つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

昭和オカルトのアイドル、黒井ミサ。 ~ 古賀新一氏に捧ぐ。

2018年05月31日 00時00分39秒 | 手すさびにて候。
ほんの手すさび、手慰み。
不定期イラスト連載・第八十四弾は、「エコエコアザラク」の主人公「黒井ミサ」。

1970年代、日本は空前のオカルトブーム。
『ノストラダムスの大予言』がベストセラー。
UFO、UMA、超能力者などがブラウン管の常連。
子供たちはツチノコ探しや、コックリさんに夢中になり、
公害、冷戦と核戦争、赤軍派に代表されるテロのニュースが飛び交う。
高度経済成長に翳りが差し、オイルショックが追い打ちをかける。
不穏で不吉なムード漂っていた。

そんな折「週刊少年チャンピオン」の誌面から、不気味な呪文が聞こえてきた。
「エコエコアザラク エコエコザメラク エコエコケルノノス エコエコアラディーア」。
唱えていたのは、美少女にして黒魔術を操る魔女、「黒井ミサ」。
悪魔に子供の魂を捧げるために人を殺め、
危害を加えようとする男にも女にも、容赦なく黒魔術の鉄槌を振るう。
絶大な力を行使するダークヒロインである。

連載当時は、黄金期と言っていいだろう。
『ブラック・ジャック』(手塚治虫)。
『ドカベン』(水島新司)。
『魔太郎がくる!!』(藤子不二雄Ⓐ)。
『キューティーハニー』(永井豪)。
『恐怖新聞』(つのだじろう)。
『ふたりと5人』(吾妻ひでお)。
『百億の昼と千億の夜』(原作:光瀬龍、作画:萩尾望都)。
『がきデカ』(山上たつひこ)。
『月とスッポン』(柳沢きみお)。
『レース鳩0777(アラシ)』(飯森広一)。
『750(ナナハン)ライダー』(石井いさみ)。
『マカロニほうれん荘』(鴨川つばめ)。
『格闘士ローマの星』(原作:梶原一騎、作画:ふくしま政美)。

多くの才能が鎬を削る絢爛豪華なラインナップの中で、
ひと際、異彩を放つ作品が『エコエコアザラク』だった。
仄暗いペンタッチが冴える画面には、
魔法円、タロットカード、呪いの儀式など、不気味な演出が満載。
エロチックなシーンも散りばめられていた。

僕が熱心な読者の一人になってから30年余り。
今年3月1日、作者の「古賀新一」氏が他界。
享年81。
少年だった頃、沢山楽しませてもらいました。
ありがとうございました。
どうか、安らかに。
コメント
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