つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

白と黒と紅一点。~ 水墨画風(習作)。

2018年05月19日 20時59分23秒 | 手すさびにて候。
ほんの手すさび、手慰み。
不定期イラスト連載・第八十三弾は、「水墨画風女性像(習作)」。

目に映る世界は様々な色に溢れている。
多々彩々なそれらが無くなると、想い描く色が豊かになる。
見る側の自由度が増す。
階調の数が減る事で奥行きが生まれ、対象の奥深くを覗ける気がする。
だから僕は「モノクローム」が好きだ。

白黒映画。
白黒写真。
水墨画。
どれも趣が深い。
取り分け墨の風合いと手仕事が醸し出す3つ目のそれは、実に雄弁だと思う。

濃淡、ぼかし、かすれ、にじみ、強弱。
写実・細密よりも、無駄をそぎ落とした単純で大胆な筆致。
余白を活かして生まれる広がり。
「描き切らない」からこそ値(あたい)がある。

今拙作は、白と黒の中に、一つだけ他の色を加えてみた。
紅一点が浮き立つように願っての試み。
皮膚が薄く、血が透けて見える唇に色が重なる瞬間は、何ともセクシーだ。

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唇に火の酒と歌。

2018年05月17日 23時46分50秒 | 追悼。
津幡銀座商店街の一角。
旧「池豆腐店」横、旧「竹蔵(焼き鳥/居酒屋)」跡にある、
洒落た飲み屋さん「ソラナム」。

先日、朝早く出掛けた散歩の折、ふと店内の陳列が目に留まる。
アイビーが下がる棚には、
「バランタイン」。
「IWハーパー」。
「サントリー角」。
「メーカーズマーク」などが並んでいた。
これらは総じて「魂(スピリッツ)」という。

アルコール度数が高い「蒸溜酒」の歴史は比較的新しい。
広く造られるようになったのは、11~12世紀頃。
ビールやワインなどの醸造酒を熱し、
沸点の違いを利用して、水よりも低い沸点のアルコールを気化。
それを冷却、液化させて出来る。
アルコール度数が高く、一口含むと、肉体を目覚めさせ活力を与える「火の酒」は、
心の奥深くに働きかける。

個人的な晩酌はスピリッツが多い。
中でもバーボンが好きだ。
今夜は「火の酒」を傾けながら「火のように唄うシンガー」の曲を口ずさんでいる。
西城秀樹さんが死去、63歳 永遠の“ヤングマン”が天国へ旅立つ
また一つ、昭和の火が消えた。
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大時計と腹時計。

2018年05月13日 08時33分45秒 | 賭けたり競ったり
どの競艇場でも必ず目にする設備が「発走信号用時計」。
文字盤の直径3メートル以上、いわゆる「大時計」だ。
これなしに、競技は成り立たない。

時計の針は2種類。
「一回転1分」の白針。
「一回転12秒」の黄針。
掲載画像は、ちょうど白と黄色が重なっているところだ。

競艇のスタートは「フライングスタート方式」。
回転を始めた大時計の黄針が、文字盤の頂点「0を越え、隣の1を越えない」うちに、
スタートラインを通過しなければならない。
早くても遅くても失格となる。
だから、選手は、大時計の針の動きを見ながらアクセルを握るのだ。

最初にして最大の見せ場、スタートを司る重要な大時計だが、
誕生した頃の姿と殆ど変わっていない。

競艇が産声を上げようとしていた当時、
主催者の長崎県・大村市は「服部時計店(現セイコー)」に製作を依頼。
しかし、届いた見積もりは予算を遥かに上回る高額。
しかも、これほどの大型のサイズは実績がない…という注釈入り。

頭を抱えた関係者を救ったのは、地元・大村の「松永鉄工所」だった。
日本屈指の時計メーカーの20分の一の価格で請負い、初開催10日前に完成。
以来、半世紀を超え、全国の競艇場でレースの要として活躍している。

…さて、今回の投稿は、先頃「三国競艇場」で撮影したものだ。
レース運行中は、大時計を睨みながら競技の行方を見守る。
固唾を飲む他、何にも口に入れない事もしばしば。
一日の区切りを迎える頃には「腹時計」が鳴る。

