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つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

加賀平野の北端・津幡町から、白山麓へ。

2012年02月05日 12時06分21秒 | 日記
きのう、私用があって「白山麓」に出かけた。
岐阜県と、富山県、石川県、福井県にまたがる広大な山域へ
久しぶりの冬季訪問。
「今日の一枚」に写っている通りやはり雪深い。

幹線道路の両側は、2メートルあまりの雪の壁。
山肌の木々の枝は、一面厚い雪化粧。
ゴオゴオと音を立てて雪を巻き上げ飛ばすラッセル車が行き交い、
屋根の雪下ろしをしている人々も多数見受けられた。
そんな中には、昔ながらの「被り笠」姿で作業に当たる方もいて、
伝統的な山の民の暮らしを垣間見た思いがする。

白山麓は、古くから「出作り」という生活様式があった。
山に囲まれ平地が少ない環境のため、
村から遠く離れた山奥に点在する平坦地や、傾斜のゆるい場所に農地を開き、
春から秋の農耕期は、その傍の住居で暮らしながらの農作業。
続く晩秋から冬の農閑期は、村に帰って養蚕や炭焼に従事。
季節によって拠点を移す二重生活を送り、
“家や村(コミュニティ)から出て糧を作る”…故に「出作り」という訳だ。

山岳農耕民の典型的な生活サイクルだが、
白山麓でも取り分け雪深い白峰地区では、冬も出作り先で過ごしたという。
もちろん今ではこうして生計を立てる事など無いだろう。
過去の営みである。
しかし、白い雪に覆われた世界を訪れてみると、
加賀平野での生活様式と大きく異なる山の文化が窺えた。
コメント
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