOACHは、アメリカの働く女性たちの通勤バッグとしてヘビーデューティな製品が中心で、お洒落というよりも、とにかく丈夫でシンプル、実用的なデザインの革製品が中心でした。今のようなモノグラムの商品やかわいい色のグッズ類もなくて、質実剛健で職人気質な地味なイメージの会社でした。

さてさて、さっそく、COACHの公式サイトから、新作ジュエリーの特集を拝見しました。

デザインは、いずれも若い年代の女の子をターゲットにした、いわゆる甘めのかわいい感じです。そういえば、サマンサタバサもコンナ感じでした。

シルバー製ですが、ピンクゴールドのコーティング(=メッキ)で高級なイメージに仕上がっています。

上の写真は6通りにも使えるペンダント。真ん中のハートと、抜いたハートは裏表リバーシブルに使え、上の写真のように2つのハートを横に並べて鎖に通すこともできます。1点で、TPOに合わせたコーディネートが楽しめそうです。

さて、今日は商品を紹介したかったわけではありません。ここからは、ちょっとマーケティング的なお話です。
私の”オモテ”の仕事は、実はマーケティングです。業種違いだから偉そうなことは言えないのですが・・・。



ブランドもののジュエリー、というカテゴリーにありながら、COACHの注目すべき点は価格設定です。
下の豪華なペンダントもチャームとセットで、17,850円。  市井のSilverのジュエリーとしては、かなり安めの価格帯といったところでしょうか。それがCOACHブランドでその値段というのは、COACHファンにとっては、かなりお買い得感がありますね。


他の外資系老舗ブランドの差別化ポイントとして、COACHは、日本の若い女性が衝動的に自分買いするには、ちょうどいいお値段のところを狙ってきています。バッグを買った人が、ちょっとだけ背伸びして、”ついでにこれも・・・”という感じでしょうか。なによりも、安いにもかかわらず、”ブランドものを所有する”という歓びといいますか、ありていにいえば、”これ、Coachなのよ!”という、ちょっとだけ自慢したい女心も満たすことができますよね。

最近は、海外から大衆ブランドが次々上陸し、日本人の服飾品についての考え方がかなり変わりました。流行を先取りしたい、という女性の購買行動自体はバブル時代から変わりありませんが、ファストファッション全盛の今の時代は、老いも若きも、富める者も貧しき者も(笑)、すべての人々が、シーズン限りで着捨てる感覚で、安くておしゃれな洋服を次々と新調できるようになりました。同様に、小物や装飾品も、”安くておしゃれで、でも安物に見えないもの”が求められているようです。

COACHが、スワロフスキー・クリスタルに注目した点も、非常に巧いポイントだと思います。日本では、ネイルや携帯デコアートの世界で、スワロフスキー・クリスタルがより高級感のある素材として親しまれているので、それがジュエリーに使われていても、何の違和感もないことでしょう。 "キュービックジルコニア使用”よりも、”スワロフスキー使用”のほうが、ステータス感があります。
メーカー側からすると、スワロフスキーを採用したということは、石留めの工程が不要で、糊で貼るだけですから、制作コストの面でも大幅にコストダウンができます。

こうして、COACHは、ブランド=無駄に高い買い物、というイメージを変えてしまいました。一歩間違えば、安物のジャンルに入ってしまいそうなギリギリの低価格路線ながら、ターゲットとなる購買層を非常によく研究した商品戦略によって、ジュエリーの新ジャンルを築いたといっても過言ではないと思います。

私は、COACHの製品自体は肯定も否定もしません。ただ、日本の現在の市場や大衆の購買傾向を徹底的にリサーチした結果といえるマーケティング戦略を展開しているという点を評価しています。



ちなみに、COACHの公式サイトでは、アクセサリーは、時計・ポーチ・キーホルダー・手帳を指し、リングやピアス、ネックレスなどはすべてジュエリーというカテゴリーにおいています。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