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つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

マチルダとリボルバー。~ 禁断の相思相愛。

2018年05月03日 06時06分04秒 | 手すさびにて候。
ほんの手すさび、手慰み。
不定期イラスト連載・第八十弾は、映画「レオン」。

平成7年(1995年)、
日本で公開された当時のキャッチコピーは“凶暴な純愛”。

映画「レオン」は、きっと多くの方がご覧になっているだろう。
舞台は、アメリカ・ニューヨーク。
孤独なプロの殺し屋「レオン」が、天涯孤独の少女「マチルダ」と出会い、
初めて心に愛情を抱き、生きる希望を見出すラブストーリーだ。
脇を固める登場人物も味がある。
クラシック音楽愛好家で“狂気”の塊、麻薬組織の長「スタンスフィールド」。
裏社会の顔役で、清濁併せ持つイタリア系移民「トニー」。
どちらも役柄になり切って、実に憎らしい。

こうした配役陣に加え、重要な役割を担うのが「銃」だ。
シグザウエル、スミス&ウェッソン、ルガー、キメル、ベレッタ。
多様な銃器なしに、この映画は成り立たない。
エンターテイメントだから多少の脚色はあるだろうが、
改めて、アメリカが銃社会なのだと窺える。

彼の国の「憲法」は「武器を所持して携帯する権利」を認めている。
州によって違いはあるが、一般に銃器を求める際の許可・登録は必要なく、
専門店は勿論、大手スーパーマーケットにも銃器コーナーが設置。
日本の感覚からすると、驚くほど簡単に手に入るという。
…所変われば何とやらである。
ちなみに、アメリカでの2017年の発砲事件による死亡者は1万5,612人。
1日あたりに換算すると42人。
同じ年、日本での発砲事件は22件で、負傷者は5人、死亡者は3人だった。

確かに、引き金を絞るのは銃ではなく人だ。
「全米ライフル協会」曰く"Guns don't kill people, People kill people"。
しかし、それは詭弁だと思う。

容易に心を虜にする美しさと強さを備えた道具。
容易に感情に支配されてしまう動物。
銃と人は、相性がいい。
だからこそ、蜜月は危険だ。

他にも関係が深くなりすぎると身を亡ぼすモノはある。
酒、クスリ、博打などが代表例だろう。
しかし、それらは溺れた者が自分で責任を取れる。
多少は周囲に迷惑はかけてしまうだろうが。
銃は違う。
他者に、圧倒的な力を及ぼしてしまう。
銃は、アダムとイブを惑わす「禁断の果実」に成り得るのだ。
コメント
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