つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

津幡町の眩しい朝に吟じる。

2012年02月03日 23時06分02秒 | 日記
先月から続いた寒波は、節分になってようやく一息吐いたらしい。
今日は、雪面に反射した光が目に染みる穏やかな朝になった。
凛とした空気の中に身を置くと、つい口ずさんでしまう歌がある。

『頼り無く二つ並んだ不揃いの影が
 北風に揺れながら延びていく
 凸凹のまま膨らんだ君への想いは
 この胸のほころびから顔を出した

 口笛を遠く 永遠に祈る様に遠く 響かせるよ
 言葉より確かなものに ほら 届きそうな気がしてんだ

 さあ 手を繋いで 僕らの現在が途切れない様に
 その香り その身体 その全てで僕は生き返る
 夢を摘むんで帰る畦道 立ち止まったまま
 そしてどんな場面も二人なら笑えますように』 (※作詞・作曲:桜井和寿)

「ミスター・チルドレン」の「口笛」だ。
この作品を紐解いてみると「ミスチル」の魅力の一端…
2つのチャームポイントが窺える。

1つは【単純ではない、詩的な世界】。 
実際には「口笛」の冒頭の歌詞にある様に「影が風に揺れる」事はない。
「想いは形のないもの」だから「凸凹に膨らむ」という表現も現実的ではない。
だが、これは完成された文章ではなく「歌」。
美しいメロディにのせて何度も聞いているうち、
段々と自分なりに意味が生まれてくる。
例えば、揺れる影とは「不安」。 
凸凹のまま膨らんだ想いとは「複雑な愛情」。
聞き手が自分なりに解釈できる「面白さ」がある。

もう一つのチャームポイントは【緩急のうまさ】。
不安げなイントロからAメロへ。
明るく希望をのせた「口笛」が登場するBメロへ。
リズムやメロディの変化ももちろんだが、歌詞にも変化をつけ、
作品に幅と奥行きを持たせる事で、耳をグッとひきつける力強さが加味。
そして、そこに重なる「冬の情景」。
…魅力は際立ってくる。
上手い。

だが、北陸の冬は佳曲の情景を許さない。
「今日の一枚」に写るとおり、畦道は白い雪の下。
夢を摘むんで帰るどころか、人が歩く事さえままならない。
コメント (2)
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