…という事で、この日、本場を後にした僕は、近隣の食堂に立ち寄った。
福井と石川の県境、国道8号線沿いの店…「丸太」である。

北陸の山間部にあるドライブイン。
なのに「本場 沖縄そば」の幟。
軽く戸惑いながら、一歩、店内に足を踏み入れ、賑やかさに驚く。

ご当地・福井メニューあり、定番アリ、沖縄系グルメもアリ。
初訪問のため勝手が分からず、豊富な張り紙に狼狽する。
迷いながら、二度、三度と、辺りを眺め回して目に留まったのはコレだ。

「丼ランキング」上位6傑から1号艇「ブタバラ丼」を指名。

細切りの玉ねぎ&パプリカ、ニンニクの芽と共に、甘辛味の豚バラ肉がオン・ザ・ライス。
漬物、小松菜のお浸し、大振りの味噌汁が付いて、お値段600円は大満足。
懐は寂しかったが、お腹いっぱいになりました。
ご馳走様でした。
次回は、2~3品頼めるように頑張りマス!(笑)
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山は動く、旅するように。

2018年05月12日 12時04分23秒 | 旅行
僕が住む石川県は、南北に長い。
県西南部に広がる「加賀平野」の中央に位置するのが「小松市(こまつし)」だ。
金沢に次ぐ人口を有し、南加賀の中核を担うここは、
観光の一環として「歌舞伎のまち」を打ち出している。
主な理由は2つ。
1つは「安宅の関(あたかのせき)」。
逃亡中の「源義経」と、その家来「武蔵坊弁慶」のエピソードを元にした、
歌舞伎十八番「勧進帳(かんじんちょう)」の舞台がある。

1つは、江戸時代から受け継がれてきた伝統芸能「曳山子供歌舞伎」。
江戸時代につくられた豪華な「曳山(ひきやま)」をステージに、
地元の小学生らが歌舞伎を演じる伝統の「お旅まつり」。
5月11日に開幕し、明日・13日夜まで行われている。
きのう小松へ足を運ぶ機会があり、初日の模様を見物できた。

「お旅まつり」は江戸前期、神社の神輿が小松城まで巡行したことが起源とされ、
およそ350年の歴史を誇る。
神輿が氏子町内を練り歩くことを「旅する」と言った事が、ネーミングの由来とか。
やがて、産業・文化の発展と共に、神輿は豪華な装飾を施した「曳山(ひきやま)」になり、
その壇上で「子供歌舞伎」が演じられるようになって250余年が経つ。

ちょうど、曳山を保管施設から出す場面。
大勢の町衆が力を合わせて動かす曳山は「八日市町」の所有。
寛政年間に建造され、唐門式の二重屋根構造で、高さ6メートル超え。

道を渡り、商店街のアーケードを潜る。
掛け声に合わせ、ゆっくりと往く様子は、なるほど旅をしているようだ。

小ぶりながら獅子舞も出ている。
露店も並び、賑やかだ。

本日・午後から夜にかけてがクライマックス。
都合が許せば、お出掛けになってみてはいかがだろうか?
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こどもの日、鯉幟と風の考察。

2018年05月06日 08時14分49秒 | 自然
「こどもの日」の昨日、津幡町・庄の「住吉公園」にて、空を踊る「鯉のぼり」に出会う。
屋根より低い位置に立ててあり、観賞しやすい。

鯉は、川だけでなく、流れが閉じた沼や池にも生きる魚。
生命力の強さと「登竜門」の故事に肖り、子供の健やかな成長を願った飾り「鯉のぼり」が、
力強く、美しい姿を見せてくれるのは、風のお陰だ。

日本語には、風にちなんだ慣用句が多い。
「風の吹き回し」とか「風の便り」がそれだ。
他にも風土・風景・風刺・風格・風貌などの言葉もある。
「風」は人々の生活や文化と深い関わりを持つ。
何しろ名前を付けてしまうくらいだ。

春一番、薫風、野分、木枯らし。
あえの風、赤城おろし、といった地方名もある。
列島全体が「風の国」。

風は雲を運び、気温や水(海)などを循環させる役割を担う。
時に、強すぎる風は生活を脅かすが、風なしに生活は成り立たない。

そして、僕が好きな「競艇」においても、風は重要な要素。
強弱、風向きによってレース展開はガラリと変わる。
目に見えない現象を見極めるのは、至難の業。
さて、今日はどんな風が吹くのか?
恵風が吹いてくれることを願って止まない。
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